虫も爬虫類も両生類も大体がOKである。しかし、世の中で一種類だけ苦手というかフォビアの域のものがある。ところがそいつからはものすごく好かれている気がしてならない。すぐに私は見つけるし普段は出てこないのに私が来ると尋常じゃないくらい出てくるのだ。前世は奴等のお姫様だったに違いない。
僕らの断片小説 "Being Covered" の主人公ソルは、自己の深淵を覗き込むのが怖い。いわば〈深淵フォビア〉だ。だから直立した姿勢をくずさない。究極の〈非=ハンチバック〉的存在だ。そのことに今しがた気づいた。多分、ソルはいつまでも直立してはいられず、いずれ屈みこむ。蹲る。