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glao_t
2023年12月6日 06:34
コンビニで買い物をして、帰ろうと思ったら、雨が降ってる。 あー、傘忘れた。 このままぬれて帰るのは嫌だなあ。 そう思ってたら、傘立てに、いくつものビニール傘が立ててあるのを見つけた。 やった。 おれは適当なビニール傘をとって、それをさして家に帰る。 盗んだことの罪悪感はなかった。 だって、ビニール傘なんて、どれも同じようなもんだし、どうせ安いし、盗られた人も、また買えばいいでし
2023年12月1日 06:06
おれが箱を持った老人を見つけたのは、早朝の散歩道だった。 薄暗く、人気のない散歩道で、ふと、海辺に目をやると、そこに人影があり、普段は誰もいない時間帯だったから、不思議に思い、近づいてみると、その人影は老人で、手には箱を持っていて、なんだかぼんやりとした表情だった。 おれが近づいても、おれが見えてるのか、見えてないのか、わからなかった。 白髪で、古びた着物みたいなのを着ていて、なんとなく男
2023年11月9日 19:15
学校が終わり、さあ下校だ、という時に、雨が降っていて、私は傘を忘れていることに気づき、下駄箱の前で立ち止まってしまう。 他の子たちは、なんか普通に傘を持ってきてるみたいで、または、忘れても、友達同士で相合い傘したり、男子なんかは、濡れてもいいやって感じで雨の中を突っ走ってて、それがうらやましいけど、私にはそうできない、特別な理由があった。 特別な理由とは、スマホだった。 誕生日プレゼントで
2023年10月26日 13:03
学校からの帰り道、涼しく暗い秋の夜道を歩いてたら、足元に気配を感じて、見ると、一匹の猫が僕の先を歩いていた。 へえ。 僕は、歩くペースを落として、猫を後ろから着いていってみる。 薄茶色の猫で、丸々としてて、首輪がないので野良猫かも、と思うけど、野良猫でも太れるのは、近所の誰かがエサをあげたりしているからなのか。 こんな夜道をどこへ行くのかな。 そう思いながら、ボンヤリ歩いてたら、前の猫
2023年10月5日 11:57
私はカラオケが嫌いだ。 演奏が流れて、歌詞が表示されて、それが発音されるタイミングで、歌詞の文字が色で染まっていく、で、それを歌うのは私で、なんか心細いというか、違和感があるなあと、昔から思ってた。 歌は、唄うものではなく、聴くものだ。 例えば、歌がうまいとか、カッコいいとか、可愛いとか、そういう人が歌を唄う。私たちは、それを聴く立場だろう。 だからこそ、高い金を払って、コンサートとかに
2023年8月12日 17:49
私の知人に、齋藤彰という人がいる。 声が高くて背が低い、元ヤン土方系男子。 彼には奥さんがいる。 彼の一重まぶたがそっくりな女性。 彼女がされたことで、齋藤彰は怒っていた。 彼は私に詳細を語るが、私は既にその事を知っていたので、正直彼の熱っぽい話には、上の空だった。 齋藤彰の奥さん、仲井倫子→齋藤倫子は、齋藤彰と結婚式を挙げた初日に、彼の精子を注ぎ込まれて、妊娠していて、丸いお腹
2023年7月16日 16:39
「ねえ」 「うん?」 「オシッコのアイドルって知ってる?」 「え?」 「だから、オシッコ」 「え、推しの子?」 「違う。オシッコ」 「オシッコ?」 「オシッコのアイドルがいるんだって」 「なにそれ」 「ね」 「ねって、あんたが言ったんでしょ」 「うん」 「いや、うんじゃなくて……」 「あ、説明?」 「説明っていうか、あんたが急にオシッコのアイドルとか言ったんでしょ、
2023年7月14日 19:13
麻薬で捕まった漫画家のことで、友達と軽く口論になる。 軽くね。 そんなに激しくないやつ。 私はその漫画家の作品を読んでて、どうやったらこんな話が書けるのか、こんな奇抜な絵が描けるのか、いつも不思議で、それが面白くて、ファンだったのだけど、実は麻薬なんかをやってたことがわかって、私は心底、ガッカリだったのだ。 だって、麻薬って、ズルじゃんね。 麻薬なんかの力を借りて、面白い漫画を描くなん
2023年7月2日 12:56
「小澤ってさ、女子のグラビアとか見るの?」 と、女子に変な質問をされる。 その女子とは、関谷松子。 同じクラスの女子。 大してかわいいって程でもないけど、それがどうでも良くなるくらい、性格キモくて、なんか、本人としては、中学生男子のことをわかってるつもりであるらしく、よく男子に変な質問をして、それにのってきた男子と、バカな話をして盛り上がっている。 そんな感じの子。 僕は距離を置きた
2023年6月30日 14:35
死後の世界ってあるのだろうか? つまり、死んだ後の世界。 例えば、病気で死ぬ、事故で死ぬ、ジサツやらタサツやら、いろいろあるけど、そうして死んだ人たちって、みんな、どこかの世界に追いやられてるんだろうか? 死んだ人はこちらでーす、みたいな。 なにか、そういう案内みたいなのがあって、それに従って、死んだ人たちは選別されているのか? ぜんぶ私の妄想だけど。 でも、そうやって、なにかしらの
2023年6月29日 19:38
僕は温泉が嫌いだ。 風呂を他人と一緒に入ることの、なにが良いのかさっぱりわからない。 気持ち悪いだけだと思う。 男が裸でその辺をウロウロしてるなんて。 男同士なんだから、隠さなくてもいいやろ、オープンにしようや、みたいな、あの空気感。 女の子だったら卒倒ものだろう。 風呂なんて、一人で入ったらいいのに。 温泉宿とか銭湯とか、バカみたい。 なんで他人と風呂に入りたがるのか? 理解
2023年6月26日 05:01
会社の仕事で、夏なのにスーツを着て、外を歩いてて、目的地を目指してるんだけど、さすがに疲れて、近くに公園があったので、そこで休むことにする。 公園に目がとまったのは、ベンチがあると思ったからで、奥に目をやると、やはりあった。 古びたベンチが、ちょうど日かげにある。 やった。 僕はそこまで歩いていく。 ふらふらになりながら。 空から太陽の光が容赦なく照りつけている。 僕はやっとの思い
2023年6月25日 09:55
おじいちゃんが死んで、葬式に呼ばれる。 僕は孫なので、親と行くことになる。 死んだのは僕のおじいちゃんだけど、葬式は、まあ普通の葬式だ。別にうちだけ特別ってわけじゃない。親戚たちで金を出しあって、仏教スタイルの、普通の葬式。 僕は、おじいちゃんが死んで、まあ悲しいといえば、そうなのだけど、でも、もう中学生で、さすがに泣くってほどでもない。 ていうか、そうした分かりやすい感情表現に、むしろ
2022年12月18日 04:14
僕が小学校に通う通学路に、必ずつまずくと言われているくぼみがある。 それは、コンクリートの道にある足の裏サイズのくぼみで、なんでそんなのができたのか、誰にもわからないのだけど、なぜか、この道を通ろうとする人は、みんなこのくぼみにつまずくのだ。 なぜだろう? だって、くぼみがあるのはみんな知ってるし、今度こそは避けて通ろうと思うのに、つまずいたらコケそうになるし、実際コケる人もいるし、それが