だてめがね

気まぐれにポエム投稿します。その日感じたことや情景のありのままに描きます。ぜひご覧くだ…

だてめがね

気まぐれにポエム投稿します。その日感じたことや情景のありのままに描きます。ぜひご覧ください。

記事一覧

『花火』

まだ明るいうちに外へ出た。 浴衣のカップルがちらついて焦る。 駅に着いてみればホームに人の涙が押し寄せる。 もう少し早く出れば良かった。 皆、夏の尾を探るように…

だてめがね
11か月前
8

『トレードオフ』

人生とはトレードオフだ。 最近思う。 仕事や友人との予定一つとっても、体が幾つもない限り 全てを実現するのは難しい。 ただ、それを嘆き、後悔する者は多い。 私も…

だてめがね
11か月前
12

『楽』

あなたにとって楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか。 好きな映画を見ている時。 大好物のカレーライスを食べている時。 友人とたわいもない話をして帰っている時。 好…

だてめがね
11か月前
5

『旅』

旅。 それは日常の喧騒から逃れ、己を再確認するもの。 それは友とのかけがいのない時間を共有するもの。 それは家族ともう戻れない日々を懐かしむもの。 旅。 それは…

41

『甲子園』

そこには、笑顔と涙と、歓声とため息が混じった何とも言い表せない空間が広がっていた。 朝6時。布団から重い身体を起こし荷支度を始める。 天気予報アプリでは大阪は午…

23

『お盆』

お盆。 ジメジメっとした湿気の中、蝉の声がけたたましく響いている。 煌々と降り注ぐ夏日を尻目に、せかせかと準備を進める祖父母。 野球を始めた従兄弟は身長が大分伸…

20

『老』

近頃思う。 老いとは何だろうか、と。 古来、平安時代では老いというものを美としてとらえていた。 老いていくほどに、心身ともに成熟し やがて一人の人間としての魅力…

9

『残り香』

暑い。 とにかく暑い。 家を一歩出た瞬間に回れ右をして帰りたい衝動に駆られたが、今日も我慢した。 煌々と日差しが突き刺さり、街に肌色が溢れるこの季節。 どこかで…

4

『空白』

近ごろスケジュールの余白に急かされるように 予定をぎっしり詰めている まるでクロスワードを埋めている気分だ 大人になるにつれ 友との時間が恋しくなる 当たり前の…

2

『朝』

朝7:30 生命が始まる音がする。 鳥の歌声が聞こえる。 セミが鳴き始めた。 行ってきまーすと元気な声。 散歩する貴婦人。 みんなどこから来て、どこへ行くのか。 何…

2

『ありきたり』

世の中にはありきたりが溢れている。 新型のスマホでパズルゲームをする小学生。 隣の駅まで単語帳にゾッコンな高校生。 カフェでパソコンを打ち鳴らすサラリーマン。 …

2

初ポエム『青空とワタシ』

空はなぜ青いのだろうか。 青空は時に快い。 絡み合ってぐちゃぐちゃな心を吹き飛ばすような青をしている。 青空は時に無情だ。 落ち込んで傷ついた心を嘲笑うがごとく…

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『花火』

『花火』

まだ明るいうちに外へ出た。

浴衣のカップルがちらついて焦る。

駅に着いてみればホームに人の涙が押し寄せる。

もう少し早く出れば良かった。

皆、夏の尾を探るようにあの光景を目に焼き付けたいのだ。

甘いりんご飴と焦がした焼きそばの匂いが混ざって漂ってきた。

もう辺りは薄暗い。

ふと音がした。

たちまち赤、青、白の花火が打ち上がった。

始まった。

夏の終わりを告げるファンファーレのよ

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『トレードオフ』

『トレードオフ』

人生とはトレードオフだ。

最近思う。

仕事や友人との予定一つとっても、体が幾つもない限り

全てを実現するのは難しい。

ただ、それを嘆き、後悔する者は多い。

私もその1人だ。

時が経てばささいなことのように感じるのは分かっているが、

なぜかもどかしい気持ちに苛まれてしまう。

人は今を生きているからこそ、今に固執しがちだ。

長い目で見た時に何が重要で、何が本質なのかを見分けなければい

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『楽』

『楽』

あなたにとって楽しいと感じる瞬間はどんな時ですか。

好きな映画を見ている時。

大好物のカレーライスを食べている時。

友人とたわいもない話をして帰っている時。

好きなパートナーと肩を並べている時。

大事な商談がうまくいった時。

お気に入りのアーティストのライブを見ている時。

新たな家族が増えた時。

息子が念願の志望校に受かった時。

休日に1人家でコーヒーを飲んでる時。

楽しいと感

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『旅』

『旅』

旅。

それは日常の喧騒から逃れ、己を再確認するもの。

それは友とのかけがいのない時間を共有するもの。

それは家族ともう戻れない日々を懐かしむもの。

旅。

それは緑に囲まれて胸の傷を癒やし、

知らない価値観に出会って世界を知り、

頭の中を空にして明日への活力を見出す。

それが旅だ。

誰と行ってもいい。

どこに行ってもいい。

いつ行ってもいい。

残業がなければの話だ。

いや、

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『甲子園』

『甲子園』

そこには、笑顔と涙と、歓声とため息が混じった何とも言い表せない空間が広がっていた。

朝6時。布団から重い身体を起こし荷支度を始める。

天気予報アプリでは大阪は午後から雨らしい。

いつものように、神様に手を合わせ今日の幸運を祈る。

良い試合が見れますように。お願いします。

そんな願いを唱えながら家を出た。

たちまち曇り空が待ち構えていた。

新幹線に乗り、小雨が吹きつける車窓を睨みながら

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『お盆』

『お盆』

お盆。

ジメジメっとした湿気の中、蝉の声がけたたましく響いている。

煌々と降り注ぐ夏日を尻目に、せかせかと準備を進める祖父母。

野球を始めた従兄弟は身長が大分伸びたようだ。

今日は久しぶりの大集合だ。

ご先祖様の通り道を作り、手を合わせる。

茄子と胡瓜でできた馬と牛に水が注がれる。

おかえりなさいませ。

そんなひと時に、人は過去の繋がりを再確認する。

そして、未来を背負う覚悟をす

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『老』

『老』

近頃思う。

老いとは何だろうか、と。

古来、平安時代では老いというものを美としてとらえていた。

老いていくほどに、心身ともに成熟し

やがて一人の人間としての魅力が増していくというのだ。

ただ、現代ではその通念はほぼないと言っていい。

高齢化社会と言われる現代において

もはや老人で溢れる社会になりつつあることは言うまでもない。

電車で老人に優先席を譲る学生。

老人ホームで75歳の男

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『残り香』

『残り香』

暑い。

とにかく暑い。

家を一歩出た瞬間に回れ右をして帰りたい衝動に駆られたが、今日も我慢した。

煌々と日差しが突き刺さり、街に肌色が溢れるこの季節。

どこかで40度を記録したらしい。

熱でも出たことないのに。いや、一回出たか。

まるで鉄板のようなアスファルトから湯気が出ている。

ゆらゆらと揺れる水蒸気の影に負けないぐらい

麦わら帽子のおじさんが長渕剛をハツラツと歌っている。

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『空白』

『空白』

近ごろスケジュールの余白に急かされるように

予定をぎっしり詰めている

まるでクロスワードを埋めている気分だ

大人になるにつれ

友との時間が恋しくなる

当たり前の話だがその一つ一つを

大切にできているのか疑問が残る

毎日マシンで汗を流し

スポーツドリンクを流し込む

友と笑い合いながら帰路に着く

そんなひと時が永遠ではないと分かっていても

空白が生み出す時間は

きっと月並みな副

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『朝』

『朝』

朝7:30

生命が始まる音がする。

鳥の歌声が聞こえる。

セミが鳴き始めた。

行ってきまーすと元気な声。

散歩する貴婦人。

みんなどこから来て、どこへ行くのか。

何かが始まる。

そんな朝だ。

のどかではないが、せわしなくもない。

1日どう過ごそうかと考える暇も無いが

どこか考えたくなる気持ちになる。

朝はあなたに何を与えるのか。

さあ、起き上がれ。

生命をエンジンをいれ

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『ありきたり』

『ありきたり』

世の中にはありきたりが溢れている。

新型のスマホでパズルゲームをする小学生。

隣の駅まで単語帳にゾッコンな高校生。

カフェでパソコンを打ち鳴らすサラリーマン。

炎天下農作業をする老人夫婦。

みんながみんな無意識のうちに

ありきたりな毎日を送っている。

そんな毎日に心躍る者もいれば心腐す者もいる。

憎しいと思えるのは束の間、

心の隙間がなくなるほど羨ましい時間へと姿を変える。

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初ポエム『青空とワタシ』

初ポエム『青空とワタシ』

空はなぜ青いのだろうか。

青空は時に快い。

絡み合ってぐちゃぐちゃな心を吹き飛ばすような青をしている。

青空は時に無情だ。

落ち込んで傷ついた心を嘲笑うがごとく澄み切った青をしている。

私たちは常に空の下で生きてきた。

私たちは空の色に心を染めながら生きている、無意識のうちに。

ふとした時に空を見上げ、己の虚無感を感じる。

そんな毎日の繰り返しだ。

たまには曇りも楽しみたい気分だ

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