『長女の初恋、2ミリの哀愁』
仕事が夜に終わって帰宅したのが10時過ぎ。
娘2人はもう寝ているだろうと静かに鍵を差し込み捻る。こちらはゆっくりと緊張しながら回しているのに、何の遠慮もなくいつも通り【ガチャン】と金属音は鳴り響く。静かに入りたい時の鍵のシリンダーはこちらの緊張感じ取っていつもより大きな音出してきてるんじゃなかろうか?と考えながらゆっくり慎重に玄関のドアを開ける。
玄関脇の寝室のドアが閉まっている。おそらく中で次女が静かに寝息を立てているだろう。静かに靴を脱ぐ。
忍足でリビングへ向かうとパジャマを着た長女がまだ起きている。
『あら、まだ起きてたん?』
驚きはしたが、大きな声にならないようにボリュームを調節しながら話しかけた。
『うん、でももう寝るとこだよ』
『そっか。ただいま』
『おかえり。ねぇパパ、これちょっと見て』
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