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『胚培養士ミズイロ』5巻

一色室長の話、ヘビーなの来るかと思ったらむしろコメディ寄りのライトなやつで意外というかなんというか。 ただヘビーなの持ってるだろうから今後どうなるのかな。 そして新しく始まった「お迎え編」がまたきっついやつで。 『「ヒト受精胚」は生命として定義されていない』 って、確かにそうなのかもしれないけど、実際に言葉として明確化されているとドスンと重い。 「それが生命であるかどうか」って物凄く深くてエグい話だと思うけど、それを決めなければ仕事にならない。という点で胚培養士が主人公

    • 『ようこそ!FACTへ』3巻の感想の追記の追記。っていうか答えの無い独り言。カルトってなんだろね。「自分の人生を生きる」ってなんだろね。

      先生が見せてくる映画が『マトリックス』と『ゼイリブ』で、どっちも「俺だけが…!」という救世主であり英雄でありの「ザ•ワン」の話であって、作中でも渡辺くんはそう思うように誘導されてるし、そこに確かに生の充実を感じているわけだけども。 そこで「俺はたったひとりの俺なんだ!」「英雄なんだ勇者なんだヒーローなんだ!」という『選ばれし者』としての英雄的思考で気持ち良くなっちゃう。まるで酔っぱらってるみたいに。それは確かに滑稽にも見えるけども。 でもこういうカルトの人達が突いてくるのって

      • 『忍者と極道』13巻

        絶対盛り上がると思ってた孔富先生とのバトル。やっぱり最高。 とりあえず孔富先生の異形っぷりは久し振りに漫画読んでてビックリしたというか「こんなん見たことねえ」というインパクトでたまらんかった。 そんくらいアイデア溢れるデザインだけど、それがただの見た目一発のために用意されたもんじゃなくて、ちゃんとお話の必然のうえに成り立ってるのが本当に偉いなと思う。 『「怪獣」という「異形」に憧れる』 その設定ひとつで幾重もの想いが乗っかってくる。 「自分は普通とは違うんだ」というマイ

        • 『ようこそ! FACT(東京S区第二支部)へ』3巻

          うーーーーわーーーーー。 おもしれええええええーーーーー。 何が起きているわけでもない。 実は何も起きていない。 他から見ればただの落ちこぼれの夢想。 修行のシーンなんてきっとニートとクズの散歩。 そんなことより働けよ。 そんなことよりちゃんとしろよ。 ギャグみたいな嘲笑の対象。 それがリアル? それが現実? でもこの漫画を読んで誰が渡辺くんを笑えるんだろうか。 いやぁぁぁ面白いです。 一番感心するのはやっぱり「あなたは渡辺くんを笑えるんですか?」というバランスの描き

        『胚培養士ミズイロ』5巻

        • 『ようこそ!FACTへ』3巻の感想の追記の追記。っていうか答えの無い独り言。カルトってなんだろね。「自分の人生を生きる」ってなんだろね。

        • 『忍者と極道』13巻

        • 『ようこそ! FACT(東京S区第二支部)へ』3巻

          『DOGA』1巻

          かなり雰囲気のあるファンタジー作品。 よくある異世界物とはちょっと違う、海外小説のような空気感。 旅をするふたりは身体を失った貴族のヨーテと貧民街に暮らす怪力娘のドガ。 ヨーテの設定がかなり面白いです。ぶっちゃけ「即席サイボーグ」なんですが、デメリットしかない。歩くくらいしかできない。いきなり動けなくなる。肉声でも喋れない。マジでここまでデメリットしかないのも珍しいんじゃないかというくらいの役立たず。 更に今はまだしっかりと語られていない「故郷の兄との関係」がなかなかにエグ

          『DOGA』1巻

          『ねずみの初恋』2巻

          よーしよしよしよし! イチャつけイチャつけ! 死ぬほどイチャつけ! こっちが羨ましくなるくらい、 「あーもう幸せになっちゃえよ」と思うくらい、 盛大にイチャつけばいい! お前達がイチャつけばイチャつくほど、 後に酷いことは起こるのは確定で、 つまりは漫画が面白くなるのだから!!!! いやぁー面白いです。 てかちゃんと漫画うめえ。 1巻の出だしだけ見たらアイデア一発の漫画家さんの可能性もあるのかなーと思ってたんですが、2巻読んで「あ、これはすげえ」と思いました。 イチャ

          『ねずみの初恋』2巻

          『放課後ひみつクラブ』5巻

          あー、面白い。 あー、くだらない。 あー、笑った。 なんちゅうかこう「今回も面白かったー」以上の感想なんて必要ない漫画ってあるよね。 『放課後ひみつクラブ』は正しくそんな感じ。 毎回ちゃんと笑えて面白いので永遠にやっていてくれと思う。 そんだけで感想充分だと思うんだけど、一応それっぽいこと言うならやっぱこの漫画のギャグの特徴として、なんちゅうか振りかぶらずに即発動が可能な「牙突零式」みたいな「零式ギャグ」がやっぱり笑ってしまう。 タメが存在せずにいきなりくだらないギャグ

          『放課後ひみつクラブ』5巻

          『君と宇宙を歩くために』2巻

          うん。いい漫画や。 1巻の感想でも書いたんですけど小林も宇野くんもたぶん発達障害なんだろうと思うんですが、病名をわざわざ明らかにさせずにキャラの主観で、そのキャラなりの思考•言葉で悩んでる姿を描くのはとても優しいと思う。 ていうのは、自分がそうだとか知らない若い人とかもたくさんいるだろうわけで。そういう人が「あーわかる」「自分以外にもこう感じる人いるんだ」という実感が何よりもまず「最初の勇気」になるだろうから。 漫画の見えるとこにはっきりと「発達障害の~」っていう文字があった

          『君と宇宙を歩くために』2巻

          『フォビア』3巻

          元々ゴトウユキコが好きで、やっぱりこのひと漫画うまいな、うまいちゅうか「心に刺さる」漫画の描きかたが出来る人だなぁと。 特にやっぱ表情の描きかたとそれを挟み込むタイミングが抜群ですね。 しかも、あからさまに「おかしくなった後」のいわゆるホラー的ウギャーなシーンじゃなく、「おかしくなってきている」という段階の「人間の顔」の挟み込み方が絶妙。それは恐怖症ホラーというこの題材にもピッタリだしいい人選だったんだなぁと改めて。 原作の人はよく知らなかったんですけど、基本はギャグの人だ

          『フォビア』3巻

          『平成敗残兵☆すみれちゃん』1巻

          面白い! 売れなかった平成アイドルがいとこにノセられる形で同人グラビアデビューして…ってお話。 で、お話は確かにそうなんだろうけど、どんな漫画かは幾つかパターンあるよなぁと読む前に思っていて。 「ほぼヤッてないだけのエロ漫画」みたいなのとか、「30代ダメダメ女子自虐を無駄に押し過ぎるギャグ系」とか、それだったらあんま好きじゃないなーと思うパターンも結構あったんですけどちょっと迷って購入。 買ってみた一番の理由はタイトルでした。 おもろいタイトルだと思うし、「このタイトルを

          『平成敗残兵☆すみれちゃん』1巻

          『僕が死ぬだけの百物語』3巻

          最新刊でもないし「読みました」というだけのメモが主で。 最近ホラー短編漫画よく読んでるんだけど『僕が死ぬだけの百物語』は怖さもイヤな感じ感も一番ちょうどよくて好き。 本当に「ちょっといい話」も幾つかある中で「いいことしたのに悪い結果になる」も混ざってるバランスがすごくいい。たまらん。 ハートウォーミングな結末ばかりではつまらないし、「どーだ? 最悪な結末だろう?」っていう作者のドヤ顔オチばかりになるのも、結局ただのルールになってしまうからつまらない。 やっぱり短編ホラーはル

          『僕が死ぬだけの百物語』3巻

          『光が死んだ夏』5巻

          「謎解きパート(なのかな?)」が進み、ここに来て思っていた以上にがっつり怪談•因習系ホラーとして展開していって驚き。 個人的には「ホラーミステリーの謎解き」としてはもうちょい「何がわかって何がわかっていないのか」を整理してくれると助かるんだけどとは読みながら思ってしまった。 「本人がそこにいる」という特殊設定もあって更にヒカルの記憶も何をどこまで覚えているか曖昧という状況なのでわかりづらくなっちゃうのはしゃあないとは思うんだけど、それでも「一番の謎はこれです」というのがもうち

          『光が死んだ夏』5巻

          【5月に読んだ漫画】メモ

          『劇光仮面』 『地を這う亡国の王女』 『スノウボールアース』 『ザ•キンクス』 『リバーベッド』 『コーポ•ア•コーポ』 『杖と剣のウィストリア』 『だんドーン』 『SANDA』 『君と宇宙を歩くために』 『ひとでなしのエチカ』 『バーサス』 『タワーダンジョン』 『ウルタールの猫』 『ザシス』 『ダーウィン事変』 『ゆうえんち ーバキ外伝ー』 『どくだみの花咲くころ』 『夢なし先生の進路指導』 『戦車椅子』

          【5月に読んだ漫画】メモ

          『戦車椅子』6巻

          1巻からずっと推してる漫画です。 とにかく「オモシロ殺し屋」と「オモシロギミック」と「オモシロ設定」を出きる限り散りばめてやるという作者の気概が感じられて楽しい。 そのうえでこの作者さんは、なんつーか「邪気が無い」というか、「自分はこれが一番面白いと思ってる!」という気持ちが全面に出てる感じがするんですよね。 そのうえで肝心のドラマの芯の部分に関しては全う過ぎるくらい全うで、変にひねくれてない真っ直ぐな話が多いのもいい。 主人公は「最強」ではあるけれど、その周囲のキャラに関し

          『戦車椅子』6巻

          『夢なし先生の進路指導』3巻

          相変わらず面白いです。 そしてなんて誠実な漫画なんだろうと思います。 個人的に今の時代に一番厄介な考え方って「リアリスト気取り」だと思うんです。 「そういうものだから」「現実ってそうじゃん」「だから仕方ないよ」 世界ってそういう風に出来てるんだよ。という一見達観したような結論。 それは迷ったり悩んだりしてる人にとって「結論を出している」というだけで自分よりも大人に見えたりもする。 でも実は自分と大して年齢やら経験やら変わらなかったりする人が「考えるのはここまででいいや」と楽

          『夢なし先生の進路指導』3巻

          『どくだみの花咲くころ』1巻

          面白かった! 「クラスのへんなやつ」と「クラスのへんじゃないやつな自分」が仲良くなるって話はパターンとしてよくあるわけで。 こないだ読んで2巻も買ってきた『君と宇宙を歩くために』とか、「よくできてるなー」と思ったし、マンガ大賞も納得だった。 「クラスのへんなやつ」が「どんな風にへんか」が明確だし、「クラスのへんじゃない自分」が「クラスのへんなやつ」と仲良くなる過程で生じてしまう「上から目線感」をうまく消して、ふたりだけが持つ「興味あること」一致していくという流れもよく出来て

          『どくだみの花咲くころ』1巻