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日常のステップ

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2023年5月の記事一覧

日常のステップ #26 早稲田と大学生活

日常のステップ #26 早稲田と大学生活

とある予定で早稲田大学に行った。
早稲田駅の階段を上る早稲田生たちの波の中で、「わたし早稲田生ですけど?」的なすました顔で歩いてみる。(どんな顔や)
でも途中でキャンパスへの行き方が不安になって、信号待ちの時に後ろに立っていたバンドやってそうな兄ちゃんに「戸山キャンパスってどっちですか?」って聞いちゃったので、他大生ってことが一瞬でバレた。

5分ほど歩き、いわゆる「文キャン」(文学部や文化構想学

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日常のステップ #31 公園の遊具でルージュを塗った日

日常のステップ #31 公園の遊具でルージュを塗った日

それは澄み渡るように晴れた日だった(たしか)

それは少しだけ息がしずらい日々の中の一日だった(たぶん)

それは気の抜けたおしゃれをしたくなる日だった(ほんと)

ーーーーーー

春がギアを入れ始めたとある日、緑が似合う友達と、中野のベーカリーでキャロットケーキとピーカンパイを買った。

近くの公園のベンチで、その子のヨーロッパでのカウチサーフィンの話を聞きながら、フォークで突いて食べる。

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日常のステップ #30 ちぢれ麺は焼きそばにはなれない

日常のステップ #30 ちぢれ麺は焼きそばにはなれない

朝ご飯に、冷蔵庫にあったもので焼きそばもどきを作った。母が職場から持って帰ってきた大量のじゃがいもとにんじんの薄切り、サラダチキン、そしてちぢれ麺。

野菜は調理師を目指す生徒たちが練習で切ったものなんだけど、自分の”薄切り”の概念が相対化されるほどに、多種多様な大きさが転がっていておもしろい。
皮をむいて洗って途中まで切ってくれてるのがとても助かるので、いつも重宝している。

その野菜たちを炒め

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日常のステップ #28 冷たい人間

日常のステップ #28 冷たい人間

私は実はすごく冷たい人間なのかもしれない。

おこがましいけど、自分は人に対して「やさしい」と思う。友達からも度々そう言ってもらえることが多い。

でも、人に優しくする時、その人のためというよりは、「いい人」って思われたいからって方がしっくりくるし、

誰も見てないところでする「いいこと」は、自分の気分がよくなるからってのが主な理由だ。

結局自分に興味を失った人に対しては、だんだん私も興味を失っ

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日常のステップ #29 ライブラリの化石と銀座の歩行者天国

日常のステップ #29 ライブラリの化石と銀座の歩行者天国

聴きたい曲が思い浮かばない時、音楽アプリのマイライブラリをシャッフル再生してみる。

不思議なもので、自分が追加したはずなのに、聞いたことない曲がよく流れてくる。友達におすすめされたとか、ジャズバーで流れてたものとか、テレビで出てきたとか、そういうきっかけで追加したものたちだ。

誰かに熱烈におすすめされた曲って、その相手の熱意への礼儀を兼ねて、その場で追加したりする。あとでゆっくり聴こうと思って

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日常のステップ #27 地震と繋いだ手

はじめに震災の記述を含むので、フラッシュバックする可能性のある人は注意してください。

メトロでの緊急停止早稲田駅から、友達と東西線に乗った。
車内のデジタル画面に「緊急停止します」というドクドクした配色のサインが出た。
かすかに、他の人の携帯の地震速報が鳴っている。

「あーまたか」というサラリーマンの顔。
動揺を押し殺す学生の顔。
何事かと慌てる外国人の顔。

私は思わず隣にいた友達の手を握っ

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日常のステップ #25 会いたい人、会えない人

最近、会う約束があったけど、理由があって会えなくなった人がいて。
それはそれは(社会的に)真っ当や理由やけん、しょうがないな〜って思ってるんだけど、同時になんかさもしいな〜と思ってしまう自分もいる。

私はその人とまだ一回しか会ったことがないけど、なんだかビビッときたんだよな。人がたくさんいるところで、でもこの人と仲良くなりたいな〜って思って、思い切って話しかけちゃうくらい。

実際に話してみて、

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日常のステップ #24 ニラレバと肺で笑う人と君に読む物語

日常のステップ #24 ニラレバと肺で笑う人と君に読む物語

不思議な魅力、大井町大井町は不思議な街だ。駅前の賑わいは明大前を思わせるが、路地に入れば、吉祥寺や西荻窪みたいな中央線沿いの飲み屋街に様変わりする。

久しぶりに会う友達と、夜7時くらいに待ち合わせした。人の温度を感じるレトロな小路の前で、キャッチのお兄さんと並んで待った。土曜の夜は、街も人も、ワントーン明るいように見える。
飲み屋街も面白そうだけど、友達の行動圏内だという阪急の方に向かった。

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日常のステップ #23 ウェス・アンダーソンと地獄

日常のステップ #23 ウェス・アンダーソンと地獄

ウェス・アンダーソン監督作品との出会い気分ってのは、物事の考えようにすぎない。そして、映画には、物事の考えようをガラリと変える力があると思っている。

そう思うようになったきっかけは、映画「グランド・ブダペスト・ホテル」を見て、絶望が小さな希望にきれいに変わってしまった経験からだ。

多くの制限の中でも、自分のこだわりを忘れずに生きること。
(自分の人生や、変人性にでさえ)誇りを持って生きること。

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日常のステップ #22 夏の匂いとアムロちゃん

日常のステップ #22 夏の匂いとアムロちゃん

雨とともに来た夏家を出る時今日はずいぶん雲が厚いなって思ってたけど、iPhoneの天気予報を見たら雨は降らないって書いてあったから、傘を持たずに外に出た。1分もしないうちに、見事に雨が降った。「えーーー」って思ってもう一度携帯を見たら、自分、長崎市の予報を見ていた。そりゃあ当たらないわな… 

というのも、旅に出るときには、いつもiPhoneをその場所の天気予報に設定しておく。そうするだけで、まる

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日常のステップ#21 スケボーと下り坂

日常のステップ#21 スケボーと下り坂

最近スケボーを始めた。

家の近くのアスファルトで乗っていたら、くだり坂の時にすごいスピードが出て、横揺れと向かい風が体を包み込んだ。

すごい怖かった。
ピューって進んでいくのを見るのは気持ちいいけど、実際ハイスピードで進む側になると、何が起こるかわからない、自分でコントロールできない、そんな怖さに体と心が硬直する。

同じようなことが、最近の自分の生活にも起きていたような気がする。

機会や人

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日常のステップ #20 大人になること

日常のステップ #20 大人になること

カリスマって、どうしてあんなに自己破壊的なところがあるんだろうねって父と話していた。

酒とドラッグへの依存と闘ったエアロスミスのスティーブン・タイラー、
車の危険な運転を好んだジェームズ・ディーン、
酒と薬を過剰摂取して亡くなったニルヴァーナのカート・コバーン…

父は、人々が彼らに陶酔するのは、食っていくためや家族のためにやりたいことを我慢し、人生を変えたいとどこかで思っている自分たちの代わり

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日常のステップ#19 羞恥心

日常のステップ#19 羞恥心

恥、という感覚がない人に出会った。
いや、あるのかもわからないけど、少なくとも私から見たら、恥や羞恥心なんて存在しないように見える人。

常に堂々としてるし、自分の欠点を誰かから指摘されても、なんか自分のことじゃないみたいに、「いや〜そうなんですよね〜」って、スルッと受け流す。

私は、そのある意味での無頓着さに憧れた。
そして、自分の羞恥心を恥じ、変えようとした。

そんなとき、谷川俊太郎の「羞

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日常のステップ#18 シシリアン・ゴースト・ストーリー

日常のステップ#18 シシリアン・ゴースト・ストーリー

日が落ちる寸前の、深い青の空。昼の生物が活動を終え、夜の生物たちが動き出す前の束の間の静寂を感じる。

友達のおさがりのスケートボードを片手にコンクリートの道に出た。家の前の道から、スケボーが導く方へ下って行くと、小さな公園に着く。そこには、大きな鱒が泳ぐ池や、白樺の木々、溶岩の上には芝桜が栄えている。

池のそばのウッドデッキにスケボーを置き、その上に腰を下ろした。左右に揺れながら、全てを飲み込

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