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逆転美人 藤崎翔 読書感想

シングルマザーの香織は娘の学校の教師に襲われ、事件になったことにより好き勝手言われて、とうとう手記で今までの苦労を語る 美人と言われた香織 しかし美人で良かったことなどない いじめや性的な目で見られること、苦労ばかりの人生 今回の事件で好き勝手言われること しかしこの手記には秘密があった 評価が高かった作品 期待を裏切らず素晴らしい出来だった 手記編を読み、これってとは思った しかし仕掛けられていたあることに、回答編は鳥肌がたった ネタバレは書けないけれど、きっと

    • ビートルジュースビートルジュース 映画感想 結構あっさり

      前作からの続編 リディアは霊能力者としてテレビに出て活躍するくらいにセレブになっていた しかしビートルジュースがいつ戻って来るかという幻覚に怯えている 幻覚ではなくビートルジュースはずっとリディアのことを思っていた いつか会えるはずと死後の世界でも元気いっぱい ところがビートルジュースの生前の元妻ドロレスが復活する ビートルジュースは私のものと、魂を食う彼女が徘徊する 前作からの完全に続編 前作ラストでリディアは吹っ切れたような顏していたけど、ずっとビートルジュースを引きず

      • 不審者 伊岡瞬 読書感想

        フリーの校閲者の里佳子は夫の母と同居している 最近は物忘れしているのではと気にしている そして園から息子の光汰が知らない人と会話していると連絡を受けた 誰かと尋ねたが、光汰はわからないと答える その誰かは夫が家に連れて来た 義母が離婚した際に義父について行った生き別れの兄だった ラストまで読んでこんな話だったかと驚かされた 本当に紹介されたのは生き別れの兄なのか 何しろかなり昔なので義母はこの人誰?とか言っている それに怪しげな会社に勤めている どうやって信頼出来るという

        • あじろ 赤松利市 読書感想

          飲み屋あじろは長年続くお店 常連の客の内の一人の真由美がパパ活ビジネスをしているという投書が、同じく常連の和歌子の勤め先の出版社へ届いた あじろの名前も出て来たので、真由美に間違いないと店主もママも気付く その真由美はしばらく前から顔を出さない 気まずくて避けているのかと話し合う中、事件が起こった マドンナ扱いされていた常連客が姿を見せなくなり、悪評の当初は本当か?と探るところから始まる 事件が起きても謎解きという感じはない 社会派?下町紹介?人情もの?居酒屋の常連空気を

        逆転美人 藤崎翔 読書感想

          プロ野球と高校野球 似てないようで似ていると思ったところ

          高校野球大好きです 甲子園で(昨今の気温の中で試合するのはさすがに辛いと思う)懸命に一勝の為に試合している球児達を見ていると、どこ代表とか関係なく拍手し、涙が出て来る  高校野球は夏の大会で敗退したら終わってしまう まさに負けられない戦い 対してプロ野球は半年以上通じて試合をして、その勝ちの数で優勝が決まる(日本シリーズはまた違うけれど) 違うようで、これは共通点?と思う部分がある それは監督の任期 全球団の監督は任命されてから、ほぼ3年間の契約(二年もあるみたい)を

          プロ野球と高校野球 似てないようで似ていると思ったところ

          リベンジ 映画 キラキラ女子の復讐劇

          ジェニファーは不倫相手のリチャードの別荘に来ていた 二人で休暇を楽しむ、はずだったのにリチャードの狩猟仲間という男二人が登場 やたらジェニファーに視線を送って来るスタン 二人きりになった途端、告白してきて断ると逆上して強姦される ジェニファーはリチャードにスタンにされたことを話すが、お金を払うから忘れろと言う その態度に頭に来たジェニファーはリチャードの家族にばらすと言う するとリチャードの態度が豹変 男三人に追い詰められて、ジェニファーは崖から落とされる わかりやすい復讐

          リベンジ 映画 キラキラ女子の復讐劇

          物語のおわり 湊かなえ 読書感想

          絵美はパン屋の娘 昔から物語を考えるのが好きでお話を書いたりしていた 恋人のハムさんと婚約したが小説家になるのが諦められなくて、流行作家のところに行こうとしたところで、駅前にハムさんの姿があった 物語はここで終わり その後は読者に委ねられる 最初の中途半端な物語の紙束を受け取った北海道を旅する人達の手を渡っていく それぞれ手にした人が、この物語の続きを考えて自分の人生を振り返る なるほどなあと思いながら読んだら、最後にこの架空の話が今と繋がる 一番後味悪かったわ 架

          物語のおわり 湊かなえ 読書感想

          福田村事件 映画感想 嘘や噂を信じてしまう人々

          震災後、福田村に訪れた行商人がデマによって村人から暴行される事件の映画化 福田村はそこまで閉鎖的な村ではない 行商人が行き来しているくらいには開けていると思った しかし一旦、自警団の間違った正義感に火がつくと止められない それは閉鎖的じゃなくても、同じなんだなという印象 武器を持って行商人達のところへ向かう村人達は、生活を脅かされる、だけじゃなく面子や村八分が怖いからという理由で集まっている どんなに村長が止めても、臆病者と言って跳ねのけて、ついには暴行が始まる デマや

          福田村事件 映画感想 嘘や噂を信じてしまう人々

          ひなた商店街 山本甲士 読書感想

          近江貴仁は故郷に戻り親戚のおでん屋を継ぐことに決めた アクション俳優として売れなかった為、すっぱりと夢を諦めた しかしおでん屋が立地している商店街は既に寂れていて、客もそう多くない 学生時代の先輩からもう商店街を取り壊そうとしている動きがあると聞かされる それも人生と思っていたが、ある依頼を受けてから運命は別の方向へ転がり始める ひなたシリーズと言っていいのかな 繋がりはないけれど、大筋は同じ まず嫌な人がいない(ちょっと障害はあるものの) 主人公がくよくよせずに前向き、で

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          スオミの話をしよう 映画感想 長澤まさみさんを存分に撮った作品

          詩人・寒川の妻スオミがふらっと出掛けたまま帰って来ない 誘拐ではないかと疑う寒川を担当している乙骨が警察に届けようとするのを寒川が止める。大事にしたくない。 スオミの前夫の警官の草野にこの件を打ち明ける。スオミの話をしている内に、二人に食い違いがあると気付く それを切っ掛けにスオミの前夫達が集合する スオミの印象はそれぞれによって違う 一体スオミはどんな女性なのか? 長澤まさみさんを撮りたいんだ、その為の作品という印象 ストーリーもわかりやすいし、真相もきっと全員わかると

          スオミの話をしよう 映画感想 長澤まさみさんを存分に撮った作品

          地雷グリコ 青崎有吾 読書感想

          都立頬白高校は文化祭前に忙しくなる 一番人気の屋上スペース ここを狙って愚煙試合が行われる カレーを売りたい1年4組は代表として射守屋真兎を出した 鉱田は真兎が勝負強いことを中学の時に知っていた そして試合は地雷グリコというゲームで行われた タイトルで地雷踏んで死亡する死のゲームかと思ったら違っていた 学生たちが行う頭脳ゲーム この連作短編集 グリコにカルタ、じゃんけん、だるまさんなど、馴染み深いゲームがルールにより頭脳戦となる そして最後のゲームへと繋がっていく 真

          地雷グリコ 青崎有吾 読書感想

          エイリアン ロムルス 映画感想 人災じゃないか

          採掘植民地で働いている人々 太陽のない地から移動しようにも会社は認めず人生に行き詰まる レインにはアンディという亡き父から守るようプログラムされたアンドロイドを連れている 同じようウニ採掘場で働くタイラーからの呼び出しに行くと、近くに漂流するロムルスという宇宙ステーションで設備を得れば別の星に行ける計画を話す その為にはウェイランド社製のアンディの協力が必要だと言う 未来を掴む為にロムルスへ乗り込む仲間達 しかし待ち受けていたのは恐ろしい生命体だった エイリアン、映画館で観

          エイリアン ロムルス 映画感想 人災じゃないか

          サマー・オブ・84 映画感想 ジュブナイル作品と思わせて実は

          80年代 連続殺人の犯人が近所の警官でないかと疑うデイビー 仲間達と一緒に証拠を見付ける為に探りを入れる 親達には勿論秘密 妄想で片付けられるから証拠を集めようと作戦を開始する 途中まではよくあるジュブナイル作品だなと思って観ていた 危険なことが大好きな子供達 事件を解決しようと危ないとわかっていても、怪しい相手を見張り、証拠を集めようとする 途中で親に報告し、ものすごく怒られる だって夜に行動したり、不法侵入したりと危ないことも悪いこともしているから。 しかしなんだか

          サマー・オブ・84 映画感想 ジュブナイル作品と思わせて実は

          魂婚心中 芦沢央 読書感想

          死後婚のマッチングが当たり前となっている世の中 相手がいないとかわいそうとされる 主人公には推しがいる 推しを崇めているが近付こうとはしない ただ調べているだけ その情報を得るだけで満足しているはずだった ところが推しのリアルアカウントを見付け、魂婚のマッチングアプリに登録していることに気付く ホラーかと思ったらSF作品の短編集だった 魂婚というタイトルからもっとおどろおどろしいものを想像していた これはよくない方向へいくぞと予感させておいてから、意外なオチ そこから読

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          骨灰 冲方丁 読書感想

          上司からの依頼により松永光弘は悪評とも捉えられる呟きの原因を突き止めようと現場へ向かう 施工ミス、有害なもの、作業員入院、人骨が出た穴 マイナスな呟きに原因を突き止めるために向かったが、その地下で繋がれている人間を見付けた 恐ろしい話 地下の様子の熱くて乾いた空気がかなり不気味 そこに人が繋がれていたらパニックになる この薄気味悪い空間を出たところからがまた恐怖の始まり 家に誰もいないはずなのにインターフォンが鳴る 変な足跡が残っている 変な臭いがする そして、主人公

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          なんどでも生まれる 彩瀬まる 読書感想

          チャボの桜は逃げ出したところを茂に拾われた 茂は仕事と人間関係がいかずにジイちゃんの家に避難した どうにか茂が元気になれる人と会えないものかと、桜は散歩をしながら探し始める チャボ目線のお話 しかしファンタジー要素はなし 桜に話し掛ける人や鳥は大勢いる けれど奇跡が起こるとかはなし あくまで茂は自分が出来ることだけをやり、桜さんはそれについていくというスタイル 鳥が喋ったとかでなく、人の話していること理解してそう、でも人は桜さんの考えは全くわかっていないよという流れ 都

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