彩瀬まる

【小説】あのひとは蜘蛛を潰せない

みっともない、みっともない。 梨枝が羨ましい。 大半の人間は主人公梨枝に対して、序盤はもどかしい憤りを、後半は素直な応援をしたくなるだろう。 それほどまでに梨枝は、私たちの生活の円の中の一登場人物めいているからだ。 私はそんな梨枝が羨ましかった。 主人公梨枝は28歳、24時間営業のドラッグストアの店長で、母と二人の実家暮らし。 生まれてからずっと母と一緒に暮らし、不足もなく、むしろ愛情過多と思われるくらい大事に育てられている。 彼女は母のまともな教育とは正反対の『みっとも

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この本好き。少し不思議な感じの、この世界とは人間のつくりが違ったり、うまくいえないけど、とにかく幻想的で繊細。読むと心地よくて、なんか頭がふわあーってする。(説明難しいな…)夜寝る前に読みたい小説。彩瀬まる「くちなし」

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好きで溢れる人生でありたい

どうも、有です。 まだちょっとだけの自己紹介しかしてないので、ここで私の推し遍歴(って言ってもそれ推しって言えるか?っていうのも含まれてる…ガチファンの方には申し訳ない…)を書いていこうと思います。 この記事ではあっさりと流していきますが、詳しく書きたいものはまた今度、一つ一つの記事にしていきたいと思ってます。 最後まで読んでもらえるとまじで喜びます笑。 ↓自己紹介↓ ぜひ読んでねっ。 小学生高学年あまりにも記憶が曖昧なので、時期もこんな曖昧な書き方になるが、この頃私は

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11月第3週 今週のおすすめ「本の話」 5選

今週は、彩瀬まるさんの最新作『新しい星』より、第1話を大公開!  別冊文藝春秋からは、宇山佳佑さんのエッセイ、そして冲方丁さんと江尻勝さんの対談をお届け。文春文庫からは『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』の著者内田洋子さんによる「文庫化によせて」を公開。また、大好評の浅葉なつさん『神と王』キャラクター紹介です! ◇ ◇ ◇ ★直木賞候補作、高校生直木賞受賞作『くちなし』から4年――。気鋭が放つ、新たな代表作『新しい星』美しく、静謐な世界観で注目を集める、次世代

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直木賞候補作、高校生直木賞受賞作『くちなし』から4年——。気鋭が放つ、新たな代表作 第1話を大公開

美しく、静謐な世界観で注目を集める、次世代を担う作家・彩瀬まるの最新作『新しい星』より、第1話「新しい星」を大公開 ◇ ◇ ◇  三年ほど前のある昼下がりの出来事を、森崎青子(もりさきあおこ)はまるで、自分がもう一度産まれ直したような、生々しく忘れがたい感覚として記憶している。  青子は実家のリビングの床に横向きに寝そべり、下敷きにしたキルト地のラグとフローリングとの境目に両手を投げ出していた。その辺りにはちょうど、ガラス戸から差し込む初夏の日差しが細長い平行四辺形を描

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古い考え方とどう向き合うか

綾瀬まる『眠れない夜は体を脱いで』という作品を読みました。 この作品は短編集なのですが、その中にある「鮮やかな熱病」を読んで考えさせられたことがあります。 それが、「古い考え方について」です。 詳しくは実際に読んでいただきたいですが、この作品では、昔の社会規範に従って生活していた主人公の男が、新しい価値観を受け入れられず苦しむ姿が描かれています。(ちなみに、作品では「性役割」が取り上げられ、男らしさ・女らしさに固執する主人公の男と、それに囚われることなく自由なあり方を模索す

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「女」であることからの解放、「女」でいることの自由 〜彩瀬まる「川のほとりで羽化する僕ら」を読んで〜

 「女」っていう言葉から連想されるのは、とてもとても、女性のごく偏った面だけだと思う。特に、「女性」という言葉以上に、より身体的な性別としての意味合いが色濃く響く気がするのは多くの人が頷くところだろう。  あとは、「女はすぐ泣く」「女は論理的じゃない」「女は感情的になりやすい」といった偏見。  まあ、まあ、わかる。現に、私は夫よりも自分の方が感情的になりやすいと強く感じる。  でも、考えてみてくださいよ、と言いたくなるのは、男性よりも女性の方が1カ月内でのホルモンの変動が

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『光る野原』ができあがるまで

HIROBA『OTOGIBANASHI』が10月28日講談社より、刊行されました。水野良樹(いきものがかり)が2019年から始めた実験的プロジェクトHIROBA。 そのHIROBAに5人の作家が集い、5つの歌と、5つの小説が生み出されました。5つの歌がどのようにつくられていったのか。その創作ストーリーを、作曲を担当した水野良樹が1曲ずつ語っていきます。 『光る野原』『光る野原』 作詞:彩瀬まる 唄:伊藤沙莉 編曲:横山裕章 作曲:水野良樹 作詞:彩瀬まるさん(小説『みち

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愛ってなんだろう? 読書記録:「不在」彩瀬まる

「愛したいし、愛されたい。 ••••••でも、その先は?」 必要とされない。いつも私は選ばれない。 そんなあなたにこそ、読んで欲しい物語。 という帯に惹かれて読んでみました。 彩瀬まるさんは好きでいくつか読んでいます。 簡単にあらすじをご説明すると、家庭環境があまり良くないところで育った主人公の明日香。明日香は漫画家でヒットしており、若いツバメである劇団俳優の冬馬と暮らしている。 ある日、没交渉になっていた父の死をきっかけに小学生頃まで育った実家のお屋敷を相続し片付けるこ

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日記 2021年8月 あらゆる利害を孕んだリアリズムの恋愛と「好きなものを肯定すること」しかできない恋愛。

 8月某日  このご時世、絶対にダメなのだけれど、8月の前半にお酒を飲む機会があって、アホみたいに酔って翌日に二日酔いで最悪な気持ちで目覚めた。  村上春樹の短編「神の子どもたちはみな踊る」の冒頭は、「最悪の二日酔いの中で目を覚ま」すけれど、本当にそんな感じだった。  それでも翌日は仕事の時間にちゃんと出社した。  普通に働けるかな、と思っていたが、途中で耐えられなくなった。ポカリスエストを飲むことすら、気持ち悪くなったので早退した。  部屋に帰るまでもずっと気分は悪かっ

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