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歴史あれこれ

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歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
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2021年11月の記事一覧

【滝口寺伝承(1)横笛】小さな愛の寺

【滝口寺伝承(1)横笛】小さな愛の寺

滝口入道
ある高野聖がおりました。名を滝口入道と申します。

在俗のときの名を斎藤滝口時頼と申しまして、名門滝口武士の出であったことから13歳で召し出され、小松殿(平重盛)の衛士をしておりました。

ある日時頼は、建礼門院(徳子)の雑役に従事する下級の侍女であった「横笛」という名の娘と出会い、恋に落ちます。

時頼を良家の婿にして宮仕えをさせようと思っていた時頼の父は、娘の身分の低さを理由に、結婚

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信長の琵琶湖大作戦~天下取るには資金稼ぎから

信長の琵琶湖大作戦~天下取るには資金稼ぎから

尾張(愛知県西部)という小さな小さな田舎の国の、守護代の織田家の中でも一番の格下である弾正忠家に生まれた織田信長が、天下人になるために最初に目を付けた最優先のものとは?

ズバリ資金です。

まだこの時代は、武将というものは自分の生まれた生国にこだわって、生涯その土地を守り、そこを中心に領土を増やすというのが王道でした

しかし、彼はこの田舎の小さな国から、4度も国替えして「応仁の乱」以後、室町幕

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続・仏教由来の言葉

続・仏教由来の言葉

先日 仏教由来の言葉 を書きましたが、空蝉さん からもリクエストがありましたので、続編を書いてみました。

うろうろする
漢字で「有漏」と書きます。漏れるものが有るという意味で、煩悩のことを表します。
煩悩に翻弄されてあっちへ行ったりこっちへ行ったりする様子を表しています。

ガタピシ
自分と他者とを区別するという意味の「我他彼此(がたひし)」から来ています。
仏教では「我」と「他」、「彼」と「此

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鑑賞*米の字に雑巾縫ふや文化の日(2)

鑑賞*米の字に雑巾縫ふや文化の日(2)

内山 靖子

 作者の作品は、絵本を読んで聞かせてくれているような一物仕立ての句が多く、二句一章の取り合わせの句は数少ない。句もその一つだが、その分、読者が想像を働かせて楽しむ余地が大きい。

雑巾は、専ら実用本位で古布などを何枚か重ねて、補強のために縦に横に斜めに縫ったもので、その縫い目には機能以外の意味はない。

句は、そこに「米」という文字を読み取ることで刺子の作品のようになったのである。

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ハクビについてのひとりごと for Biz

ハクビについてのひとりごと for Biz

三国志のお話で失礼します🥺三国志は現代にも通ずる、示唆に富んだ面白いお話がたくさんあります。このnoteはBizのためのひとりごとです。

中国三国時代の故事成語で、兄弟、あるいは集団の中で優れている者を「白眉(ハクビ)」と言います。

白眉(ハクビ)の語源三国時代、荊州に「馬氏五常」と呼ばれた馬家の俊英の5兄弟がおりました。 「北斗4兄弟」みたいでカッコいいですね🥺。

5人とも字(あざな:

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比叡山と高野山の違いは何だろう? 秀才エリートVS天才カリスマ

比叡山と高野山の違いは何だろう? 秀才エリートVS天才カリスマ

過去に、比叡山も高野山も紀行した時、どちらも日本仏教にける聖地ではあるのですが、それぞれ感じた印象はまったく違うと思いました。

単純な発想として、比叡山を開いた最澄と高野山の空海の仲が悪かったから?
開山した二人の性格の違いがそうさせたのか?

全く違う雰囲気を持っています。

一言でいうと、比叡山はレストランもなければコンビニもない「近寄りがたいほどの霊山」だし、
高野山はコンビニや飲食店も土

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八田與一について

八田與一について

ニュースを見ていたら、台湾の企業が熊本に工場を作るとの事です。
台湾は親日的な国で知られていますが(敢えて国と呼びます)、これは日本が台湾を統治していた時代に、多くの日本人が台湾の発展に尽力してきた結果だと思います。

そんな訳で今日は、今なお台湾で語り継がれ慕われている日本人、八田與一(はったよいち)のお話を書きたいと思います。

八田は、1886年(明治19年)に石川県で生まれました。東京大学

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奈良・京都だけじゃない! 古代大阪にあった難波京をご存じですか? #大阪歴史博物館コラボ企画

奈良・京都だけじゃない! 古代大阪にあった難波京をご存じですか? #大阪歴史博物館コラボ企画

あの大化の改新で遷都した! 大阪市街地の地下に眠る、古代大阪で繁栄した「難波宮・難波京」について大阪歴史博物館の情報とともにご紹介します。

「何と(710)見事な平城京」「泣くよ(794)うぐいす平安京」……嗚呼、懐かしい、遠い学生時代の覚えた年号語呂合わせ。みなさまこんにちは、ミュージアム部のmitu.です。古代の「京」と聞いて思いつくのは、奈良の平城京・京都の平安京ではないでしょうか?

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今さら知った「四天王寺」の事

今さら知った「四天王寺」の事

本来の読書はそっちのけで、相変わらず大阪の郷土史「あしたづ」をちびちびと読んでいる毎日です。

と言うのも、サークル仲間のチコさんが、お父様が郷土史家であられるので、実家にある「あしたづ」のストックをごっそり私に貸してくれたのです。

図書館で借りたら2週間という期限があるので、気が落ち着かないので助かります。

いや、普通の小説であるなら、十分読める。下手したら一日で読めてしまって物足りないぐら

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