#ショートショート
【小説】偽りの詩人(魔王討伐に向かう勇者に同行する吟遊詩人の話)
お前の詩には魂がないと、師匠や他の高名な吟遊詩人らからは言われ続けていたが、言葉の糸を編み上げる技術は当代随一と自負していた。
王子に随行する吟遊詩人として選ばれ、正直なところ俺は鼻高々であった。魔王を討伐し、近年活動を活発化させていた魔物たちを制圧すれば、王子は国を救った勇者として讃えられるだろう。そして俺の詠う英雄譚が、国の歴史として永久に刻まれることになる。師匠らを見返し、俺の名を轟か
お前の詩には魂がないと、師匠や他の高名な吟遊詩人らからは言われ続けていたが、言葉の糸を編み上げる技術は当代随一と自負していた。
王子に随行する吟遊詩人として選ばれ、正直なところ俺は鼻高々であった。魔王を討伐し、近年活動を活発化させていた魔物たちを制圧すれば、王子は国を救った勇者として讃えられるだろう。そして俺の詠う英雄譚が、国の歴史として永久に刻まれることになる。師匠らを見返し、俺の名を轟か