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10代から20代に書いた詩(2)
僕は恰好つけだ。素直に生きる、ということを知らない。ただ自分の生きた証だけを他人(ひと)に伝えたくて、心の余裕がなくなった。人の言うことだけを聞いて、自分はこの白紙以外出さなくていい、何度か思ったものの、なかなかにどうしようもない。人間には〝はけ口〟が必ずいる。それが汚れた方であるのは人間の欲だ。仕方ないのか。自分のファンを作りたい、その願望が自分をつき動かし、せつなくし、迷わす。僕よ、どうか神様
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タイトル:どん底の男を羨ましがる牧師
ト書き〈牢獄の中〉
牢獄の檻の前に、牧師が来てくれた。その牢獄の中にいる男はどん底にある。
人生のどん底。人間のどん底。もう二度と這い上がることの無いどん底。
その牢獄の中にいる男は他人を殺し、その他人はもう生き返らない。
帰ってこないのが証明しているように二度と取り返しのつかない、
そのスタートラインをこっちにまたぐことができない境地にある。
この境地