記事一覧
【MMPI2RF学習4】MMPIと発達障害の私的レビュー③ ~ASD
本ノートは、MMPI使用者向け。MMPIと発達障害についての気楽なレビュー。レビューっぽくまとめた論文の皆さんの紹介です。系統だってなんてないです。前回の続き。
5,ASD(1)バック・トゥー・the MMPI
MMPI時代に「臨床現場で活かす! よくわかるMMPIハンドブック(基礎編)」で、ふれられてたのはASDでした。ADHDよりもむしろ。そうか、MMPIはASDをうまく切り出せるのかし
【MMPI2RF学習3】RCdの奥にいる実存主義と感情の円環理論
本ノートはMMPI2RFの学びのシェアのためのものです。
1,RCdの登場 MMPI2RFは基礎尺度がRC尺度(臨床再構成尺度)にかわりました。RC尺度の作成の流れ以前のノートにあります。開発の流れをあらためてみると
RC尺度をつくるときの4ステップの一番最初に来ているのが"士気喪失”demoralizationをとらえる、です。
なぜこれが重要かというともともとMMPIのすべてに共通する
【MMPI-2RF学習1】MMPIとMMPI-2RF~基本構造の対応を考える
本ノートは、MMPI2-RFについて学んだことをシェアするノートです。心理検査実践家向けです。
1,なぜMMPI2-RF
まず変化にびびる
ついに、MMPI-3に移行しました。その変化に、仰天しております。
MMPIとMMPI2は関連性が強いのですが、MMPI-2RF以降は、かなりの変化を迎えています。
二つの違いは、なにより基礎尺度が違う(今までの1~0の十個→RC尺度)。そし
【書評】治療的アセスメントのさいしょの名著 「MMPIで学ぶ 心理査定フィードバック面接マニュアル」
本ノートは、「MMPIで学ぶ 心理査定フィードバック面接マニュアル(スティーブン・E・フィン著 田澤安弘・酒木保訳)」(以下、本書)を読んだ感想です。
さいしょにまとめると、本書は、埋もれた良書で、治療的アセスメントのコンパクトなダイジェストに大変有用な書籍です。必ずしも「MMPI」でなくとも転用しうる方法論に満ちています。
ずっとさがしていた、けれど・・・・ 数少ないMMPI関連書籍。こ
【論文考】フォーカシング新時代の予感になるか~「予感する身体」岡村心平著
本ノートは、読んで面白かった論文について考えたことを示したノートです。
紹介する論文
岡村心平 2022「予感する身体 : 治療文化論的考察」関西大学東西学術研究所紀要55巻p147-185 (以下本論文)
KU-0400-20220701-10 (4).pdf
概要「フォーカシングという「身体知」に関する治療文化論である」(本論文)とはじまるとおり、フォーカシングがどのような位置づけかを探る
[MMPI研究8]2点コードは精神医学的診断に迫れるか?~Greeneの診断群研究
本ノートは、MMPIヘビーユーザー向けです。特に精神医学的診断に関連する情報です。
MMPIを解釈するうえでは、2点コードは非常に重要。解釈の中心になることはしばしば。ぼくも解釈の軸には2点コードが占める要素は大きいです。
テキストをいろいろみているうちに、「はてもっと確定的に診断にちかづけないか?」と考えていくと、どこかしら限界にぶつかります。MMPIが確実に診断にきりこめそうで、ど
[MMPI研究0]最新の妥当性尺度の源流~Greeneの妥当性尺度解釈ストラテジー
このノートは、MMPIヘビーユーザー向けです。
MMPIの妥当性尺度の、最新のものはすでに昔にそのプロトタイプがあった(のかもしれない)、ということを示します。
最新の妥当性尺度
今までのノートで示していますが、MMPI-2/2RFでは、妥当性尺度が色々増えたり様変わりしています。(これとかこれとか。これもね。MMPI-2RF/3の妥当性尺度も2を引き継いでいる模様です)
MMPI時
【書評】「よくわかるMMPIハンドブック臨床編」~その②各論編
本ノートは「臨床現場で活かす!よくわかるMMPIハンドブック臨床編」(野呂浩史・荒川和歌子編集 日本臨床MMPI研究会監修 金剛出版 2022)の感想です。感想は二つに分けます。こちらは、読みながら一つ一つ気になった点にを示していきます。細かい点にはいっていきます。本書を読んだ人やMMPIヘビーユーザー向けになります。
1,おどろくべき!症例検討会のコメント 何より目を見張ってしまったのは、「症
「詩人のことば、神経心理学者のことば、心理治療家のことば」~心理検査をまとめるために
このノートは、霜山徳爾先生の言葉から考えた、心理検査のついての私見をかいたものです。
こんな言葉があります。
いったいどういう意味なんだろう、なんでそれが大切なんだろう?ずいぶんとながいあいだよくわからないでいました。なんか大切そうだし、でもわからない。
最近、一つの理解にいたったようにおもいました。もっと深みと広がりのある意味かもしれないけれど、現時点での霜山先生の問いへの応答。
神
小川洋子の「謝りたい」と、もう一つのコンパッション
小川洋子のエッセイから
小川洋子さんのエッセイにこんな文章をみました。ミュージカルにはまって楽しむ小川さんに、コロナ禍がせまります。
だれというわけでもない「あやまりたい」おもい。自分がたのしいおもいをしているのに周りが大変なことになってることへの申し訳なさ。自分がわるいことをしているわけでもないのに、感染した誰かに、コロナ禍のだれかに、何にも関係ないのに、「あやまりたい」という小川さんの姿