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『平和の国の島崎へ』6巻

エンタメとしての「元凄腕傭兵が日常に馴染もうとするお話」の部分は一旦しっかりと描いてみせて、ここからが本当に描くべき「伝えたいこと」なのかなと思わされた新刊。
とにかく帰国直後の「島崎の顔」の描きかたがスゴい。
人間ではなく殺人マシーンとして「道具として」生きてきてしまった人間の顔が、今の島崎の顔になるまでの物語がここから描かれるんだろうけど、同時に「島崎が戦場に戻るまで」の流れも描かれるのだろうから今からもう想像するだけでキツい。
何かを変えようとするとそれに合わせて他の色々な「繋がり」が出来る。
それがまた別の変化をうみ連鎖していく。
当たり前のことだけどその「繋がり」を奪われた人間の人生を考えると、自分に翻って考えさせられてしまうなぁ。

あと山本係長が実はもうひとりの主人公なんじゃないかと思えてきた。
一番難しい立場であろうこの人の物語もとても気になる。

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