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医療日和

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2018年7月の記事一覧

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その10 鍵は「医療リテラシー」

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その10 鍵は「医療リテラシー」

日本の医療課題を解決したい、医療の未来をつくる仕事をしたい、その思いからマッキンゼーを辞めてメドレーに移ることにした豊田氏。
豊田氏が入社する前まではメドレーでは「ジョブメドレー」という医療介護の求人サイトのみを事業としていたそうです。

そんななか、豊田氏には一つの想いが。

医療リテラシーが上がらなければ、医療の課題は解決しない。

医療費の増大や医療現場の過酷な労働状況、診療データの共有不足

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「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その9  医療費高騰で一番不利益なのは保険者(国民)

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その9  医療費高騰で一番不利益なのは保険者(国民)

著者の豊田氏がマッキンゼーで一年ほどコンサルティングの仕事を続け、その内容にも慣れてきたときに、ふと
「仕事は楽しいが、もともと感じていた医療の課題とマッキンゼーでのプロジェクトの間にはつながりがない。むしろ逆行している」事に気が付いたそうです。

それまでは製薬会社や医療メーカーのコンサルティングで素晴らしい薬や医療機器がより多くの人に届くように、と頑張ってきた。しかしその一方でジェネリック医薬

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「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その8 医療情報の質

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その8 医療情報の質

「医療に関する情報はどうやって調べますか?」
この問いにはほとんどの人が
・インターネット
・グーグル、ヤフーで検索
と答える。

では次に「医療に関する情報はどこで調べますか?」
この問いに関しては
・質問の意味が分からない
・だから、ネットですってば
と返ってくる。

インターネットによって、さまざまな情報が手に入り、無料化したことで現代人はみないつでも溢れる情報に触れることができる。
しかし

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「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その7 薬大国な日本

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その7 薬大国な日本

日本では抗生物質の過剰使用が問題となっている。

その背景には「薬を出してくれる医者がいい医者」という文化が日本には根強く広がっていることが影響していると思われる。
(一時的だとしても短期間で効率良く病状を抑えて仕事復帰!という日本人特有のクソ真面目な国民性ゆえなのか、はたまた製薬会社の陰謀か・・w)

医者が薬を処方しないで「このまま様子をみましょう」というと、多くの患者が不満そうな顔や怪訝そう

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「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その6 入院期間も世界1

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その6 入院期間も世界1

病院数が世界一というのは前noteで話しましたが、CT、MRI、入院期間も世界一なのが日本だそうです。

ヨーロッパや北米などの先進国では入院期間は平均10日以下ですが日本の平均は30日とダントツのトップ。

精神科に限れば、一般病院の精神科も加えたベッド数は34万4千で、ダントツ世界一です。全世界にある精神病床の総数は約185万ですので、何と5分の1(18.6%)を日本が占めているのです。

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「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その3 マッキンゼーでの働き方について

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その3 マッキンゼーでの働き方について

本書では3章にてマッキンゼーでの生活においていくつかの「気づき」について述べてあります。

分かりやすくいうと「医師の仕事の進め方とコンサルタントの仕事の進め方の違いについて」

例えるならば、医者としての仕事はある意味特殊でその業務内容は「数値管理されたり評価されたりしない、できない」という部分。
目の前の困っている患者さんに対して向き合い、全力を尽くすものなので数字で評価できるようなものではな

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「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その5 医者は少ないのに病院数世界№1

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その5 医者は少ないのに病院数世界№1

日本ではいたるところで医者が足りないと叫ばれて、医師の過重労働が問題になっています。

しかし、日本は驚くことに
「医者が足りないと叫ばれているにもかかわらず病院の数はおよそ9000施設と世界ダントツ1位」な国なのです。

病院数世界2位のアメリカが約5000なので日本の病院の多さの異常さが分かります。

ちなみに平成28年10月1日現在における全国の病院数のうち
精神科病院は 1,062 施設と

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「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その4 国民皆保険制度について

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その4 国民皆保険制度について

本書の4章では、日本の医療について書かれています。
その1つ目が、日本の医療を支える仕組みで最も特徴的な「国民皆保険制度」について。

簡単に説明すれば、すべての人から少しずつお金(保険料)を徴収して、その集めたお金を医療を必要としている人に再分配するという仕組み。「皆」という字から分かるように、原則として日本では本人の意思に関わらずこの制度が適用されます。

自分は病気にかからないから!病院のお

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「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その2 脳科学の面白さ

「ぼくらの未来をつくる仕事」を読んで その2 脳科学の面白さ

今回紹介する本、
【「ぼくらの未来をつくる仕事」(豊田剛一郎)かんき出版】
の著者紹介から

株式会社メドレー代表取締役医師。
脳神経外科に勤務後2012年に渡米。
医療を変革する為に現場を離れ、2013年にマッキンゼーへ。

2015年より株式会社メドレーに共同代表として参画。
「医療ヘルスケア分野の課題を解決する」をミッションとし、
●遠隔診療を可能にするオンライン診療アプリ「CLINICS」

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「ぼくらの未来をつくる仕事」
を読んで その1

「ぼくらの未来をつくる仕事」 を読んで その1

パニック障害と診断された嫁が遂に退職という流れになり、嫁が実家強制送還されそうな流れになりつつあるわが家庭。
世間では熱中症や「西日本災害での募金行為を売名」などということで騒がれていますが。今回はまだ読み始めの一冊をご紹介。

「ぼくらの未来をつくる仕事」豊田剛一郎(かんき出版)

この本の冒頭の

脳出血で倒れたおばあちゃんは4時間に及ぶ緊急手術の末に助かったが、長期入院。以前のような元気な姿

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何事にも原因と結果がある (人体編)

因果応報、という言葉がある。
元々は仏教用語だそうだが、「原因としての善い行いをすれば,善い結果が得られ,悪い行いは悪い結果をもたらす」という意味である。

300対29対1の法則
というハインリッヒの法則をご存知だろうか。
くわしくは↑をクリックしてもらえればわかるが、

労働災害における経験則の一つである。
1つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するとい

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松本智津夫(麻原彰晃死刑囚)について。「死刑執行というのは現代社会においてあまりに古すぎる考え方なのでは」

来春には天皇陛下が退位され、元号が変わります。新天皇即位に伴う皇室の慶事が行われる中での執行は、おめでたい雰囲気に水を差してしまうことになるのでできない。また、オリンピックもある。平成に起きた事件は平成で終わらせる、というのが最重要課題なのです

という嘘か本当かわからない情報が出ておりますが、オウム真理教の開祖の麻原 彰晃さんが7月6日に死刑が執行されたということで。

個人的には7月6日はサラ

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生命保険「2人に1人はガンになる」に隠された真実

保険には大きく分けて、生命保険と損害保険がある。
今回は生命保険の中でもガン保険について書いてみる。

実のところ、「保険についてよくわかっていない」という人は相当多い。

保険についてよく聞くセリフが
貯金は三角、保険は四角
貯金だと少しずつ貯蓄(お金)が貯まって行くから右上がりの三角形。
それと比べて、保険は入ったときから補償が受けられる為、四角形

貯金の場合

保険の場合

この図からわか

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予防医療を習慣化しよう~DMMのオンラインサロン紹介~

予防医療を習慣化しよう~DMMのオンラインサロン紹介~

DMMのオンラインサロンにて
「予防医療を習慣化するサロン」その名も
予防医療を習慣化する with予防医療普及協会 ~未来の健康をつくる~
↑クリックでサイトに飛びます。

というものがあります。

これは、
一般社団法人 予防医療普及協会による会員制コミュニケーションサロン
です。

『当協会は、2016年9月に経営者、医師、クリエイター、社会起業家などの有志が中心となって発足。
予防医療や正

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