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『ヒストリエ』12巻

おんんんもしれええええい!

マケドニアに来てから今までのことが全てフリだったかのように物語が動き始めてる感があり、おうおうおうマジですかという面白さで。
ただまぁもぉちゃんと面白くなってきちゃって、そのぶん次読めるのいつなんよという不安も更に募るわけですが。

それにしても改めて岩明均の「そこクローズアップする!?」というセンスには脱帽です。
映画監督でいうとシャマランとかにも似たセンスというか、「そこでカメラ寄るの!?」みたいな感じで、「そこの描写にこんなページ数使うの!?」みたいな感じがたまらんです。
もちろんテーマ的に意味がある場面なのはわかるんですけど「蛇が顔を丸飲みするとこ」とか、今巻でいうとやっぱりパウサニアスの最期。
上体ぶった斬られからの視線移動の描写からまずすげえけどやっぱその後の「死体とてとて」からの「おめでとう…!」とか、なんだかわからんが何を描いているんだという圧倒的すげさ。
狂ってますがな。
史実のエピソードとかがあるのかもしれないんですが、にしてもこうは描かんだろうという。
もう言葉選ばずに言うと「変態やないか」と思ってしまうような描写の仕方。
いやぁ、たまらんです。

フィリッポスの最期の描写も、なんちゅうかなんて意地が悪いんだという描き方しやがるし、「死体の表情」までもが厭ァな、厭ァな空気を纏ってる。
そんな中でエウリュディケとエウメネスの関係は意外な程全うにヒロイックに描いてみせたりと(エウリュディケいいキャラだったよなぁ。すげえ好きだった)懐の深さがバンバン出てますわな。

というか今まで「馬が谷を越えるかどうか」とか「蛇が人の頭を丸飲みします」とかで単行本1巻分使ってたのはなんだったんだというくらいの事件がボコボコ起きてて(まぁ実際の歴史がそうなんでしょうが)、ぜってえこの先面白ぇじゃん!というのがたまりません。
なのでもうちょい頑張ってくれんか、岩明均。
13巻はいつ発売になるんじゃろうかあぁぁ。

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