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虫フォビア(虫恐怖症)がその理由について考察・説明する


(記事に虫画像は載せていません)


現代人の虫嫌いは、都市型の暮らしになり、日常生活や自然の中で見る機会が減ったからだとする説がある。
※ここでいう虫とは節足動物全般のこと。
私は半分同意するものの、まだ不十分だと考える。


私は幼少期に田舎の祖母宅に預けられて育ち、かなり自然豊かな環境で過ごした経験がある。田んぼが広がり、雑木林や山がすぐ側にあった環境だ。
その中で育ち、一般的にまだ虫に耐性があるであろう子供の頃でさえ、小学生低学年の頃にはもう私は虫を明確に拒絶していた。


理由は、脊椎動物とは明らかに違う生命体としてのデザイニングに気持ち悪さと嫌悪感を抱いているのだと思う。
明らかに自分とは別種の生き物だ、「異種」だと感じる。そこが嫌悪感の根本だ。
デザインが気持ち悪い(と感じる)のである。


そもそも、都市生活、というか日常生活でほとんど関わりがないことが嫌悪感を産むのなら、虫以外の生き物にも同じ傾向が見えるはずだ。


例えば魚。食卓にたまに上がることはあるが、彼らが生息している場所は水の中であり、我々と生命維持活動的な部分で重なることは無い。 あと屁理屈をこねれば食が欧米化しているとされる現代では魚をほとんど食べない人もいるだろう。
しかし魚フォビアというのはほとんどきいたことがない。


そこでひとつの仮説を立てる。(本当に素人の仮説だ)


魚は同じ脊椎動物といっても、今の我々とはパッと見の形とは似ても似つかない。日常生活上彼らと関わることも少ない。
それなのになぜ我々は魚フォビアにならないのか。
それは、(分かりやすい)目の存在ではないだろうか。


魚にはわかりやすい場所に目がついていることが多い。
我々が理解しうる表情がなかったとしても(※魚は表情筋がないので彼らに表情を作るのは不可能である 生命体としても彼らには必要はない要素だった)目がある安心感が大きいのではないのか。
虫は目はあるものの、非常に小さく分かりづらい。そもそもどこが目なのか分かりづらい種が多い。理科で教えられるまで、子供の頃など彼らに目があるとは知らなかった。


人は何かを見る時に勿論目を使い、無意識に相手の目も見る。それは相手が同じ人ではなくてもだ。
虫を見る時にも同じことが言えそうだが、彼らの目が余りにも分かりにくい所にあるため、(そして彼らがあまりにも小さいのもあるが)全体を見るしかない。
脊椎動物とは全く違うデザインの全体を、だ。そこで人は無意識に、強烈に感じるのだ。「こいつは私たちとは違う、よく分からない何かだ」と。


私は虫については異常なまでの嫌悪感を抱くのに対して、爬虫類に対しては何も思わないし、愛らしいとも感じる。
そんな爬虫類も分かりやすい目を持っている。つぶらな瞳で非常に可愛らしい(と私は感じる)


しかしながら爬虫類も苦手だという人がいる。それは変温動物であるとか、生命体のデザインの好み、という側面が大きいのではないだろうか。爬虫類嫌いではないのでこれは単なる憶測でしかないたのだが。


人間は自分と似た、もしくは理解出来る要素を持つほど愛着を感じる傾向にある生き物だと思っている。


私は動物の中でもとりわけ猫を愛しているが、もふもふと柔らかい毛の生えた猫という生き物は愛おしい。


猫は脊椎動物であり、そんな彼らには分かりやすい大きな目があり、その上表情があり、体温があり、鳴き声があり、感情的な動きがある。そして人間に比較的友好的な振る舞いをする。(警戒心の強い野良猫は違うかもしれないが)
彼らは人間とは「別種」であるものの、ゆえに人が嫌悪感を持つことが少ない。愛好する人も多い。


その点、虫は人が一般的に親しみやすさを感じるポイントが少ないのである。
分かりにくい目、脊椎動物とはかけ離れたデザイン。
体温もなければ、声(というか鳴き声)もほとんどの種が持たず、感情的な動きが分かりづらい。(※そもそも彼らに人が定義するほどの感情的なものはないとは思うが、ここでは人が親しみを持ちうるポイントとして言及する)


別種としての印象がとても強いのだ。


結論。まとめると彼らはその「別種」としての印象が強く、人が一般的な親しみを持てるポイントがとても少ないため、フォビアが多くなるのではないだろうか。
子供が大人と比べて虫を嫌がらない傾向があるのも、好奇心から「自分たちの種」とは違う部分に惹かれていたり、社会的な訓練を大人ほど受けていないからだと考えている。
ここでいう社会的な訓練とは、相手の目を見て相手の心を動きや把握して振舞おうとすることだ。そうした社会的な訓練を受けた大人ほど虫嫌いが増えるのだ。


虫という生き物のデザインについて補足。
現代を生きるホモ・サピエンスの中の一人の
私は大嫌いなデザインであるが、漫画やイラストなどで異形の化け物などのデザインを考えなくてはならない人にとって、虫のデザインは大切らしい。


そして本当にどうでもいい愚痴だが、私がかなりキツめな虫フォビアであるため、TwitterやSNSなどで何の注意書きや、ワンクッションも無しに載せられる虫画像には本当に辟易している。
彼らを愛好する人にとっては、私にとっての猫画像のようなものなのかもしれないが…


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