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#イメージと文化

ヴァルター・ベンヤミン著作集III「言語と社会」-解釈

ヴァルター・ベンヤミン著作集III「言語と社会」-解釈

ヴァルター・ベンヤミン著作集III「言語と社会」-解釈
解釈-ヴァルター・ベンヤミン著作集III「言語と社会」から、「言語一般および人間の言語 」 1916

「言語一般および人間の言語 」解釈「言語一般および人間の言語 」
人間の精神面の表出は、すべて、言語の一種として把握することができる。
この把握にあたっては、至るところで新たなる問題の提起の道が開かれた。
簡単に言えば、精神面全ての伝達は、

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ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)書評:アール・ブリュットの視点を考える

ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)書評:アール・ブリュットの視点を考える

(私的覚書)ケーキの切れない非行少年たち(新潮新書)宮口幸治 (著) 書評:アール・ブリュットの視点を考える。
因果関係法で結論に導くと思いきや違う、ただ、知らない世界もあると言う事だ。
・この書評を記述致しましたのは、アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)の項目に関連して、ただ、申し上げたかった事です。
とにかく、いかなる状態でも、前提は、気負いなく、生き抜くと言うことだ。その人の持てるモ

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作家ゾンネンシュターン:何が本当なのか(アウトサイダー・アート)

作家ゾンネンシュターン:何が本当なのか(アウトサイダー・アート)

フリードリヒ・シュレーダー・ゾンネンシュターン(Friedrich Schröder-Sonnenstern,1892-1982/リトアニア・ドイツ):画家
1892年、ティルジット(東プロイセン/リトアニア)生まれ。
色鉛筆等でシュルレアリスム的な絵を描いたアウトサイダー・アートの作家。
「ゾンネンシュターン」は、ドイツ語の「太陽(Sonne)」と「星(Stern)」からなり、自らを「月の精の

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視覚からの位相を考える

視覚からの位相を考える

ここで申しあげたい事は、イメージは、再構成された視覚だ。それは、絵画・芸術のそれだし、写真、映像のそれだ。
そのイメージが、芸術作品として提示された時、人は、その見解を芸術について、以前、教わった様々な先入観によって影響されるだろう。
美、文化、真理、形態、位置付け、好み・・・
先入観の多くは、過去の曖昧化・美化・神秘化となるのだろう。
それは、「現在は、客観的な事実ではなく、意識的なものである」

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ライナー・ルーテンベックの作品には既存の画材ない

ライナー・ルーテンベックの作品には既存の画材ない

ライナー・ルーテンベック(Reiner Ruthenbeck,1937-2016 独)
ドイツの彫刻家、そして、*コンセプトアーティスト。
当初は写真家であり、その後は、概念的な彫刻作品が多い。

1937年、フェルバート(Velbert /ドイツ)で生まれ
1956-1960年、デュッセル,ドルフ(Düsseldorf)で、フリーランスの写真家。
1962-1968年、デュッセル・ドルフ芸術アカ

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フルクサス-日常とアートの閾を除く

フルクサス-日常とアートの閾を除く

フルクサス(Fluxus)
1960年代を代表するイベント(1度限りのアート)をメインに展開された芸術運動。
1950年代後半以降の*ネオダダ的な芸術運動の中心核的な運動となるだろう。
ジョージ・マチューナス(George Maciunas,1931-1978/建築家・デザイナー,リトアニア出身)が、宣言(1961年)した前衛芸術運動であり、 多国籍のグループで構成された。そして、ニューヨークや欧

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女性アーティストSarah Lucas(YBAs)-大胆なユーモアでの不条理を表象

女性アーティストSarah Lucas(YBAs)-大胆なユーモアでの不条理を表象

サラ・ルーカス(Sarah Lucas,1962- UK)
身体表現をテーマとした立体、インスタレーション、写真、コラージュ等。
日常にある不条理を強調し、批判的なユーモアを取り込んで表象している。
YBAs(Young British Artist)のメンバーだ。

1962年、ロンドン生まれ。
1987年、ロンドン大学(ゴールドスミス校)を卒業 。
1988年、「Freeze」展-ロンドン大学

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東京アダージョ-日本画家-佐藤土筆の奇妙な話

東京アダージョ-日本画家-佐藤土筆の奇妙な話

東京アダージョ-日本画家-佐藤土筆の奇妙な夢の話
その画家のアトリエの先には、アカンサスが咲いていた、それは、ギリシャ彫刻の文様にもあることを以前、伺っていた。
欧州から、大変なプロセスをへて、日本に持ち帰ったらしい・・・ただ、その時には、すでに、日本では日比谷公園には、それはあったらしいのだが・・
アトリエには、北向きの光が入る(1日を通して光量が変わらないからだ)、そして、南の庭には、そのアカ

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(今日のランド・アート)Michael HeizeのLevitated Mass(空中浮揚する塊)と奈良の石舞台古墳

(今日のランド・アート)Michael HeizeのLevitated Mass(空中浮揚する塊)と奈良の石舞台古墳

「Levitated Mass」(浮遊する塊)LACMA (Los Angeles County Museum of Art-2012年)は、ランド・アートとして、近年極めて著名だ。視覚と認識と言う概念を考える現代アートだろう。そして、それは、奈良の石舞台古墳に近似してないだろうか?

Fig.Levitated Mass

マイケル・ハイザー(Michael Heizer,1944- US)

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#2 デレク・ジャーマン監督- 苦悩の映像

#2 デレク・ジャーマン監督- 苦悩の映像

デレク・ジャーマン(Derek Jarman、1942 - 1994 UK)
イギリスの映画監督、アーティスト、ガーディナー(園芸家)。

Fig.カラヴァッジオ (Caravaggio)-1986

Derek Jarman 監督-略歴
ロンドン大学キングス・カレッジで美術を学ぶ。
そして、映画監督ケン・ラッセルのもとで美術スタッフを務め、
"In the Shadow of the Sun"

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現代アートとその周辺文化を考える

現代アートとその周辺文化を考える

 現代アートが成立するバックグラウンドとその周辺は、不可解だが、分かりやすい世界かも知れない。
それは、現代アートの価値を論じる為には、*現代の「メディチ家」(Casa de' Medici:ルネッサンス期にイタリア・ファレンツェに於いて、その財力で芸術家を支援した)という存在のバックグラウンドで成立するという事だ。
そのバックグランドは、狭義の*アートワールド(現代アートの価値と価格)は、なん

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女性作家Emily Jacir-アラブの世界をリードする現代アーティスト

女性作家Emily Jacir-アラブの世界をリードする現代アーティスト

エミリー・ジャシール(Emily Jacir,1970- US):概念に基づく作品が著名な、パレスチナ系アメリカ人のトップアーティスト.
「私が成長していた時、アートは私が話すことができる唯一の場所でした」-Emily Jacir

エミリー・ジャシールのコンテンツは、概念に基づき、「アイデアや概念を表現するのに必要だと思うあらゆるメディア」を使用する。そして、エミリー・ジャーシルは、映画、写真、

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#1)クリストはグローバルに大規模な梱包プロジェクト等を展開した。

#1)クリストはグローバルに大規模な梱包プロジェクト等を展開した。

 包まれたライヒスターク(国会議事堂)(ベルリン,1971-95)、The Gates(ニューヨーク市,セントラルパーク,1979-2005)、梱包されたポン・ヌフ(パリ,1985)などの大規模作品で知られる。
そのクリストが、2020年5月31日、逝去された、84歳だった。
クリスト&ジャンヌ=クロードのアートエリアは何だろうと、後世に記憶される表象だろう、表象の原点についての問いかけだろう。

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Douglas Gordon(YBAs)-映像インスタレーションから見えるもの

Douglas Gordon(YBAs)-映像インスタレーションから見えるもの

Douglas Gordon監督-「*24時間サイコ(24 Hour Psycho)」

「*24時間サイコ(24 Hour Psycho)」-1993
これはアルフレッド・ヒッチコックの映画「サイコ」を24時間持続させるためにスローダウン(2コマ/sec)させたインスタレーションだ。無音であり、スローモーションのそれは、動くスチル(映画の1コマ写真-still)ようだ、そして、確かにそこにある、

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