辰年のおじさんと辰年の部下

何歳からがおじさんなんですかね?

最近そんな会話をした。
というのも丁度その場に40歳の誕生日を迎えた方がいて
いよいよおじさんですね。
などという会話が発端だった。

結論は
本人の年齢ではなく、その人を「判断する」対象者の年齢によっておじさんの年齢は変わるんだろうとなった。
32歳の僕にとって40歳はおじさんではなく、勿論40歳の本人にとっても40歳はおじさんではないのだろう。

さて、昨年ついに私にも一回り年下の部下が出来た。高校を卒業して入社した部下だ。

10代の部下にとっては私はおじさんだろうなと思いながら「若い子の文化が理解出来ない振り」をしてしまう。
これがおじさんかと実感しているところだ。

「梅ヶ枝餅が来てるよ。俺好きなんだよね。梅ヶ枝餅好き?」
などという何気ない会話でもおじさんを感じさせる面白い事があった。

梅ヶ枝餅とは福岡の大宰府で販売されている美味しい焼き餅で、所謂あんこ餅だ。九州の人なら知らない人は居ないくらい人気の食べ物である。私はこの梅ヶ枝餅に目がなく、特に餅の部分が大好きで餅だけ集めて食べたいほどだ。

…時を戻そう。

おじさん「梅ヶ枝餅が来てるよ。俺好きなんだよね。梅ヶ枝餅好き?」

部下「なんですか?それ。私食べた事ないです。」

おじさん「えー。梅ヶ枝餅を知らない人がいるなんて驚き。後で買うから一つ食べてみて!」

部下「でも私。すっぱい食べ物苦手なんですよー。」

おじさん「名前に梅がついてるけど!あんこ餅だよ。」

そりゃあ食べた事ないなら梅ヶ枝餅に梅が入ってるって思うよな。とは思いつつ、梅ヶ枝餅って本当に誰でも知ってる食べ物だと思っていたから衝撃を受けた。アイスのブラックモンブランやパンのマンハッタンが九州以外では食べられないと聞いたとき以来の衝撃である。

おじさん「ちょっと待ってて!今から買ってくる!」

嗚呼。僕は今おじさんをしているなぁと思いながら、一回り年下の部下に梅ヶ枝餅をご馳走してあげる。食べさせてあげたいのだ。

#短歌  
「一回り年下の子におじさんを 演じる内に成るおじさん」

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