ただのり

短歌・映画・お花・眼鏡・陶器・硝子

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記事一覧

斉藤短歌

斉藤は曲がったことが許せない 曲がるストローを曲げずに使う 斉藤の朝は早くて 斉藤と名付けた瓜の世話から始まる 斉藤とルンバの仲は最悪で 大事な本を引き回された …

ただのり
3年前
2

短歌

誰にでも優しいことが 本当は優しくないと気付け嘘吐き 何年も待たせてごめん 明日僕と結婚しよう と言われたかった 底抜けに死にたい夜の ストロングゼロとキャラメルコ…

ただのり
3年前
2

疑わず僕の好んだ歌を聴く 変えているんだ君の人生

CDTVを観ている。 僕は椅子に座って、君はカーペットに寝転んでいる。 君が歌のランキングで口ずさんでいる歌は、僕が好んで聞いていた歌ばかりだ。 もともと欲のな…

ただのり
3年前
1

ファンタジー短歌

【タピオカ】 フィリピンのタピオカ湖の奥深く 素潜りをして届けるタピオカ 【ノースリーブワンピース】 半袖を縦一列に並べおり 袖を一気に引き裂く工場 【いろはす 桃…

ただのり
3年前
3

スマホと短歌

本日の検索ワード 眼鏡 ツル 髪の毛中に入れる 理由 なぜ なんとなく一度調べただけなのに スマホが薦める新しい服 出来るなら私のギガをもぎ取って 君にあげたいぼくア…

ただのり
3年前
9

この惑星(ほし)に2人きりだね

この惑星に2人きりだね 真夏でも一番寒いATMの小部屋で この惑星に2人きりだね そうですねから一言も続かぬ会話 この惑星に2人きりだね じゃあ明日の昇格試験は中…

ただのり
3年前
7

ジブリ映画と大人のものさし

はばからずジブリが好きだと思っている。 となりのトトロと同い年(1988年生まれ)だし、 夏の思い出といえば、両親や友達や恋人や妻や子とジブリを観た思い出が作品…

ただのり
3年前
14

コメダ珈琲殺人事件

コメダ珈琲の文字は怖い。検索すれば分かるが「押す」の文字も非常に怖い。 ―俺の名前は金田一一。私立不動高校二年生だ。幼馴染の七瀬美雪のたのみで不動高校短歌部のメ…

ただのり
3年前
7

辰年のおじさんと辰年の部下

何歳からがおじさんなんですかね? 最近そんな会話をした。 というのも丁度その場に40歳の誕生日を迎えた方がいて いよいよおじさんですね。 などという会話が発端だっ…

ただのり
3年前
8

劇場

自分の才能はこんなものじゃないと信じているのだけれど自信がない。他を否定することで自分を安心させているような情けない馬鹿な男がいる。 そんな男を好きでいてくれる…

ただのり
3年前
8

ラストレターと答辞とわずかな恋心

映画ラストレターは、2020年1月17日に公開の日本映画。監督は岩井俊二。Wikipedia調べ。 ラストレターを観ると思い出す空気がある。そして思い出す人がいる。 私の人生の…

ただのり
3年前
7

長靴を履いたあの子は 水溜まりの真ん中をゆく 敢えてゆくのだ

長靴を履いていたとして、水溜まりの真ん中を歩くだろうか。と書き出せば、反語で「いや、歩かない。」と書きたくなるのは私がかつて受験生だったからなのか。 雨の日の晴…

ただのり
3年前
6

32歳の僕が24歳の僕に出会う話。

悩んでいる様子の後輩たち(24歳)を、飲めないお酒に誘う。新入社員にとって身近な先輩だったのは遠い日で、後輩にとって僕はお兄さんという訳ではなく、上司だ。 最近は…

ただのり
3年前
9

斉藤短歌

斉藤は曲がったことが許せない
曲がるストローを曲げずに使う

斉藤の朝は早くて
斉藤と名付けた瓜の世話から始まる

斉藤とルンバの仲は最悪で
大事な本を引き回された

斉藤に話しかけると
「その昔」の枕詞で始まる自慢

斉藤は傘が苦手で小雨なら雨を素早く避けて帰る

斉藤の家族は丸亀製麺の
畳の席で子をあやす

短歌

誰にでも優しいことが
本当は優しくないと気付け嘘吐き

何年も待たせてごめん
明日僕と結婚しよう
と言われたかった

底抜けに死にたい夜の
ストロングゼロとキャラメルコーンは優しい

疑わず僕の好んだ歌を聴く 変えているんだ君の人生

CDTVを観ている。

僕は椅子に座って、君はカーペットに寝転んでいる。

君が歌のランキングで口ずさんでいる歌は、僕が好んで聞いていた歌ばかりだ。

もともと欲のない人で、テレビも観ていなかったし、漫画も読んでいなかったし、歌だってそうだ。

君と付き合ってからというもの色々なものをすすめてきた。僕は過去のアーカイヴから君が好みそうなもの選んで見せた。

自分ではない人から思わず面白いコンテンツ

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ファンタジー短歌

【タピオカ】
フィリピンのタピオカ湖の奥深く 素潜りをして届けるタピオカ

【ノースリーブワンピース】
半袖を縦一列に並べおり 袖を一気に引き裂く工場

【いろはす 桃味】
手を添えて「アブラカタブラ」唱えれば ただのいろはすから桃の味

【ドラゴンフルーツ】
千年を生きる龍の腹を割き稀に取れるピンクの果実

【やまびこ】
富士山の向かいの山で蹲踞してヤッホーなどと返すお仕事

【孫の手】
初孫の

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スマホと短歌

本日の検索ワード 眼鏡 ツル 髪の毛中に入れる 理由 なぜ

なんとなく一度調べただけなのに スマホが薦める新しい服

出来るなら私のギガをもぎ取って 君にあげたいぼくアンパンマン

ぼんやりとLINEを眺める真夜中の 視界で動く目の中のゴミ

親指を 数度なぞって 投げるよな ポケモンgoの様な悪口

うたた寝の刹那に押した無意識のイイネを意識を持って取り消す

夜更かしが僕にひかせた風邪でなく

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この惑星(ほし)に2人きりだね

この惑星に2人きりだね
真夏でも一番寒いATMの小部屋で

この惑星に2人きりだね
そうですねから一言も続かぬ会話

この惑星に2人きりだね
じゃあ明日の昇格試験は中止ですか

この惑星に2人きりだね
朝方の歩道橋から見つめる朝日

この惑星に2人きりだね
今夜からはどうぞよろしくキャニュセレブレー

この惑星に2人きりだね
懐かしい映画流れるTOHOシネマズ

この惑星に2人きりだね
夢の中それ

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ジブリ映画と大人のものさし

はばからずジブリが好きだと思っている。

となりのトトロと同い年(1988年生まれ)だし、
夏の思い出といえば、両親や友達や恋人や妻や子とジブリを観た思い出が作品ごとにある。

「一生に一度は、映画館でジブリを。」

というキャッチコピーで6月26日(金)より、全国372館の劇場では『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』を上映している。

今日は
09:30ー11:45

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コメダ珈琲殺人事件

コメダ珈琲の文字は怖い。検索すれば分かるが「押す」の文字も非常に怖い。

―俺の名前は金田一一。私立不動高校二年生だ。幼馴染の七瀬美雪のたのみで不動高校短歌部のメンバー6人とともに合宿へ向かう途中。突然の大雨に襲われて森の中に現れたコメダ珈琲館に立ち寄った。

血で書かれた「コメダ珈琲の文字」

後から思えばこの文字こそ凄惨な事件の"幕開け"を告げるサインだった。

冷たくなった同級生。

これは

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辰年のおじさんと辰年の部下

何歳からがおじさんなんですかね?

最近そんな会話をした。
というのも丁度その場に40歳の誕生日を迎えた方がいて
いよいよおじさんですね。
などという会話が発端だった。

結論は
本人の年齢ではなく、その人を「判断する」対象者の年齢によっておじさんの年齢は変わるんだろうとなった。
32歳の僕にとって40歳はおじさんではなく、勿論40歳の本人にとっても40歳はおじさんではないのだろう。

さて、昨年

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劇場

自分の才能はこんなものじゃないと信じているのだけれど自信がない。他を否定することで自分を安心させているような情けない馬鹿な男がいる。

そんな男を好きでいてくれる彼女は優しい以外の何者でもない。ただただ優しいその存在はある意味異質で恐ろしくもある。

彼女は自分のことを心から好きでいてくれている。馬鹿な男でもそれはわかる。

わかってはいるのだけど、堪らなく不安で、彼女の優しさが自分の物だと確認す

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ラストレターと答辞とわずかな恋心

映画ラストレターは、2020年1月17日に公開の日本映画。監督は岩井俊二。Wikipedia調べ。

ラストレターを観ると思い出す空気がある。そして思い出す人がいる。
私の人生のあの日に岩井俊二さん居ましたか?と言わんばかりだ。

ー平成16年冬。体育館。
私は中学3年生で答辞の練習をしていた。
隣には同級生の女の子。

私は生徒会長で、その子は副会長だった。そして私はO型で、その子は私が苦手なA

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長靴を履いたあの子は 水溜まりの真ん中をゆく 敢えてゆくのだ

長靴を履いていたとして、水溜まりの真ん中を歩くだろうか。と書き出せば、反語で「いや、歩かない。」と書きたくなるのは私がかつて受験生だったからなのか。

雨の日の晴れ間に、車に乗って無印良品を目指す。
無印良品では、無くても良いけど有ったら良いものを買い集めるのが好きで、その日はポストカードを良い感じに飾るためのアクリル写真立てを買いに行く途中だった。

ふと歩道に目をやると、
スマホを見ながら歩く

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32歳の僕が24歳の僕に出会う話。

悩んでいる様子の後輩たち(24歳)を、飲めないお酒に誘う。新入社員にとって身近な先輩だったのは遠い日で、後輩にとって僕はお兄さんという訳ではなく、上司だ。

最近は年上と飲みに行く機会の方が多く、20代の飲み会は恋愛の話がほとんどだということを忘れていた。僕が一杯目のジンジャーエールを飲み終わらない内に、彼らに恋人がいるのかという話になった。

僕は昔から自分の経験や偏見から「こういう人間はこう」

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