記事一覧
【ダンスレビュー】向田邦子が踊ったら…?
向田邦子とその世界観を、身体でどう表現するか ー『邦子狂詩曲 (クニコラプソディー)』ー
2024年08月09日 (金) 東京芸術劇場シアターウエストにて『邦子狂詩曲 (クニコラプソディー)』が上演された。
振付・構成・演出はコンテンポラリーダンサーの中村 蓉。公演タイトルの「邦子」とは、女性作家の向田邦子のことで、向田の同名小説『花の名前』と、向田の価値観を表すことわざをタイトルにした
【ダンスレビュー】ジャズの名曲や泉鏡花の小説も登場。ーKARAS APPARATUS(カラス アパラタス)アップデイトダンスNO.104『ナイト アンド デイ』ー
8月4日東京都杉並区にあるKARAS APPARATUS(カラス アパラタス)で、アップデイトダンスNO.104『ナイト アンド デイ』が上演された。
約半年ぶりのアップデイトダンス
出演は、演出と照明の手がける勅使川原三郎と、アーティスティックコラボレーターの佐東利穂子。
通常は毎月行われるアップデイトダンスだが、2人が半年ほどヨーロッパツアーに行っていたため、2人揃ってのKARAS APP
【美術館レポ@コペンハーゲン】北欧の名作椅子がズラリ✨デンマークデザインミュージアム
デンマーク・コペンハーゲンにある『デザインミュージアム』に行ってきました✨
デザインミュージアムとは?
「北欧の名作椅子が見られる」ということで観光客にも有名な美術館。
HPでは「製造業で働く人のインスピレーションになること」「消費者の批判性や品質思考を高めること」を目的としていると書いてありました。たしかに、素敵な家具やデザインに日常的に触れられたら、自然とセンスが磨かれていきそうです。
【ダンスレビュー】KARAS APPARATUSアップデイトダンスNo.86「ドビュッシー 光の秘密」
パフォーマンスを「見る」こと 概要
2021年9月25日から10月4日、東京都杉並区の荻窪にあるKARAS APPARATUS*にて、アップデイトダンスNo.86「ドビュッシー 光の秘密」が上演された。出演はKARASのリーダーである勅使川原三郎と佐東利穂子、タイトルの通りドビュッシーの楽曲を使用したパフォーマンスである。
舞台の様子
夢心地の1時間
自分の体すら全く見えない暗転の中、舞台
ロマンスにあふれて(ロイヤルバレエ 眠れる森の美女 感想)
「現実を見ろ」「フワフワしやがって」なんて、合理主義的で冷め切った空気が漂う現代、ロマンチックなものは馬鹿げたものとされがち、な気がする。
先日、自粛明け初映画館で、ロイヤルバレエの『眠れる森の美女』を観た。主演は我らが姫・金子扶生さんと、絵本から出てきた王子・フェデリコ・ボネッリ。
言わずもがな、今回の話題はこのキャストにある。
元々は大人気のプリマ・ローレンカスバートソンがオーロラを務め
映画 『ROMEO AND JULIET Beyond Words』 感想
言わずもがな、マクミラン版『ロミオとジュリエット』は名作だ。このことは、その世界的人気からもあきらかな事実である。
それを踏まえた上で、このバレエの映画化がいかに意味のあることか、ということを今回は書きたいと思う。(そのため、ダンサー、振り付け、音楽の素晴らしさに関しては皆様十分ご存知の事実であるため、特段触れないことにする。)
映画と舞台の違いの1つとして挙げられるのは、「視線を
【バレエレビュー@ロシア】マリインスキーバレエ ミハイル・ケミアキン版『くるみ割り人形』
ロシア・バレエの挑戦
バレエファンで『くるみ割り人形』を知らない人はいないだろう。初演は 1982 年のマリウス・プティパ(台本)とレフ・イワーノフ(振付)の 共作によるもので、それに加えてワイノーネン改訂版の2つが、現在世界中でよく上演されている。これら2つをカンパニーごとに改変して上演する場合も多い。
2019 年 10 月、ロシア・サンクトペテルブルクのマリインスキー劇場 2 にて上
【舞台レビュー@ロンドン】英国ロイヤルバレエ団 フレデリック・アシュトンの『2羽の鳩』とリアム・スカーレットの『アスフォーデルの花畑』のミックスプログラム
『スカーレットが受け継ぐロイヤルバレエの伝統』
――このプログラムは、アシュトンの伝統と演劇性が、どのように現在のロイヤルバレエのレパートリーと典型的なスタイルに続いているかを示すものである――(ロイヤルオペラハウス公式HPのbackgroundより引用和訳)
これは2019年2月にロンドンのロイヤルオペラハウスで上演された、フレデリック・アシュトンの『2羽の鳩』とリアム・スカーレットの『アス