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手記

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日常そのもの
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#夜

試しに息を吸って

試しに息を吸って

難しいですね 無いものから選ぶというのは

体温が満足してもらえるだけの格好を見つけるのでさえ 毎日困ってばかりです

夏が来れば暑いし 冬が訪れれば寒いです 
移り変わりに美しさを見つけられる余裕はありません 本当はマフラーなんて外したいのに店内は冷房に支配されています
縛り付けられた首元は窮屈で思いのままに息ができません

姿勢は崩れています 肌と肌を近づけていないと不安になります そして風が

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夜の帳

夜の帳

普段なら脚立の二段目からでも下を見て体が震えるのに、その夜は高さを求めたくなった。

その衝動を意図して飛び込んだライブハウスで確かな高揚感を持ち帰り、20時過ぎの湿った空気を吸った。火の消えていないタバコが路上に落ちていた。人の目を気にしながら咳をする自分を俯瞰で見た途端に、現実に引き戻されてしまった。

願うなら出会したくなかった悲観的な現実からの逃避行は、こうして誰かの行き届かない処理によっ

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勿忘草はオレンジ色には染まらない

勿忘草はオレンジ色には染まらない

明日がやってくるのを拒む夜は、朝ごはんに食べてもらいたいはずのパッケージに身を包んでいる食パンをガサゴソと取り出して、きな粉ペーストを塗って食べる。
「夜食」と聞くとちょっとだけ罪悪感が生じるのは、いつからか勝手に意識するようになっただけのバイアスでしかなくて、朝を絶対的な正義と信じて疑わないから、夜に疎外感を与えるために誰かが仕向けた罠に見えてくる。

近所の安いスーパーが閉店した21時過ぎ。小

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今だから変わらないことしたい

苦しい思いをするのなんて一瞬でいい。一思いに全部がピークを迎えて後は流れで消えてくれたらいいのにな。

いや、辛いことを振り返りたいつもりはなくて、ゲームがやりたいなってここ最近ずっと思ってるんですよ。

それも、最新のゲームというよりは、ブームはとうに過ぎて、日頃見かけることもほとんどない、物好きがわざわざ選んでるようなゲーム。レトロゲームと呼ばれることもある類のアレです。

中古市場を見れば新

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言葉を響かせ音を書く

聞き流すだけのBGMで止まるのは大人らしくない。
浅くて中身がないだけの空洞では、つまるものがないと危機感を覚え、意識して音楽を聴き入るようになり、生の音を感じられるライブに足を運んでから、楽器や演奏というものに対しての興味が湧いてきた。

楽器の演奏経験は、義務教育で配布されてきたそれっぽい笛や鍵盤ぐらい。
教科書通りの暗号を自分が奏でられていたかどうかは定かではないが、別に成績は良くなかったか

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ライブ明けと夜明け

有観客ライブに足を運び、たった一度きりの空間に参加してしまったことで、体のキャパシティーを大幅に超えた感情が流れ込んできて、体重が増えてしまったのではないかと体重計に乗ったら、1㎏増えていた。音楽の力とは偉大なものだ。

ライブで披露したセットリストを再現したプレイリストを作成して、曲順通りに再生して会場を後にして、電車を乗り継いで家に帰ってきて、帰ってきてからも聴いていたら、ライブ3回分も聴いて

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備えあれば、良いよね。

みなさん、本日もよくがんばりました。よくいきぬきました。

苦しい夜もただひたすらに褒めてあげて、良いことだけを切り取って振り返ってニヤニヤしながら今日も眠ってくださいね。また明日も幸せでありますように。

それなりにそれなりの1日を終わらせて夜にここにいる私ですが、今日はぼーっとスマホ見てくつろぐ時間は省略して、早く寝ることにします。

というのもですね、私、明日、1個やりたいことを思い出しまし

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眠「れ」ない、眠「ら」ない。

有象無象が健全に眠って、明朝への備えを済ませて休息を取り始める時間に逆行して心が起き上がる。文句を言われることを忌避したいという負の感情が募った末に、良い行いを心がけるよりも文句を言う人がいない時間に好き勝手やることを覚えた。おかげで不健康でありながらも心の健やかさには自信がある。ストレスチェックをしたらきっと低い値を示すと思う。

とは言いつつも、大体はその通りでも、少しだけ違う部分があるので、

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どうせ明日も、

埋め立てられて平地にされていく。埋められる以前の形を第三者は忘れていく。
抵抗した記憶は断片的に残っている。島々のように浮いている部分だけは視認できるのに、姿形の全てを確認することはできない。記憶の一部すらも埋められている。

二度と忘れてなるものかと食いしばって脳裏に焼き付けた光景は、映像としては残っていなくて、その瞬間だけ蘇る。
それは大掃除で棚の奥に眠っていたアルバムから、苦い思い出の写真が

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辛抱する明けに花を咲かす

朝がやってきても、異変も活動限界も度外視で動けたらなって、ないものをねだりたくなるが、今だって欠伸が頻繁に出ている。涙を拭いて目に力を入れても、次の欠伸弾がすぐそこまできていて、堪えることもできずボロボロ泣いている。

物音がほとんどしない6時前、イヤホンをせずに自然に出ている音と曲を重ねる。

Never Sleep/YONA YONA WEEKENDERS

Never Sleepは眠くな

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細波

こんばんはこんばんはこんばんは。

深夜特有のハイテンションに入り始めています。ワイワイしてます、頭が。

お勤めご苦労様でしたの日でした。一年を締めくくりました。

家に帰ってきて、カレーを食べました。うまいうまいうまいうまいうまい。

気持ちが昂っています。そのまま新世紀エヴァンゲリオンの続きを見ました。ついに26話を見終わりました。なんだよこのアニメ!!!!

わからんのよ!世界観!!!!!

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押し寄せる年末感。

一日丸々のお休み。

後ろめたい気持ちもなしに、前日に夜更かしをする。夜食をお腹に入れながらゆっくりと暗い時間を過ごしていく。

時間ができると満喫してやろうと気持ちが先行してしまいがちだが、何かをしてやろうというよりは、特に理由もないのに夜更かしするのが好きだ。

わざわざ寝るのを遅らせて起きている理由はないけれど、逆に寝る理由がないから起きているというロジカル。裏の裏は表理論。

湯船にきき湯

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2020をかえる

2020をかえる

年の瀬が迫る。部屋の掃除も、やり残したことも、人間関係のいざこざも清算したくなる。

今年は人に会う回数がかなり減少した。会いたいと思う友人と会う約束は流れてしまって会えなかったのは悔しいけれど、それとは比べものならないぐらいに、面倒な人間関係に巻き込まれることも少なくて、気が向かない会に出向かなくて済んだのが個人的には楽だった。

個人での一年の振り返りが自然と始まる。
社会現象、蔓延する噂、流

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ガタガタ、トゲトゲ、ゴロゴロ。

ガタガタ、トゲトゲ、ゴロゴロ。

素の自分が出てからが勝負だ。取り繕うことに夢中の世の中で、いかに自分らしくいられるか、という題材での議論は激化に激化を重ね、出版業界も慌ただしい。

ビジネス本、自己啓発本を中心に、「自分らしく生きるため」「後悔しない生き方」「今のままで本当に大丈夫?」など、似たり寄ったりなタイトルやサブタイトルをつけて、目に止まらせてやるための大字がプリントされている。

いつものように、本屋に訪れ、ゆっくりゆ

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