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2022年好きになった本(小説編)

今年はまさかの10月という中途半端極まりない時期からnoteを始めた。
そして読んだ本の感想を意識して残すようにしてきたのだけれど、2022年に読んだ本のなかから自分の感性に合致して好きになった本をまとめることにした。
なぜなら私が「今年読んでよかった本」みたいな記事が大好きだからだ。そういう読書総括記事みたいなのが好きで、いくつか読んで(あ、この本、ほかの人もラインナップに入れてたな)とか思うのが楽しいのである。
出版されたのが今年の作品ではなく、あくまで私が今年読んだ作品なので(いまさらかよ!)となる本もあるかもしれませんが、そこは大目に見てもろて…。
そして好きになった本が小説も小説以外のものもたくさんあったので2つにわけることにした。
この記事は小説編です。感想をnote記事にしたものに関しては記事リンクをつけています~。

◇悪魔が来りて笛を吹く/横溝正史

『八つ墓村』『犬神家の一族』『本陣殺人事件』など田舎の因習ものという作品を立て続けに発表した横溝正史が書いた都会の貴族の話だ。読んでみると横溝正史は「家」というものの概念や父権制(家父長制)を徹底的に揺らがせようとして書いていることがわかった。
私の横溝正史への見方が完全に変わった作品だった。

◇本屋さんのダイアナ/柚木麻子

柚木麻子先生の女の子と女の子の話~~~!
読む前から絶対おもしろいと思っていたし読んだらやっぱりおもしろかった。女の子の目に入ってくる景色の歪み。そんな現実でも手を取りあることを諦めない女の子たちの強さと眩しさ。
読んでいて頼もしくて涙が出てくる。女の子って、女性ってかっこよくてかわいくて最高なんだ。

◇神さまのビオトープ/凪良ゆう
◇わたしの美しい庭/凪良ゆう

ごめんなさい…!凪良ゆうさんの作品が好きすぎて1作に収められませんでした。本当は「流浪の月」も入れたかった。
凪良ゆうさんの刺々しい現実に傷ついている人や世の中に適応しきれていないと自覚している人への眼差しが本当に優しくてそこが大好き。読んで嫌な気持ちになる事はまずないと思う。凪良ゆうさんの作品を読みたいがために2023年も生きたい。

◇武士とジェントルマン/榎田ユウリ

榎田ユウリ先生は「わかりあえない他人が距離を縮めて異なる価値観を交換していく」様子を書くのが抜群にうまい。
他人同士のわかりあえなさって、もう文学ではめちゃくちゃ書かれている内容なんだけど榎田先生はその切り取り方というか物語への照射の仕方が違う。わかりあえないことを悲しいものにしない。ちゃんとそこに希望とか明るさを灯してくれる。
結局他人同士なんてわかりあえねーよ、けっ!っていじける作品よりも私は榎田先生のような書き方が好きだ。人間っていいなって思えるから。

◇西の魔女が死んだ/梨木香歩

2022年今さらその本を読んだのかよ大賞受賞である。言わずとしれた児童文学の名作。
読んでみて大人の私も心が震えたし物語に内包されるメッセージの愛情深さに泣きたくなった。こんな作品が読めるなんて。
小学生、中学生のおすすめ図書一覧に必ずあるこの作品、その理由が読んだ今ならよくわかる。

◇神様のケーキを頬張るまで/彩瀬まる

初めて読んだ作家さん!そして好きになった作家さん!
「神様のケーキを頬張るまで」は短編集なのだけれど、どの話もすっきりと何かが解決するわけでもない。何ともいえない着地の仕方をするけれど、出てくる登場人物たちが結果的に自分の生活に少しだけ誠実になるところがいい。来年はもっと彩瀬さんの作品読みたいなー。

◇プリテンド・ファーザー/白岩玄

はい、横溝正史ぶりの男性の作家さんです。
これは本当に衝撃的だったしこういう作品が出てくるのが令和4年か…となりました。男女平等と謳われ、家事や育児もやることが当然の風潮にどう振る舞えばいいのかわからない、気持ちの置き場所がわからない男性は絶対絶対絶対に読んでみてほしい。男性を癒やしてくれる作品だと思う。

とりあえず小説本は以上になります!
それぞれnoteに詳しい感想を書いておりますのでご興味ある方はぜひ!感想記事にはアマゾンへのリンクもあります~
来年ももっと小説読むぞ~~~!

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