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後輩の結婚式でした、喧嘩したときはミスタードーナツの話

余興で恥ずかしながら法話をしました。
すごく、修正しました(笑)



本日はおめでとうございます。

ずっと前になりますが、ゼクシィという結婚情報サービスのCMでこんなセリフが流れていました。

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私はあなたと結婚したいのです」

人生には浮き沈みがあります、結婚はその浮きの絶頂です。最高の未来しか見えないと思って良い時間です。

しかし、日が経つ中で結婚というものを目を背けずに見てみると、怒りや寂しさ、思い通りにならないことへの苛立ち、そんな気持ちになることもたくさんあります。

瀬戸内寂聴さんが、書かれていた「ごまかし」という家庭観があります。

切に生きれば物事をごまかせない
ごまかしなしに家庭生活は成り立たない
ごまかせない人間は家庭生活をもつな

ご自分のことを、家庭生活の失敗者だと言われていた瀬戸内さんならではの厳しい言葉です。
その後にこう続いていました。

私の家庭にごまかしなんてありませんというお叱りが聞こえてきそうだ。しかしそれはごまかしに気づいていないだけのことだ。あるいは知っていて目をつぶり、あるいはあきらめ、誰かの犠牲の上になりたっているのが家庭である。

妻や夫、子どもとの幸せな生活、その裏には、自分のやりたいことを後回しにしたり、あきらめたり、自分以外の人の為に時間を使うということを受け入れなければいけません。

そんな生活の中では、必ず苛立ちや寂しさなど、ネガティブな気持ちになることがあると思います。

そんな時のために、お互いに言葉以外でありがとうごめんなさいを伝える方法をもってほしいです。

怒りや寂しさなど、私たちのもつ感情には、ピークがあります。

良い例ではないかもしれませんが、今思えば、私は以前妻と喧嘩をした時に、ミスタードーナツを買いに行ってました。2ヶ月に1回くらいだったと思います。

怒ってる時にはドーナツを買いに行こうとはならないですが、少し時間が経ち仲直りしたい時にも、言葉が出てこないことがあります。


誰にでも悪い部分はある。自分から謝ろうと思うことが出来た。
それだけでもすごいことだと思います。
言えばいい言葉は分かっています。「ごめんね」といえば良いのです。

しかし、その短い言葉を自分のプライドや自分が正しいという気持ちがまだ勝っていて出てこない。

また、言えたとしても、それで解決しないこともある。ごめんねと言われても気持ちに収まりがつかないこともあるかもしれません。

私も妻も好きだったということがあって、そんなとき私はドーナツを買いに行っていました。

ミスタードーナツまでの運転中にも、あれこれと考えます。
あっちが悪いやら、こっちも悪いやら。
帰ったら謝ろうと思うことも多々ありました。

ミスタードーナツに着いてからは、妻の好きな抹茶系のドーナツはあるかなとか、2人とも好きなオールドファッションは無意識に入れていたり、一旦意識は喧嘩から離れていたように思います。

そして妻のほうも慣れてくるとミスドを買いに行ったなとおそらく思っていたと思います。最初言わずに出ていったときは、なお心配させたり不安にさせたかもしれませんが。

買いに行ったときには、謝る気持ちをもっているということは伝わっていたのではないかと勝手に思っています。

それから帰ってきて、ミスドを置いて、ごめんを伝えて、何が悪かったか等を話したりすることが自然と出来ていました。

全く効率の悪い、お金のかかる方法です。
でもお互いが考える、話し合いをするための丁度いい時間になっていたと今振り返ると思っています。

ドーナツでなくとも、お互いの好きなものを日頃から考えていれば、そこに必ずその場を打開するヒントがあると思います。

料理で伝える、手紙を書く、なるべくお金のかからない小さなプレゼントを日頃からありがとうの気持ちを込めて送ってあげてください。

自分のために時間を使っていてくれている相手に感謝を伝えてあげてほしいと思います。感謝は、言わなければ言わないほど、さらに言えなくなってしまいます。

夫婦とはお互いを支え合う存在です。こちらが正しくて、向こうが間違っている。たとえそう思ったとしても、強い言葉を使う、相手を責めるということではなくて、良い方向に向かっていく努力を普段から考えておいてもらえたらなと思います。




この辺からタンバリンをたたく余興に移っていきました。

ミスドは良い例ではないかもしれませんが、今思えば良かったのかもしれないなと思ったお話です。


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