~未定の根完(こんかん)~(『夢時代』より)
~未定の根完(こんかん)~
昨日通りの担ぎに見舞われ旧い夜毎は一通(とおり)を観た儘、無音の仄かに〝女性(おんな)〟を観て生く不能の哀れが窮屈だった。幻想(ゆめ)に連(つら)がる不幸の孤独は俺の背中を好(よ)く好(よ)く見ながら、狂える夜霧に夜半(よわ)を観たまま不能の老気(ろうき)を未然に発(た)てた。孤独の様子を暗(あん)に賑わせ無頼の道標(しるべ)を孤高に遣るのは、人山(やま)の目下(ふもと)に概(おお)きく仕立てる精神(こころ)様子に相対(あいたい)して居た。一幻(