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2024年3月の記事一覧

「花」とはなにか?

「花」とはなにか?

 「あの人には花がある」という言い回しがある。

 「あの人には花があるね」と聞くと、「そうだね」と答える。そういう時、相手の言葉に対して、私も同じように感じているから「そうだね」と答えるわけだが、「じゃあ、『花』って何だろう?」と改めて考えてみると答えが思いつかない。

 『花』を別の言葉で置き換えようとするならば、「存在感」という言葉を思い浮かべる。しかし、タモリさんのことを思い浮かべると「待

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文章の書き方を翻訳を通して考えてみた。

文章の書き方を翻訳を通して考えてみた。


はじめに この記事では、モーム(W.Somerset Maugham)の「劇場」(Theatre)の序文(preface)の第一段落を翻訳してみる。日本語とは語順の異なる外国語を翻訳することは、文章の書き方を考える上で良いトレーニングになると思っている。
(⚠️テキストとして、VINTAGE CLASSICS版を用いる)

 英語が基本的「主語+動詞+目的語」(SVO)という語順であるのに対して

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Bob’s your uncle!
とは、英国やオーストラリア、ニュージーランドでは使われる表現で
「ほらね、簡単でしょ?」
「大丈夫よ」
みたいなニュアンスだそうです。

あーしてこーして、Bob’s your uncle.
って感じでベンジーが使ってました。

虚数の情緒 | An Essay on Emotion of Imaginary Numbers

虚数の情緒 | An Essay on Emotion of Imaginary Numbers

 吉田武先生の著書に「虚数の情緒」(東海大学出版会)という分厚い本がある。およそ1000ページほどある。
 この記事では、前掲書の503ページを英訳しようと思う。
 数学書だが、名文であり、私のお気にいりのページだから。

 原文と私の英訳を交互に記していく。

数学と感情(前掲書、p.503より)
Mathematics and Emotion

「数学は計算である」と考えている人は、コンピュー

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書評&句読法のまとめ | セシリア・ワトソン著「セミコロン」

書評&句読法のまとめ | セシリア・ワトソン著「セミコロン」


(1) セレンディピティ?

 図書館で面白そうな本を見つけた。

 セシリア・ワトソン(著)[萩澤大輝/倉林秀男(訳)]「セミコロン」(左右社)、2023年。
#セシリア・ワトソン #セミコロン #左右社

 図書館に行ったときは、必ず(と言っていいほど)、語学コーナーを覗く。

 英語に限らず、未知の言語であっても新刊書がないか確認している。英語本はやはり本の数は多いが、同工異曲の本が多い

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byとnear | 似た者同士の微妙な違いについて

byとnear | 似た者同士の微妙な違いについて


(1) 似た者同士の差異

 どんなに似ていても、違うモノである以上必ず違うところがあるはず。まったく同じモノだとしたら、別々のモノが存在している意味がない。どんなに微妙な差異であったとしても、差異があるから両者とも生き残っているのだろう。

 ふと「near」と「by」の違いが気になった。日本語では、nearには「~の近くに」、byには「~のそばに」という訳語が当てられているが、2つの単語の違

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