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creative notes #1

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2019年12月の記事一覧

姉ちゃんにありがとうを込めて

姉ちゃんにありがとうを込めて

(教養のエチュード賞に応募します。日頃noteに書いている姉のことを、改めて書きました。姉にも届くように)

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小さい頃は姉ちゃんが嫌いだった。

2人姉妹で1歳差、顔もソックリなのに

目覚まし時計や文房具を買ってもらうのは姉ちゃんが先。
入学式だとか何かでお祝いをもらうのも姉ちゃんが先。

洋服もお下がりばかりだから母に文句言ったら
「あなたが妹なんだから仕方ないでしょ」と言われるし

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日曜日、フードコートの片隅で

日曜日、フードコートの片隅で

私は主婦です。平日は働いているから、日曜日は郊外のショッピングモールに買い出しに出かけます。ついでに子供達をゲームコーナーで遊ばせた後、フードコートでクレープを食べさせる。日曜日は混むから午前中に行っておやつを食べて帰ってくる。毎週、そんな感じです。

それで気づいちゃったのよ。いつもフードコートのはじっこで、クロスワードパズルをしているおじいさんがいるのです。何を食べるわけでもなく、混む前のフー

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世紀の対決   (ショートショート)

世紀の対決   (ショートショート)

(ショートショート小説)
 
 
 投了が告げられ、取材陣がなだれ込む。
 
 勝った棋士に喜びの表情はない。髪は逆立ち、顔には脂が浮き、目は落ち窪んでいる。夕食休憩に着付けし直したというのに、羽織袴は乱れきっている。元より棋士という職業に、スポーツのような勝利後の歓喜はない。相手を慮る、将棋独特の風習がある。勝利後もじっと難しい表情を浮かべ、一拍置いたのちに静かに感想戦を始める。それが常だ。しか

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知床と阿寒湖の旅。

知床と阿寒湖の旅。



いつもよりもすこしはやめに搭乗手続きをすませる、子どもがいるときはいつもよりも2倍以上の時間を余裕をもたせている。息子はじめての飛行機だ。

“いつも”というのは一人で移動するときのことだ。出張だったり一人旅だったりと、今年もいろんなところにいった。行動力がある病人だとわれながらおもう。でも病人になって急に行動力が上がったわけじゃなくて、健康なときからそういう生活をおくっていたつもりだ。

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全部自分でやる事は良いことなのか?

全部自分でやる事は良いことなのか?

私はフリーランスで映像のディレクターをしています。仕事の範囲を最小限にすると、演出という仕事だけしていれば成立する仕事です。究極的に言えば、道具は何も要らない仕事です。手ぶらで出来る仕事とも言えるかも知れません。

とはいえ演出の仕事は、自分の思い描いていることを、各パートのスタッフの方々に、出来るだけ具体的にはっきり伝える必要があるので、メールはもちろんのこと、図解したり、映像にして見せたり、コ

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無題

あるレストランで連れがホットワイン(モルドワイン)を注文したいというのでウェイターの男性を呼んで「あの、メニューには無いんですがホットワイン出来ますか?」と聞いた。
言い終える前に「出来ません」と。
連れが「じゃあおすすめの..」
と言いかけるのを遮って「えー???、出来ないんです」
字面では表現難しいがこの「えー??」は割と仲の良い友達にやられてもちょっとした喧嘩になる可能性のある程のものだった

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メイクにうるさいニーチェ。

メイクにうるさいニーチェ。

たとえば、ソクラテスやプラトンが生きているときに俺が写真家をしていたとして、撮影を頼まれるとする。それはエキサイティングなことだよな。

「同時代性」というのはどうにもならないから。ソクラテスは今の人に置き換えると誰だろうと思っても、ちょっと比較のしようがない。社会の構造が変わっちゃってるからな。

シェイクスピアみたいな文学者にしても、今の小説家とは意味が少し違う。現在というのは、有史以来の過去

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言葉と学ぶ

言葉と学ぶ

言葉遣いがオラオラだと、行動もオラオラになる。もしそうだとすれば、言葉遣いは重要だ。

「自分をアップデートしていく」という言葉をたまに見かける。
本当にOSをアップデートするのとは違って、学習の比喩である。
アップデートはOS10とかOS11.2とか、OSの数字が上がっていくだけで、入れ物がスマートフォンなら、いくらOSをアップデートしても入れ物はスマートフォンのままだ。「自分をアップデート」と

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絶対、絶対、絶対に許せない気持ち。

絶対、絶対、絶対に許せない気持ち。

「絶対、絶対、絶対に許さない!」

今朝、長女がものすごい剣幕でまくし立ててきた。

手には、数日前に彼女が描いた絵が握られている。

それを見て、僕は「取り返しのつかないことをした…」と思った。

この時期、出版業界は年末進行と呼ばれる過密スケジュールで仕事が進むので、とても忙しい。

その上、忘年会なども始まってくるので、最近は夜に家を空ける日が続いていた。

娘が手に握っていたのは、数日前に

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所有と集合知。

所有と集合知。

先日あるミュージシャンと、「ニューヨーク」というコンビのネタについて話した。彼らは、出す曲がことごとくヒットしているJ-POPデュオという設定で、その作曲風景をコントにしている。

俺たちのファンのあいつらは「永遠」とか「LINEが既読にならない」とかいう言葉が好きだから歌詞にたくさん入れとけ、みたいに話し合いながら最終的に曲ができあがる。ある意味、現在の音楽業界をバカにしているわけだから、そのコ

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20歳から見たら40歳は完成して見える

20歳から見たら40歳は完成して見える

私は今年47歳になります。40歳を超えてから、自分の年齢が分からなくなるぐらい、自分の年齢に興味が無くなりました。

来年48歳で、歳男などと言われてますが、私が20歳の時に見た40歳を超えた大人は、完璧に完成された大人で、確固とした地位を気づき、人生哲学を持ち、若者たちを導いていける威厳すら感じていました。

ちょっと悪く言うと、「完成しきったオジサン」「これ以上伸びないオジサン」というイメージ

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自由とは。

自由とは。

先日、子どものことで、話しになった。

友人がこう言った。
「小学生とかで一人で電車で通学している子を見ると、気の毒に思うんだよねー、勉強させられてかわいそうって。今くらい、遊ばせてやれば良いのにって。」

もう一人はこう言った。

「私にとって、子どもに最適だと思っているのは“褒めて伸ばすこと“、自由にさせてやること」

以前の私は、この二つの意見に賛成で、首をブンブンと縦に振っていた。でも、こ

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2020年に見たいmono

2020年に見たいmono

何気ない発電システムエコが叫ばれてる時代ですが、なかなかエコと発電が結びつかないってのも不思議なのです。それで僕が技術者さんに作って欲しい物は、普段の生活を発電に変えるグッズたちです。

発電エアロバイク

朝、目が覚めてフィットネスバイクなんかで発電、USB経由でバッテリーやスマホを充電出来る物を作って欲しいのです。そして、そんな発電グッズたちには政府が優遇措置とか進めて欲しいのです。ダイエット

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世界のメンテナンス。

世界のメンテナンス。

フランクに大ザッパに言うと、「他人のことを思って行動する」人が好きだ。私はがんばっています、という人が何のためにやっているかと言えば、自分のためだったりして、そういう人は「自己実現さえすれば影響力を手に入れ、結果的に誰かの役に立つ」と、本気で思っている。

それはない。私利私欲で動いている人は誰からも愛されないし、応援されないからステージが上がらない。

ジャーナリストの堀潤さんや写真家のキセキミ

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