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福祉の仕事

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#夢

私の夢ってなんだろう

私の夢ってなんだろう

私の夢ってなんだろう。

リーダーの退職が分かった日、私はそんな思いに駆られた。
私の夢ってなんだろう。

 
かつて私は27か28歳の頃に三年付き合った彼氏と結婚して子どもを産んで、跡を継ぎたかった。
あれは夢というより、使命に近かった。

27歳になる手前に三年以上付き合った彼氏と別れ
私はもう二度と、子どもの頃からの夢が叶うことはないのだと
未来を失って絶望した。

 
仕事が好きだった。

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あなたの名前をあと何度呼べるだろう

あなたの名前をあと何度呼べるだろう

リーダーの退職を知った土曜日。

土日と何をしても涙が止まらず、月曜日に仕事に行くのが怖かった。
リーダーに会うのが怖かった。
休みの日は別れの歌ばかり聴いて過ごした。
ご飯はろくに食べられない。夜は眠れない。

もう知らなかった頃には戻れない。

あんなにリーダーが好きで、会うのが楽しみだったのに、今一番会いたくない人になってしまった。

 
仕事に行く途中も涙が出た。
朝、既に仕事をしていたリ

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リーダーの夢が叶う頃

リーダーの夢が叶う頃

それは、三週連続の行事を終えた次の日だった。

その日は週6勤務の最終日で
会議の日だった。
職員みんなが集まる日だ。

朝から晴れているが、冬らしい寒さの日だった。

 
会議では最後に来年度からの予定の話になり
上が理想的な話をして
そんな風に事が運べばそりゃ理想だよなぁと思い
話す気が失せ
多分他の人もそうだったのか
みんな下を向き、余計なことは何も言わなかった。
 
 
上が決めたことは絶

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利用者の夢を叶えた日 その②

利用者の夢を叶えた日 その②

職場の創立記念パーティー当日。
晴れ間があるものの曇りで、気温は朝から低い。

 
当日は緊張でろくに眠れず
朝も軽くしか食べられなかった。

 
朝、出勤途中で前施設長からLINEが届いた。

「おはようございます。
連日準備いろいろありがとうございました。
今日はぶっつけ本番のことが多く、皆さん不安も多いかと思いますが、職員の皆さんも1日楽しんでいただければと思います。
みんなのドレスやタキシ

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利用者の夢を叶えた日 その①

利用者の夢を叶えた日 その①

職場の創立記念日は冬である。

創立記念日、例年は施設にゲストを呼び、ショーをしたり
レクレーションをするらしいが
今年は節目の年に当たるということもあり
特別なことをやる予定だった。

 
利用者の一人の夢が「痩せてきれいになってドレスを着ること」なのだが
今年の創立記念式典のメインイベントがファッションショーであり、私が司会と発表された時には目を見開いた。

確かに前の職場でも、福祉のイベント

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夢のピアノ発表会

夢のピアノ発表会

私がかつて担当した利用者は
病気や障害を理由に短命だと医師に告げられていた。

 
その利用者はピアノを習っていて毎年発表会があり
毎年保護者からお誘いを受けていたが
特定の利用者と施設営業日以外の日に外で会うことは周りからあまりよく思われず
私もどうかと思っていたので毎年断っていた。

それでも私は心の隅では今年で最後かもしれないと毎年思っていた。
これがピアノを聴く最後の機会かもしれないと。

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主任の夢を繰り返し見る

主任の夢を繰り返し見る

私は同僚と歩いていた。

だけど具合が悪くなって
私はしゃがみ込んだ。 
同僚は背中をさする。

 
そこにハイエースが来て、運転席からある人が降りていた。
前の職場の主任だった。

「大丈夫?」

「主任!?」

「送迎していたら通りかかって。お久しぶりです。」

「お久しぶりです。元気そうで。」

「…俺、ともかさんが辞める時、いや辞める前も、冷たかったよな。ともかさんが辞めてから、色々大変だ

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夢と現実

夢と現実

夢を見た。

 
前の職場の利用者の夢だった。
その方が「ベルトがつけられないの。」と言い
私にベルトを見せた。
透明でキラキラとした星やハートの模様が描かれている。
私はベルトをつけようとした。だけどベルトをつけられなかった。どうしてもつけられなかった。

そんな夢を見た。

 
ベルトの夢は
束縛や役割、防衛本能を意味しているらしい。

 
 
その次の日にまた夢を見た。

今度は今の職場の利

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退職後に選んだ道

退職後に選んだ道

仕事を辞めて
前の職場に再び戻ることにした。

 
私は会議室で同僚を見渡す。

「え~知ってる人は知っていると思いますが、私は以前ここで実習やボランティアを1年、正職員として11年働いていまして…」

 
『知っているよー!こっちは辞めたなんて思ってないよー!(笑)』

 
「このたび、ご縁がありまして、またこちらで働かせていただくことになりました!よろしくお願いします!」

 
私が笑顔で元気

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会うための三つの方法

会うための三つの方法

私は明るくて穏やかで優しくて笑顔がかわいくて
不器用だけど一所懸命な女の子が好きだ。

 
そう強く感じたきっかけは
前の職場に
そういう利用者がいたから。

その利用者Aさんとはとても仲が良かった。

 
 
転職先でも私が惹かれたのは
やっぱりそういう利用者で
私はその利用者Bさんとも気が合った。
仲良くやっている。

 
AさんとBさんは顔は全く似ていないし
年齢も身長も違う。

何もかもが

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不本意な転職をして、一年後の想いと夢

不本意な転職をして、一年後の想いと夢

私は障害福祉施設で働いている。

去年の三月に今の職場に入職し
先日、働き出して一年を迎えた。

  
この一年
新しい出会いがあり
初めてだらけの業務で
色々なことを学んだ。

 
私は前の職場で
同じ障害福祉の仕事をしていたし
12年間も関わってきた。
転職先よりも大きな職場だし
二事業の責任者をしていた。

転職した際
もっと仕事はできると思っていたし
もっと周りから認められるかと思っていた

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デートがしたい利用者

デートがしたい利用者

利用者「明日は休み?」

 
私「そうだねぇ。」

 
利用者「じゃあデートしようよ。」

 
私「デート!?」

 
利用者「驕るよ。」

 
私「何を?」

 
利用者「たこやき。」

 
私「たこやき(笑)」

 
利用者「帽子も買ってあげる。お揃いの。」

 
 
私は想像した。

大好きな利用者とペアの帽子を被り
たこやきを一緒に食べるのは
楽しそうな気がした。

その日一番笑ったのが

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仕事を引き継いだ時からの密かな夢

仕事を引き継いだ時からの密かな夢

顔を見たことも
声を聞いたこともない人と
私は毎月メールをしている。

仕事での繋がりの方だ。

 
同僚からこの仕事を引き継いだが
同僚も会ったことがないらしい。

名前と勤務先しか知らないが
いつかこの人に会ってみたい。

勤続11年のち、無職1年。そして転職した今~初めての転職活動体験記~

勤続11年のち、無職1年。そして転職した今~初めての転職活動体験記~

私は遠回りで不器用な人生を歩んできた。

本命高校は落ちるし
本命大学に受かったたものの
大学院進学か就職かでしばらく揺れ動いていた。
何十社も受けて、エントリーシートや履歴書を書きまくっていたのに
働きたい場所で内定はもらえなかった。

大学卒業後に就職する予定の場所の内定を蹴ったのが大学四年生の二月末で
大学卒業後に通う福祉の専門学校に行くことが決まったのは
卒業式を控えた数日前だった。

 

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