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『胚培養士ミズイロ』5巻

一色室長の話、ヘビーなの来るかと思ったらむしろコメディ寄りのライトなやつで意外というかなんというか。
ただヘビーなの持ってるだろうから今後どうなるのかな。

そして新しく始まった「お迎え編」がまたきっついやつで。

『「ヒト受精胚」は生命として定義されていない』

って、確かにそうなのかもしれないけど、実際に言葉として明確化されているとドスンと重い。
「それが生命であるかどうか」って物凄く深くてエグい話だと思うけど、それを決めなければ仕事にならない。という点で胚培養士が主人公のドラマでないと触れられない話だなぁと思う。

それにしてもこの作者さんは本当に「日常」を描くのがうまい。
それが続いていくものであることが時として幸福であり時として不幸でもある。
そのどちらにも振れる可能性がある中でひたすらに懸命に生きている人の描写がメチャクチャうまい。なのでそれを見ているだけでジーンと胸に来る。
でも更に、そんな懸命に生きている人が「子どもを産もうとするか、それとも産むことを諦めるか」という人生の中でもそんなにシビアな問いがあるかってくらいの命題にぶち当たる様が毎回毎回描かれるので、毎回毎回胸に来る。

でもそれって、現実世界で、今この瞬間にも、色んな人が実際に悩んでいたり決断したりしていることであって。

人間ってすげえな、生きるってすげえなと、当たり前のことを改めて思ってしまう。


やっぱこの漫画はねえ、中学高校の図書館にマストで置くべきだと思いますよ。はい。

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