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✓まだ温かい鍋を抱いておやすみ

▽あらすじ
食を通して変わっていく人間関係。
ほろ苦く、心にしみる極上の食べ物語。

▽印象に残ったフレーズ

廊下を走る生徒を止める生徒は、
捕まえるために走ってもいいのか。
仲間外れはよくないけど、
嫌いな人ができたときには
どうすればいいのいか。

「誰にも嫌われないっていうのは、
誰にも選ばれないってことに似てるんですかね。」

でも稼ぎ手として平等を主張しながら、
今までたったの一度も
メインん稼ぎ手となる自分を
想像したことがなかったのは、
きっととても不平等なことだった。

「家庭の食事って
忖度の積み重ねでできてるよね。」
「自分がこれを食べたい以外の理由で
組み立てた料理を毎日作り続けるって、
考えてみると結構、クレイジーだよ。
しかもそうして作った料理を、
家族が喜ぶかっていうと微妙なわけだし。」

▽感想
食の話というよりは
食事を用いて、食事を通して
人間が人が生活をするうえで
思っていることを代弁してくれているような
お話だった。

とくに、印象に残った最後のフレーズが
一番心にぐっときた。

別にクレイジーだなとか
面倒だなと思って料理を作っているわけではない。
それでも、作っているときや
買い物をするときは自分が食べたい物よりも
家族の顔が浮かぶ。
喜んでくれるかなとか、
野菜嫌いだけどこうやって使ったらとか
柔らかい物よりもう少し硬い物も、
昨日は肉だったから今日は魚がいいかな
朝ご飯にフルーツとかまた出してみようかな

そんなことを考えながら作ってみる。
美味しいよが聞こえると
それを少し頻度を多くして出してみると
飽きた、なんて言われる。

前好きだったよなとか思って出すと
別に好きじゃないとか言われる。笑

たしかに毎日、クレイジーな事
しているのかもしれない。

それでも料理はその人の事を思って作る
これに変わりはないし
嫌だなとは今のところ思ってない笑

誕生日に自分の好きな料理を作ってくれたり
試験の前にとんかつを作ってくれたり
父が珍しく作ってくれたカレーだったり
料理って、愛情の表しだと思うし
料理は誰かを励ますことになってる時もある。

この本はそれを再確認できた本。

まだ温かい鍋を抱いておやすみ/彩瀬まる/祥伝社

↳試し読みもありますので、ぜひ

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