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福祉の仕事

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仕事中に気づいた発見や喜びを書いています。
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#同僚

送別会の提案

送別会の提案

私の職場は飲み会がない。食事会もない。
コロナ禍だからというのもあるが
コロナ禍前も頻繁ではなかったらしい。

 
私は三年前に転職したが、歓迎会はなかったし
同僚が辞めても、送別会はなかった。

それでよかった。

仕事柄、平日は利用者や同僚とお昼を食べるし
土日祝日出勤の時も利用者や同僚とお昼を食べるし
職場で一人でお昼を食べることはほぼない。

 
あえて仕事後や休日に出掛けて高いお金を出し

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リーダーの夢が叶う頃

リーダーの夢が叶う頃

それは、三週連続の行事を終えた次の日だった。

その日は週6勤務の最終日で
会議の日だった。
職員みんなが集まる日だ。

朝から晴れているが、冬らしい寒さの日だった。

 
会議では最後に来年度からの予定の話になり
上が理想的な話をして
そんな風に事が運べばそりゃ理想だよなぁと思い
話す気が失せ
多分他の人もそうだったのか
みんな下を向き、余計なことは何も言わなかった。
 
 
上が決めたことは絶

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同僚の印象

同僚の印象

私は転職したての頃
職員Aさんが苦手だった。

 
というのも
入職して一ヶ月が経たない頃に
「〇〇の仕事は●●の仕事の後にやるんだよ!」とみんなの前でいきなり強い口調で言われたからだ。

 
仕事の優先順位をしくじった私が確かに悪いのだが
言い方が気になった。

なんせその〇〇の仕事をやっていた時、周りの同僚は何も言わなかったし
さほど問題ではなかったように感じたからだ。

 
怒らせたら怖い人

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約40歳年の離れた元同僚

約40歳年の離れた元同僚

私がその職員Aさんに初めて会ったのは今から10年以上前のことだ。

私は学校を卒業した後に障害者福祉施設に入職した。
社会人一年目の頃に某事業の立ち上げをし、それから責任者として働いていた。

 
私が働き出してしばらく経った頃だ。
当時、施設では看護師の求人を出していたが、なかなか見つからなかった。

 
障害者福祉施設の某事業には看護師の方がいなければいけない。
常勤でも非常勤でもいいらしい。

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社会人の新年会

社会人の新年会

一昨年のクリスマス会の時
リーダーが劇の台本を書くと知った。

 
「真咲さん、書いてもいいよ。」

 
そう言われた時から
一年後、どうなるか薄々気づいていた。

 
去年の秋
クリスマス会の話し合いがあった。

私の職場は利用者が出し物で何をやりたいかを決める。

 
そんな中、利用者が何をやりたいか決まった後
職員が割り振られた。

「劇は真咲さんがいい。」

他の職員はリーダーにより振り分

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おいしいコーヒーの入れ方

おいしいコーヒーの入れ方

ある日の夕方
リーダーから「コーヒー飲みますか?入れますよ。」
と言われた。

 
「お願いします。」と私は言った。その提案に驚いた。

 
コロナ禍になり
私の職場はコーヒーやお茶をいれないし、飲まないからだ。

 
前の職場は私がお茶やコーヒーを入れることがよくあり
どのコップが誰のか、誰がブラックか砂糖を入れるかを把握したものだが
転職してからは覚える必要がなかった。

 
「仕事が終わった

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同僚の死と涙

同僚の死と涙

私は障害者福祉施設で学生の頃に三週間実習をしていた。

 
その施設は本当にアットホームであたたかくて
私はそこで就職したかったが
新卒をとらない施設で有名なところだった。

だから私がそこで内定をとれたのは
施設長に気に入られたからというのもあるだろうが
実習担当であり、主任でもあり、実質施設を仕切っていたAさんの存在が大きかったと思う。

 
Aさんは実習の時によく話を聞いてくれた、あたたかく

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パン屋さんの場所

パン屋さんの場所

同僚Aさんが出張パン屋さんでパンを買ってきた。
住所は〇市だった。

 
〇市は私とAさんがかつて働いていた施設がある場所で
同僚Bさんが住んでいる場所でもある。

 
「なんてパン屋さんですか?」

私とBさんが飛びつく。
私達は全員パンが好きで
パン屋さん巡りをしている。

 
「名前が…×××だって。」

「…知らないなぁ~。」

首をかしげた。
その住所は知っていたが
パン屋の存在は知らな

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お互いに頑張りましょう

お互いに頑張りましょう

夕方、職場に訪問者が来た。

 
それは他施設の職員と利用者だった。
その職員は、私の前の職場時代の同僚だ。

 
以前もパンを売りに来て
再びまた立ち寄ってくれたみたいだ。

 
もう辺りは真っ暗だというのに
見ればたくさんの売れ残りがあった。
食品の場合、売れ残りは大変だろう。

 
二回目の訪問販売ということもあり
私以外の職員は誰も買わなかった。

 
向こうの利用者は
先日、私がイベント

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鍵の特訓と販売

鍵の特訓と販売

私の職場は鍵が閉めにくい。
鍵を持つ同僚がよく施錠で苦戦するのを
この一年半ずっと見てきた。

 
鍵を持つ同僚は何人かいて
だから新人の私に
鍵を渡そうという動きにはならなかった。

ところが、だ。
ある土曜日、私はイベント販売の仕事になった。
私と共に販売になる職員も鍵は持っていなかった。

 
ついに、鍵の開け閉めを行わなければいけない日がやってきた。

 
だが、私は呑気だった。

その同

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利用者を庇う

利用者を庇う

利用者が不穏になり
物を投げた。

 
室内がピリつく。

職員はサッと近くにいる利用者の前に移動する。

 
その後、職員を襲おうとした。
リーダーが動く。利用者の手をおさえる。

利用者がリーダーを蹴る。
利用者が奇声を上げ続ける。

 
同僚を叩けないと分かると
利用者は他の利用者を叩こうとした。

その利用者のそばにいた同僚がかばい
その同僚は三回思い切り叩かれた。

もしも私がそこにいた

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同僚の休みが相次いだ日

同僚の休みが相次いだ日

先日
有給をとっていたが 
諸事情により仕事になった同僚Aさんがいた。

「申し訳ないですし、明日有給でいいですよ。」

新施設長はそうAさんに言った。

 
その日、帰る直前の話だったが
遠慮するAさんに対し
私含め全員で
是非休んでくださいと伝える。

 
「明日は他に職員休みいないから大丈夫ですよ。」

 
今思えば
この新施設長の言葉はフラグでしかなかった。

 
 
そして次の日のことだ

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退職後の再会は新しい職場で

退職後の再会は新しい職場で

「こんにちは~!」

夕方、利用者が帰った後に仕事をしていると
玄関の方から声が聞こえた。

 
今日は誰かが来る予定はなかったはずだ。

 
頭に「???」を浮かべながら
同僚が玄関に行った。

 
そこには二人の人が荷物を抱えて待っていた。
そのうち一人は実に見覚えがある。

「Aさん……!」

私は話しかけた。

 
Aさんは今から数年前に
前の職場で同じ事業で働いていた元同僚だ。

あまり

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退職後に選んだ道

退職後に選んだ道

仕事を辞めて
前の職場に再び戻ることにした。

 
私は会議室で同僚を見渡す。

「え~知ってる人は知っていると思いますが、私は以前ここで実習やボランティアを1年、正職員として11年働いていまして…」

 
『知っているよー!こっちは辞めたなんて思ってないよー!(笑)』

 
「このたび、ご縁がありまして、またこちらで働かせていただくことになりました!よろしくお願いします!」

 
私が笑顔で元気

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