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浄土真宗の僧侶。 34歳。 仏教について思うことや近況や色々書いていこうと思います!

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浄土真宗の僧侶。 34歳。 仏教について思うことや近況や色々書いていこうと思います!

記事一覧

色んな言葉が教えてくれる(別れは小さな死・昼の月)

先人たちは本当に素敵な詩、心にとまる言葉を残してくれる。 最近知った言葉で、「別れは小さな死である」という言葉がある。これはフランスにあることわざだ。 大切な人…

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8か月前
5

四季の思い出

最近、死別の悲しみを体験された方々の書かれた本をよく読ませてもらっています。その中に日本は四季がはっきりしているから、故人を思い出すときっかけがあると書いてあり…

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8か月前
4

日々摘花(ヒビテキカ)

『日々摘花』とは、WEBメディア『Coeurlien(クリアン)』で人気のネットブログのタイトルです。著名な方々がご自身の大切な人との別れの体験を語っていて、その体験か…

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1年前
9

霊魂について考える

私たちは霊魂を存在するものとしてきました。死後の世界があり、そこに御先祖様の霊魂がある。その御先祖様の霊魂をお盆に御迎えしたり送ったり、存在を感じ繋がりを感じて…

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1年前
3

後輩の結婚式でした、喧嘩したときはミスタードーナツの話

余興で恥ずかしながら法話をしました。 すごく、修正しました(笑) ・ ・ ・ 本日はおめでとうございます。 ずっと前になりますが、ゼクシィという結婚情報サービスのCM…

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1年前
7

仏教の言葉は心のワクチン

仏教の言葉は私にとってどういうものかを考えてみる。 Youtubeを聞いてて出てきた言葉ですが、心のワクチンという言葉が今頻繁に頭に浮かんできます。 日常生活に…

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1年前
7

終わりを意識することで幸福を感じる

エイジングパラドックスという言葉を最近知りました。 年をとっていくと身体の機能が下がっていったり、人との別れを多く経験するようになるため、幸福度は下がっていくと…

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1年前
7

自分が一番好きだけど

仏教に、「自利利他円満」という言葉があります。 「自利利他円満とは、他人に得をさせることが自分の得でもある、という仏教の精神です。」 こう訳されることが多い言葉…

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1年前
7

お通夜の意義

お通夜はなぜ大切なのか。 一番は儀式を通じて身近な方の死を受け止めていく時間が私たちには必要だからだと思う。 普段と変わらない生活を過ごしているだけでは受け止め…

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1年前
13

智慧と慈悲の一年に

仏教では、蝋燭は知恵を、お花は慈悲を表していると説かれます。 蠟燭の明かりは、暗闇の中で悩み苦しむ私たちの灯として、花の美しさは私たちの心に優しさを運んできてく…

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1年前
15

天上天下唯我独尊

私が私として生きることそのこと自体が尊いこと。 その尊さを自らに明らかにするのが宗教である。 というお話を先日いただきました。 自分自身が見えなくなったり、気づ…

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1年前
11

お寺は生き残っていけるか

地方の一僧侶の現状最近「寺院消滅」という本を読みました。 鵜飼秀徳(うがいひでのり)さんというお寺出身の記者さんが書かれたものです。 「お寺が消滅する」 「お寺は…

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2年前
6

気持ちがやってくる

短冊の願い ラジオを聞いていたら、以前七夕の日にTwitterで拡散されたというツイートが紹介されていました。小学生の女の子が、 「お父さんのドナーが見つかりますよう…

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2年前
10

「家和万事成」~家族の平和~

「いえわしてばんじなり」 家族が和やかにいっていたらすべての事がうまくいく。 という言葉です。 「家族が平和であれば、全てがうまくいく」 「家族がうまくいってい…

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2年前
5

幸せを問う

幸せですか?と問われたときに、私たちはどう答えるでしょうか。 「幸せです」 とすぐに答える方もおられると思います。 1人1人の問題ですし、プライベートなところでも…

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2年前
12

感謝を人生の真ん中に

Voicyという配信アプリのパーソナリティのviviさんという方が 『楽しいを人生の真ん中にする』ということをテーマに配信をされていて、人生の真ん中という言葉が気に入って…

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2年前
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色んな言葉が教えてくれる(別れは小さな死・昼の月)

色んな言葉が教えてくれる(別れは小さな死・昼の月)

先人たちは本当に素敵な詩、心にとまる言葉を残してくれる。

最近知った言葉で、「別れは小さな死である」という言葉がある。これはフランスにあることわざだ。

大切な人、愛する人との別れは、そのかけがえのない関係の中で一緒に築いてきた自分自身の一部も死ぬ、それは自分自身の小さな死のような体験だという意味だ。多くの方は身近な方との別れのとき、心にぽっかり穴が空いてしまうという感覚になる。

しかし様々な

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四季の思い出

最近、死別の悲しみを体験された方々の書かれた本をよく読ませてもらっています。その中に日本は四季がはっきりしているから、故人を思い出すときっかけがあると書いてありました。

春には桜であったり、子どものランドセルとか、夏には海とか、秋にも紅葉であったり、冬はクリスマスとか雪であったり他にも故人と過ごした時間が長ければなおさら思い出は多いし、その思い出はふと頭に蘇ってくるのでしょう。

多くの方は季節

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日々摘花(ヒビテキカ)

日々摘花(ヒビテキカ)

『日々摘花』とは、WEBメディア『Coeurlien(クリアン)』で人気のネットブログのタイトルです。著名な方々がご自身の大切な人との別れの体験を語っていて、その体験から「毎日、花を摘むように大切に生きていく」ことを学ばせていただくコーナーで私も読ませていただいています

大切な人との別れは心に大きな悲しみを生みますが、心の中にいる故人との対話を通して日々を大切に生きていくというテーマのブログです

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霊魂について考える

霊魂について考える

私たちは霊魂を存在するものとしてきました。死後の世界があり、そこに御先祖様の霊魂がある。その御先祖様の霊魂をお盆に御迎えしたり送ったり、存在を感じ繋がりを感じてきました。

皆さんは霊や魂の存在をどう感じておられるでしょうか。

私は霊魂の存在は信じていないつもりです。浄土真宗の盛んな石川の地で育ったからだと思います。浄土真宗では霊魂という言葉は使いません。私を導いてくれる存在を仏さまとしていただ

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後輩の結婚式でした、喧嘩したときはミスタードーナツの話

後輩の結婚式でした、喧嘩したときはミスタードーナツの話

余興で恥ずかしながら法話をしました。
すごく、修正しました(笑)



本日はおめでとうございます。

ずっと前になりますが、ゼクシィという結婚情報サービスのCMでこんなセリフが流れていました。

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私はあなたと結婚したいのです」

人生には浮き沈みがあります、結婚はその浮きの絶頂です。最高の未来しか見えないと思って良い時間です。

しかし、日が経つ中で

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仏教の言葉は心のワクチン

仏教の言葉は心のワクチン

仏教の言葉は私にとってどういうものかを考えてみる。

Youtubeを聞いてて出てきた言葉ですが、心のワクチンという言葉が今頻繁に頭に浮かんできます。

日常生活において、苦しいことや悲しいことが起こった時に、何かこれまで聞いてきた言葉が頭に浮かんでくれば、その苦しみを和らげることが出来るかもしれない。

怒りというのも、私たちを苦しめる感情の一つです。

私の中に怒りという感情が湧いてきたとき、

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終わりを意識することで幸福を感じる

終わりを意識することで幸福を感じる

エイジングパラドックスという言葉を最近知りました。

年をとっていくと身体の機能が下がっていったり、人との別れを多く経験するようになるため、幸福度は下がっていくと思われがちなのですが、逆に幸福度は上がっていくという結果が出ていることを言います。

私は両学長というユーチューバーをよく見ていまして、その方の動画でこの言葉を知ったのですが、その動画には表が載っていました。

18歳から徐々に48歳頃ま

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自分が一番好きだけど

自分が一番好きだけど

仏教に、「自利利他円満」という言葉があります。

「自利利他円満とは、他人に得をさせることが自分の得でもある、という仏教の精神です。」

こう訳されることが多い言葉です。

自利の「利」、この「利」の部分を自分の利益というふうに解釈をすることが多いように思うし、1番分かりやすいです。

「利」という言葉を幸せというふうに考えれば、自分の幸せと他人の幸せは別々のものではないというふうに読めますし、本

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お通夜の意義

お通夜の意義

お通夜はなぜ大切なのか。

一番は儀式を通じて身近な方の死を受け止めていく時間が私たちには必要だからだと思う。

普段と変わらない生活を過ごしているだけでは受け止めることが出来ないのが、親しい方との別れなのではないでしょうか。

別れは寂しいことだけど、いなくなってしまったということを受け止める場。仏教に出遇うということも大切だけれども、お通夜という短い時間ではこれが精一杯だとも思う。

もちろん

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智慧と慈悲の一年に

智慧と慈悲の一年に

仏教では、蝋燭は知恵を、お花は慈悲を表していると説かれます。

蠟燭の明かりは、暗闇の中で悩み苦しむ私たちの灯として、花の美しさは私たちの心に優しさを運んできてくれます。

と、こう言っていても、そのことを私は日常生活の中でどのくらい意識しているでしょうか。

お参り、またこうやって文字に、声に起こしている、それ以外の場所で、知恵や慈悲をもって人と接していると自信をもって言うことは出来ません。

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天上天下唯我独尊

天上天下唯我独尊

私が私として生きることそのこと自体が尊いこと。

その尊さを自らに明らかにするのが宗教である。
というお話を先日いただきました。

自分自身が見えなくなったり、気づかずに周りを不幸にしていたり、そういうものは宗教ではないと。

どうしても仏事が伝わってきたのか、それはご先祖は私にその生きることの尊さを伝えてくれる存在であるからだと思います。

私たちは、もし自分が亡くなるその時に、自分の子供に、も

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お寺は生き残っていけるか

お寺は生き残っていけるか

地方の一僧侶の現状最近「寺院消滅」という本を読みました。
鵜飼秀徳(うがいひでのり)さんというお寺出身の記者さんが書かれたものです。

「お寺が消滅する」
「お寺は生き残っていけるのか」

こういったタイトルの本はやはり気になります。

鵜飼さんは、本書の冒頭に

「代々、寺だけでは食べていけない貧乏寺出身の私は、サラリーマン記者をやっている」

と書いていますが、私のお預かりするお寺も小さなお寺

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気持ちがやってくる

気持ちがやってくる

短冊の願い

ラジオを聞いていたら、以前七夕の日にTwitterで拡散されたというツイートが紹介されていました。小学生の女の子が、

「お父さんのドナーが見つかりますように」
その横に、
「この子の願いが叶いますように」
と書かれていたそうです。

探してみましたが、ずいぶん昔のものなのか、見つかりませんでした。

心優しい方だなと思います。
女の子は悲しい思いをしているので、簡単には言えませんが

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「家和万事成」~家族の平和~

「家和万事成」~家族の平和~

「いえわしてばんじなり」

家族が和やかにいっていたらすべての事がうまくいく。

という言葉です。

「家族が平和であれば、全てがうまくいく」
「家族がうまくいっていれば、全てよし」

細かい訳は色々あるのでしょうが、大きな違いはないのだろうと思います。

多くの時間を過ごす家族という場所が平和であれば、その精神的安定が友人関係や仕事にも影響を及ぼすということですよね。

禅の言葉だということです

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幸せを問う

幸せを問う

幸せですか?と問われたときに、私たちはどう答えるでしょうか。

「幸せです」

とすぐに答える方もおられると思います。

1人1人の問題ですし、プライベートなところでもありますし、誰に聞かれるかにもよるかもしれません。

お坊さんのお話が載っている小冊子に、

幸せですか?と聞かれて「はい」と答えるまでが日本人は遅いというお話がありました。

このお坊さんが言っているわけではなくて、テレビ番組でや

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感謝を人生の真ん中に

感謝を人生の真ん中に

Voicyという配信アプリのパーソナリティのviviさんという方が
『楽しいを人生の真ん中にする』ということをテーマに配信をされていて、人生の真ん中という言葉が気に入ってしまい、お借りしました(^^)

〇報恩講皆さんは『報恩講』ってご存知でしょうか?
浄土真宗のお寺の多くは、この10月、11月を中心に『報恩講』が勤まります。

若い方はあまり知らないかもしれません。『報恩講』、浄土真宗の開祖、親

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