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glao_t
2023年11月9日 19:15
学校が終わり、さあ下校だ、という時に、雨が降っていて、私は傘を忘れていることに気づき、下駄箱の前で立ち止まってしまう。 他の子たちは、なんか普通に傘を持ってきてるみたいで、または、忘れても、友達同士で相合い傘したり、男子なんかは、濡れてもいいやって感じで雨の中を突っ走ってて、それがうらやましいけど、私にはそうできない、特別な理由があった。 特別な理由とは、スマホだった。 誕生日プレゼントで
2023年10月26日 13:03
学校からの帰り道、涼しく暗い秋の夜道を歩いてたら、足元に気配を感じて、見ると、一匹の猫が僕の先を歩いていた。 へえ。 僕は、歩くペースを落として、猫を後ろから着いていってみる。 薄茶色の猫で、丸々としてて、首輪がないので野良猫かも、と思うけど、野良猫でも太れるのは、近所の誰かがエサをあげたりしているからなのか。 こんな夜道をどこへ行くのかな。 そう思いながら、ボンヤリ歩いてたら、前の猫
2023年6月30日 14:35
死後の世界ってあるのだろうか? つまり、死んだ後の世界。 例えば、病気で死ぬ、事故で死ぬ、ジサツやらタサツやら、いろいろあるけど、そうして死んだ人たちって、みんな、どこかの世界に追いやられてるんだろうか? 死んだ人はこちらでーす、みたいな。 なにか、そういう案内みたいなのがあって、それに従って、死んだ人たちは選別されているのか? ぜんぶ私の妄想だけど。 でも、そうやって、なにかしらの
2023年6月29日 19:38
僕は温泉が嫌いだ。 風呂を他人と一緒に入ることの、なにが良いのかさっぱりわからない。 気持ち悪いだけだと思う。 男が裸でその辺をウロウロしてるなんて。 男同士なんだから、隠さなくてもいいやろ、オープンにしようや、みたいな、あの空気感。 女の子だったら卒倒ものだろう。 風呂なんて、一人で入ったらいいのに。 温泉宿とか銭湯とか、バカみたい。 なんで他人と風呂に入りたがるのか? 理解
2023年6月26日 05:01
会社の仕事で、夏なのにスーツを着て、外を歩いてて、目的地を目指してるんだけど、さすがに疲れて、近くに公園があったので、そこで休むことにする。 公園に目がとまったのは、ベンチがあると思ったからで、奥に目をやると、やはりあった。 古びたベンチが、ちょうど日かげにある。 やった。 僕はそこまで歩いていく。 ふらふらになりながら。 空から太陽の光が容赦なく照りつけている。 僕はやっとの思い
2023年6月25日 09:55
おじいちゃんが死んで、葬式に呼ばれる。 僕は孫なので、親と行くことになる。 死んだのは僕のおじいちゃんだけど、葬式は、まあ普通の葬式だ。別にうちだけ特別ってわけじゃない。親戚たちで金を出しあって、仏教スタイルの、普通の葬式。 僕は、おじいちゃんが死んで、まあ悲しいといえば、そうなのだけど、でも、もう中学生で、さすがに泣くってほどでもない。 ていうか、そうした分かりやすい感情表現に、むしろ
2022年12月18日 04:14
僕が小学校に通う通学路に、必ずつまずくと言われているくぼみがある。 それは、コンクリートの道にある足の裏サイズのくぼみで、なんでそんなのができたのか、誰にもわからないのだけど、なぜか、この道を通ろうとする人は、みんなこのくぼみにつまずくのだ。 なぜだろう? だって、くぼみがあるのはみんな知ってるし、今度こそは避けて通ろうと思うのに、つまずいたらコケそうになるし、実際コケる人もいるし、それが
2022年12月11日 05:57
僕が通ってる中学で、飛び降り自殺があった。 飛び降りたのは僕と同じクラスだった男子、山田太郎君で、野球部員だった。 警察が、山田君の自宅の自室の机をあさり、遺書を見つけ、それには、先日の試合に負けたことを悔やむ文章がつらつらと書かれていた。 それで、自殺の理由が試合に負けたことだと分かった。 試合に負けたことによる野球部員の自殺。 でも、それにはおかしな点があった。 それは、
2022年12月8日 18:12
俺は野球部員の坊主頭で、名前は山田太郎。どこにでもいる普通の男子だ。名前も顔も普通で、しかも坊主頭で、なんだか没個性にもほどがあるなと思うけど、まあこれが俺だ。毎日野球の練習を頑張る中学二年生。監督だの先輩だのにしごかれながら、真夏の炎天下で、汗をかきながら部活動に励む。その理由は勿論試合に勝つためだ。目前に控えた試合に勝つ。そしてやがては全国制覇。それが夢、というか目標。 夢か目標か、どっ
2022年11月29日 07:49
私の友達のあっちゃんが交通事故にあって死んで、残念だねとか、悲しいねとか言い合ってたら、同じく友達のたかみなが、あっちゃんの事故現場に行きたいと言い出す。 え、と私は思う。そんなところに行って、どうすんの? お供えとかしたいし、とたかみなは言う。 でも、実際に事故があった場所に行くのは、なんか怖いんだよなーと思ってたら、そんな私の顔を見て、たかみなが言う。 「じゃあ、遥香はこの事故、忘れ