記事一覧
Graduation ceremony 2023
先週は、当大学では2022年末修了生の卒業式が執り行われました。
毎年、当大学では3月と9月に卒業式を行っています。
私にとって、今回の卒業式は特別なものになりました。
昨年末に博士課程を修了した学生が、博士号を授与されました。
彼は、5年前に、Australia Award というオーストラリアの国費奨学金(競争率は数百倍)を勝ち取り、インドネシアから私のところに来てくれました。
研究テーマは
科目のコンテンツ作り(シラバス承認後)
前々回の記事「シラバス作り 承認編」では、新しい科目を作る際の、大学内での承認のプロセスについてご説明しました。
今回は、承認後の実際のコンテンツ作りについてお話します。
ここでも、大活躍してくださるのが、大学教育のプロフェッショナルスタッフです(当大学ではTeaching and Learning Teamといいます)。
今回の科目の場合は、特にオンラインの教材が多いので、オンラインが
オフィス見学は学びの宝庫
私は学部一年生のProfessional Orientation (Built Environment)という科目を担当しています。この科目は、学問的な事を教えるのではなく、実践、それもキャリアや職業倫理を教え、早いうちからプロフェッショナルとして振る舞う基礎を作ってもらうことを目的としています。そのためには、同じ分野で活躍している方々がどういう風にキャリアを積んでいるか、日々仕事をしているかを知
もっとみるシラバス作り 承認編
大学に入ると、学生にはカリキュラムやシラバスを配布されますね。当たり前のように配布されるので、私も自分が教員になるまで、こういったものがどうやって作られるのか、全く考えもしませんでした。教員になって自分が作る側になってその過程を知り、今の大学に移ってからは、その過程をリードする側になりました。
オーストラリアの大学のカリキュラムについては、学部編、Honours編、大学院編、研究過程編と、以前こ
2023年新学期が始まりました
2023年、今年のセメスター1がいよいよ今週から始まりました。私は早速今日から講義です。先週はオリエンテーションウィークとして、新入生たちはさまざまなガイダンスや新歓行事に出席していました。
初めてのことで、まだたくさん戸惑うこともあるけれど、大学生活に慣れたら、思いっきり楽しんでもらいたいです。大学時代って本当に人生における貴重な時間だと思います。
先週、昨年私の講義を履修していた、学部2年
番外編:Australian Open 2023を観に行ってきました
オーストラリアの夏の風物詩の1つと言えば、Australian Open テニスでしょう。特に今年は、男子シングルス、西岡選手のベスト16進出や、女子ダブルス青山、柴原組の決勝進出で、日本でも大きく報じられたのではないかと思います。そして、コロナ規制がない今大会は、メルボルン全体でお祭り気分が高まっています。
先週末、メルボルンの会場に観戦しに行ってきました。
私が観戦したのは、男子シングルス
多様な時代の学生のメンタルのケア
今日は、非常に辛い話題ですが、「学生のメンタルヘルス及び自殺」について取り上げます。大学の教員をしていて、指導していた、あるいは一緒に活動していた学生の自殺ほど辛いことはありません。近年、特にコロナ禍でまた深刻さを増している問題です。
私自身の経験では、日本の大学で勤務していた時に、部活動を通じてよく一緒に活動していた学生が、自らの命を断ちました。その時は、私は既にオーストラリアにいたのですが、
なぜ研究者は海外(日本国外)に行くのか?
明けましておめでとうございます。
今年もこの地味noteを読んでくださりありがとうございます。
このnoteを始めてから約1年半が経ちました。これまではテーマはありつつもできるだけマイルドなトーンで書いてきましたが、このトーンを続けると私自身の意見や思いなど、なかなか踏み込んだことも書きにくいということを感じてきました。また、時には読んだ本についての感想などマニアックな事も書きたいと思うようになり
番外編:今年読んだお勧めの3冊
今年もあと残りわずかとなりました。ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、私はシドニーの日本の古本屋さん、Hondarake full of books さんとコラボして、月1回のブックトークや文学賞の開催をしています。毎年12月のブックトークのテーマは「今年読んだ中からお勧めの3冊」です。今日は番外編として、今年の12月トークで私が選んだ3冊をご紹介したいと思います。学生さんにも興味を持って読ん
もっとみる研究アウトプット(論文)の書き方
12月初めに少し日本に行っており、そしてその後コロナに罹ってしまって、2週間ほどお休みしておりました。
今日は研究アウトプットの書き方、すなわち論文の書き方について。これに関しては様々な書籍がありますが、私は上野千鶴子先生の「情報生産者になる」が最も参考になると思っています。この本では、主に社会学分野の例が出されていますが、基本のお作法などは、理系の学生及び研究者にも共通のものです。私は理系の分
コミュニケーション力を鍛える
日本ではよく「コミュ力」と言われる、コミュニケーション能力。学術研究の場では、口頭、記述に関わらず、とても大事な能力です。自分が理解・発見したことを相手に伝え、納得してもらう事ができなければ、研究に貢献したとはみなされませんし、単位取得に必要なレベルの理解度に達した事を、教員に伝えて評価してもらうことだってできませんね。
以前、このnoteに投稿した「異文化社会でのコミュニケーション」という記事
Graduate Exhibition 2022
オーストラリアは2月に新学期(第一セメスター)が始まり、11月に第二セメスターの終了と共に学年が終わります(それから翌年の2月までは学生たちは夏休みです)。
毎年この時期(11月)は、最終学年の学生は、卒業制作や卒業論文(小論文だったり、honoursの学生は論文等を作成します)に忙しく、それらを提出するために、毎日遅くまで図書館や、製図室に残っています。
今週は、わが学部のGraduate