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Kindle Unlimitedで無料で読める名作ホラー漫画7選

みなさんホラー漫画読んでますか?

僕はけっこう読んでる方だと思います。電子書籍化されていない古い本まで漁り、同じ趣味を持った人たちと語り合ったりしているので、ガチのマニアにはかないませんが、まぁ君も割と読んでるねーという感じ。

ただ、あんまり一般的なマンガ読みとは交流していないため、そういった一般的な人がホラー漫画と聞いてどういったものを思い浮かべるのかよく分からない。

まぁでもたぶん、ド王道の楳図かずおや伊藤潤二あたりは世代問わず熱心なファンにがっつり読まれているでしょうし、他には見える子ちゃん、カラダ探し、食料人類あたりもホラーとしてよく読まれてそうな気がします。

今リアルタイムで連載が続いているものに関しては、ホラー漫画が好きな人たちの間で「やっぱりこれでしょ!」「うん、これだよね」みたいになったのを3つ貼っておきます。やはり読んで僕もそう思ったので。

あ、この3つの作品は無料では読めないやつです。記事タイトルが誤解を招くかもしれないので一応言っておきますね。


奇妙な裏バイトに巻き込まれる2人の女性の話。キャラクターが立っているのと、ギャグっぽい雰囲気から急に恐怖のどん底に叩き落されたりとジェットコースターのような感覚を味わえるのが魅力。話作りも上手い。

令和最新版の超オーソドックス1話完結型ホラー。アウターゾーンとかぬ〜べ〜とか学校の怖い噂とか好きだった人は読みましょう。オーソドックスではあるが決して陳腐ではなく、先人から受け継がれたものがアップデートされている。

日常の中にある小さな恐怖感や不快感を拡張することで作られたホラー作品。「これわかるわ~」的な、共感という感情があるからこそなまじ恐怖感が増すという変化球で攻め込んでくる。


閑話休題。この記事はKindle Unlimitedで無料で読める名作ホラー漫画7選を紹介するのが目的なのでそっちやっていきますか。

ホラー漫画界に燦然と輝く巨匠・日野日出志に僕ごときが特に言うことなど何もないのですが……。強いて言えば代表作のほとんどが無料で読めるので1作選ぶのにめちゃくちゃ苦労したことでしょうか。

ヘッダの画像にもなっている地獄変か、はたまた読むバッドトリップと呼ばれる赤い蛇か、有名すぎるあのコマが載っている地獄の子守歌か、それとも独自の作家性を確立した蔵六の奇病か……。

僕自身は赤い蛇が好きなのですが、さすがに最初からこれは間口が狭くなりそうなので珠玉の短編をまとめたまだらの卵を選んでみました。

日野日出志といえばいつもついて回るのが狂気と叙情性。終わりのない悪夢の中をずっと歩き回っているような奇妙な感覚が最高なんですよね。それに加えてまだらの卵は昭和のどこか陰鬱な雰囲気がめちゃくちゃいい……。

あと背景もこの世界観に酔うのに最適。水木しげるやつげ義春みたいに、ただ写実的なだけではなく、世界観にマッチした背景を描く作家は名作が多い。

ギャグ漫画からキャリアをスタートさせたせいか歪んでいてもどこかポップなキャラの絵も最高で非の打ち所がない。この作品が気に入ったら他の日野日出志作品もガンガン読んでいきましょう。



界隈では有名なトラウマ作品『愛の墓標』が載っているので紹介するしかない。

関よしみ作品はわずかな違和感から始まり、静かに人が狂っていく。親が狂っていく、友達が狂っていく、恋人が狂っていく、ご近所さんも狂い、世界全てが狂っていく。

こういう展開が基本なんだけれど、そのシチュエーションの種類が豊富で、インパクトのあるシーンがばんばん繰り出されるので読んでて飽きない。

とりあえず愛の墓標を読むのです。そうすれば全て理解できるのです。僕は初めて読んだとき、普通に腰を抜かしました。あなたにも腰を抜かして欲しい。


人間が激しく血を吹き出したり、臓物をブチ撒ける姿が見たい。そんな殺伐とした心情の時が誰にでもあるはず、と勝手に思っている。

友情や愛が大切とかそんなこたぁどうでもいい。今の自分の心はそんなもんじゃ癒されない。そんな時に御茶漬海苔の単行本を手に取るんです。

スプラッターや人体破壊がよく出てきて爽快感すら感じるし、独特のドライな筆致や間の取り方が他には無いので定期的に読み返してしまう。

なんでこんな独自の読み口があるのか考えてみたところ、擬音の使い方にめちゃくちゃ特徴があるんですよね。擬音が吹き出しの中に入っている確率が体感9割ぐらい。


この技法は大友克洋が1976年に発表した『鏡』で使われた後に多くの漫画家が利用するようになったやつですね。有名作品だとGTOや特攻の拓なんかもたまに使ってるよね。でもここまで偏執的に使うのは御茶漬海苔だけだよ……。

とオタク知識を挟みつつ、実は紹介した恐怖テレビ TVOよりも惨劇館の方が好き。TVOは全巻アンリミ無料なんですけど惨劇館はそうじゃない。だけど惨劇館の1巻だけは全てのAmazon会員が無料なので貼っておきます。

血と肉と臓物に、癒されましょう。



内田春菊は本人のキャラクターとか、南くんの恋人の作者とか、東京電力のマスコットでんこちゃんのイラストの方が知られていると思うけど、自分にとってはこの作品が大きなトラウマになっている。

自分は人間の力が及ばない怪異とかが好きなので、「結局怖いのはやっぱ人間なんだよね~」みたいなこと言われても「は?俺は人間のことなんか塵芥としか思っていない旧世界の神にメチャクチャにされて狂気の渦に飲み込まれたいんだが?」となることが多かった。

この作品は人間がとても怖い。人間の悪意、それも湿度の高いべっとりとした悪意をとことん煮詰めたような感じで、どの短編もものすごく後味が悪い。

なんでわざわざこんなの読んじゃったんだろ……。となりつつも頭からこの本のことが頭から離れないんですね。

この記事を書くにあたって読み返したんですけど、うーん、やっぱ男が読むとキツいですわこれ。だけど女性はハマるかもしれないですね。



母と娘の確執だったり男女関係のドロドロはかなりリアルだと思うし、昼ドラやレディコミ的な味もします。でもこの作品でしか得られないものがある。もう読みたくないと思ってもまた読み返しちゃうんだよなー。



泣く子も黙るホラーの女王、犬木加奈子の登場だ!とはいっても20代の人とかは知らないかもしれないですね。90年代に一世を風靡した作家です。ホラー系の雑誌を手に取ると表紙がだいたいこの人、という時代がありました。

犬木加奈子の魅力はどストレートに“怖い”ことですね。


表題作もそうですが他の短編も原始的な恐怖を呼び覚まします。小さいころに読んで一晩中眠れなくて朝を迎えたのはこの人の作品だけだな。

絵柄は日野日出志的なギョロ目デザインに、楳図かずお的な黒さや少女漫画的感性がブレンドされてます。この2つが組み合わさるのは料理で例えるとハンバーグカレーみたいな新たな王道の誕生でしょう。王道だからこそ女王と呼ばれる所以です。

この単行本は口裂け女の他、なめくじや美醜をテーマにした作品も入っていてここから読むのはちょうどいいです。気に入ったら続巻もあるしね。



美醜をテーマにしたホラー作品が収録されてる本は名作!知らんけど。とりあえずこの本は怖くて面白いですよ。

最後にホラー豆知識を書いておくと月間ハロウィンの第1回楳図賞には犬木加奈子と伊藤潤二、2人とも応募していて犬木先生は選外佳作、伊藤先生は佳作の賞をとっています。

のちのビッグネームがデビュー戦でバトルしていたことが判明するってロマンある展開じゃないですか?



血と臓物だけでは物足りないという方へ、奇想と耽美も兼ね備えたこの短編集はどうでしょうか。



どの収録作も溜息が出るほど出来が良いのですが、僕はこの『飼育ママ』が好きですね。ジャンプ読者に分かるような説明をすると、幽遊白書で仙水が「ここに人間はいなかった。一人もな」と言った時のようなインモラルかつ病的な世界観がたまりません。

とりあえずこの本を読んでみてハマったら同人誌を購入したり、FANBOXに課金しましょう。また、COMITIA144にも新刊を携えて参加されるそうなのでそこで色々買ってみるのも良いと思います。


電子書籍で復刻されるまでは3万程度まで高騰した実際の本を買うしかなかったという伝説化したマンガです。

気付いた時にあわてて記事を書いたので読んでね。

内容はとてつもなく不道徳でグロテスク。非常にスピード感のある展開も相まって脳味噌がシャッフルされる感覚が味わえます。

『ずっと…いっしょ』と『還らず病院』はマジで読んで下さい。本当にブッ飛ばされるので。



とまぁこんな感じで長々と書いてきましたがここまでお付き合い下さりありがとうございます。

最後にアンリミのリンク貼っておきます。

他にもホラー以外の作品も紹介していきたいなーと思ってます。今パッと思いつくアンリミ無料作品は殺し屋1とか福本伸行のちょい前の作品。銀と金、アカギあたり。

初回30日間は無料体験らしいですよ。僕はアンリミできてからずっと入ってるので無料体験できないですけど。

ここまで読んで下さった方ありがとうございます。


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