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アニータ少尉のオキナワ作戦(7)、石垣島Ⅱ

 過去アップした「エレーナ少佐のサドガシマ作戦」は、「エレーナ少佐のサドガシマ作戦、時系列」「マガジン『エレーナ少佐のサドガシマ作戦』」こちらからどうぞ。

 まだ、サドガシマ作戦、終わっていませんが、アニータ、スヴェトラーナとソーニャの物語でも。台湾侵攻をぜんぜん触れていませんでしたので。単なる輸送任務ということだったですが、それで終わりになるはずもなく・・・

アニータ少尉のオキナワ作戦(7)、石垣島Ⅱ

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アニータ少尉のオキナワ作戦(6)、★紺野二佐の悪巧み(前回までのお話)

 艦内放送で、アニータは二人を呼び出した。ひと通り、アニータはソーニャとカテリーナに状況説明を行い、任務概要を知らせた。
 
「准尉、伍長、この任務は任意である、両名の承諾がなければ、小官はキミらに下命しない。どうだ?」
「ハ!お受けいたします!」と即座にソーニャ。広瀬が「ソーニャ、危ないよ。暴力団経営のバーに行くんだよ?」と言うと「広瀬二尉、軍の命令であります。任意ですが、小官を信頼されての指示、お受けいたします!」と一人前に扱われてうれしい彼女はニコニコして言った。

 自衛隊の営繕事務職だとばかり思っていた紺野が、諜報担当のスパイと知らされてビックリしていたカテリーナも「小官も准尉と同様、お受けいたします!」とアニータに敬礼した。
 
「ソーニャ・・・」と広瀬。「あなた、私だって非番ばかりでイヤなんです。今度は任務!面白そうじゃないですか?ソーニャ、頑張ります!」と准尉。

「広瀬、そういうことだ。大丈夫だよ。富田と私、アニータ、スヴェトラーナがバックアップするから。なんといっても、キミの任地の治安に関する重要なことだよ。諦めなさい。さて、お二人」とソーニャとカテリーナに言う。
「ハ!」
「買い物に行こう」
「ハイ?」
「どうせ、キミら、両少尉のような黒のレオタードは持っていまい?市内のスポーツショップとアパレルショップに行って、今回の任務に必要な服を買いに行くんだ」
「りょ、了解であります!」
「私服に着替えて、10分後にここにもどってくるように」
「ハイ!」

 あ!頭痛いのに、10分後なんて言っちゃった・・・「アニータ、コーヒーくれない?とっても濃いエスプレッソを」


★石垣島、暴力バー店内

 ソーニャとカテリーナは首元に大きなブローチをつけていた。富田が用意したものだ。首元ピッタリのチョーカーにCCDカメラが入ったフェイクの宝石でできたブローチだ。店内の様子が音声付きで紺野たちのハイエースの車内モニターに映し出されている。
 
 彼女たちはロシア語で話していて、二人共、日本語がわからないフリをしている。もちろん、バーの店員たちはロシア語はわからない。
 
 店に入ってきた可愛い子ちゃん二人に店員が寄ってくる。あまりうまくない英語で二人に話しかけた。「いらっしゃいませ。どちらの席になさいます?」
 
「アノ、英語ワカルンデスネ?良カッタ。私タチ、ロシア人デス。港ノロシア船カラ来マシタ。英語、少シ、喋レマス。コッチノソファー席、イイデスカ?」と向かい合いの席をソーニャが指差す。

 店員が「どうぞどうぞ」と言ってメニューを渡す。「エエット、私、ズブロッカノオン・ザ・ロックヲダブルデ下サイ。カテリーナモ?同ジモノ?ジャア、同ジ物2ツ下サイ」「何か、おつまみは?」「エエット、コノフライド・チキン下サイ」「かしこまりました」と店員がカウンターに下がっていく。カウンター内に二名、カウンター席に客とは見えない人間が一名。

 ロシア語で世間話のように「カテリーナ、入り口にカメラ1台」と入り口の方を向いたソーニャが言う。
 
「こっちは、バーカウンターの一番奥に1台。あと、バーカウンターの真ん中に1台。カウンター席とソファー席を俯瞰する位置に設置」と反対側の席のカテリーナ。
「その他にカメラはなさそうね?」
「准尉、なさそうです」
「カテリーナ、カウンターの奥が見える?」
「ハイ、奥の棚で、ケーブルが PoE給電スイッチングハブにつながっているみたいです。アンテナ付きのルーターがあります」
「CCDのパケットデータをリモートで他の場所に送っているのかな?」
「そのようですね」
「CCDのメーカー、わかる?え~っとね、こっちはパナソニック。横に書いてあるのは・・・SD6・・・WV-CP・・・あとは読めないわ」
「私の方は遠くて・・・SD6、同じ型番じゃないでしょうか?」
「IPアドレスがわかればハックできるかな?」
「セキュリティーではねつけられると思いますよ」
「じゃあ、どうしようか?」
「スイッチングハブのLANアウトとルーター間で、自給式トランスミッター付きアダプターを差し込んだらどうでしょう?気づかれないような小さな奴を」
「それは紺野さんが手配してくれるわ」
「バーの奥にドアがあります。外に通じているのかな?」
「じゃあ、そこから忍び込んで、ハブとルーターの間にトランスミッターをつければいいのかな?」
「少尉たちと相談しましょう。この薄いボタン型盗聴器、どうしましょうか?」
「カテリーナ、ガム噛んでるでしょ?そのガムでこのテーブルの裏にくっつければ?」
「了解!」

 店員が飲み物と唐揚げを持ってきた。「ごゆっくり」と薄ら笑いを浮かべて店員が立ち去る。
 
「ソーニャ、ここ『ヤクザ』って言う組織の経営なの?」
「そうよ。富田さんがそう言っていた」
「店員が笑ってたわ」
「カモが来たとでも思っているんでしょうね」
「確かに、私たち、カモに見えるかも」
「だから私たちじゃないの。アニータとスヴェトラーナはカモに見えないもの」
「ふ~ん・・・ねえねえ、広瀬二尉とうまくいってる?楽しんじゃってるんじゃない?」
「ハハ、カテリーナ、羨ましい?」
「いいなあ、私も誰か紹介してほしいな」
「カオルに聞いておく」
「ゴリラは止めてよ。チンプ程度でいいもん」
「あら!ゴリラ、いいわよぉ~」
「・・・ソーニャ、これ、音声も流れてるんだった・・・」
「あ!マズイ!・・・紺野二佐、オフレコですよぉ~」

 広瀬が紺野に向かって「二佐、変な会話流さないで下さい!」と言う。「いいから、いいから、黙ってみてなって」
 
 お勘定になった。ソーニャが「チェックオ願イシマス」と店員に言う。しばらくして店員がレシートを持ってきた。それを見てソーニャが目を見開いた。立ち上がって、店員に「88,000円ッテドウイウコトデショウカ?800ドルデスヨ!ウォッカ二杯ニフライド・チキンダケデスヨ?」と詰め寄る。
 
 店員はソーニャに顔を近づけて「お嬢ちゃん、それがウチの請求だよ」「コンナ大金、持ッテイマセン!」「クレジットカードはないのかよ?」「ソンナノ、モッテナイモン!」「じゃあ、体で払ってもらおうじゃないか?」と言って、ソーニャの胸ぐらをつかもうとする。

 広瀬が紺野に向かって「二佐、言ったとおりじゃないですか!危ないって!紺野二佐、こいつら暴力団ですよ。沖縄旭琉会系が経営するバーなんでしょ?俺、助けに・・・」と言う。「そうよ、暴力バー、ぼったくりバーよ。うるさいなあ。黙って座って、モニターを見ろよ」 
 
 広瀬がモニターを見ると店員がソーニャの足元にうずくまっている。ソーニャは仰向けになっていて、身を起こそうとしている。「え?何が?」「広瀬がモニターを見てないからだよ。ソーニャが仰向けでひっくり返るフリをして、偶然に見せて、店員の股間を蹴ったんだ」「ええ?」
 
 他の店員がトラブルを察知して駆け寄ってくる。カテリーナが席の脇の床に伏せて丸まってうずくまる。避けきれずカテリーナに店員がつまずいて、股間を蹴られた店員に覆いかぶさる。
 
 カテリーナはソーニャの手をとって、起こして、すばやく店を飛び出した。左手に走って角を曲がる。黒のハイエースの後部ドアが開いて、二人が飛び込む。すぐに発進した。
 
「ソーニャ、大丈夫?怪我はない?」と広瀬がソーニャに抱きつく。「カオル、なんでもないから、みんなの前で抱きつかないで。恥ずかしいでしょ?」と身を振りほどく。

「まったく、連れてくるんじゃなかったよ。うるさいったらありゃしない。ナイフとかガンを出されたわけでもなし、素手だったら、この子たちはあんなチンピラ、すぐのしちゃうよ。ねえ、アニータ、スヴェトラーナ?」

「まあ、うまくできたわね。自然に仰向けに倒れて、つま先で股間を蹴り上げて。意識してやったとは思われないわよ。カテリーナもとっさにうずくまるなんて、良い技だったわ。ピッタリと店員がつんのめる間と位置で決めたわね」と平然とスヴェトラーナが言った。

 アニータが「あの店員、可哀想に。ソーニャのつま先がかなり食い込んだから、しばらく、エッチできないわねえ。玉、潰れてなければいいけど。だけど、私とスヴェトラーナの出る幕がないじゃない。つまんないわね」と広瀬に言った。
 
 広瀬がアニータに「少尉!あんなことをソーニャに教えたんですか?俺のソーニャに!」「あら、教えてないわよ。自習でもしたんじゃないの?広瀬もこれから股間にプロテクターでもつけないと、あなたの子猫ちゃんと喧嘩したら狙われるわよ」とニヤリとして言う。
 
「さあ、もう一軒、同じような店があるから回ってみましょう」と紺野。「え?まだあるんですか?もういいでしょう?」と広瀬。「ソーニャ准尉、この捜査妨害のキミのダーリンを黙らせて!」「カオル!いい加減にして!これは任務なのよ!」

 ブツブツ言う広瀬だったが、次の店は客もいて、ぼったくりもなく、普通に偵察は完了した。
 
 翌日の早朝3時、アニータとソーニャ、スヴェトラーナとカテリーナが黒のレオタードにバラクラバ帽という出で立ちで、二軒の店に侵入。カテリーナが思いついた自給式トランスミッター付きアダプターをスイッチングハブのLANアウトとルーター間に装着した。30秒。その程度の信号の途絶は、パケットデータの再送信で相手には気づかれない。広瀬には内緒にしておいた。うるさくて仕方がないのだ。

★バーでの工作員と左翼活動家、市議会議員の密談

 翌日、富田に一同は呼び出されて、富田の借りている市内のウィークリーマンションに行った。広瀬は自分を抜きにしてソーニャがバーに忍び込んだのをまだブツブツ言っている。
 
 富田が部屋に備え付けの43インチテレビにHDMIケーブルでパソコンを接続、トランスミッターで転送されたバーのCCDカメラの映像を一同に見せた。「こんなに早くこいつらの動きが察知できるとは思いませんでしたよ。しかし、無防備ですな。日本の警察が何もしないとでも思っているんでしょうかね?」と言う。
 
 テレビに映し出された映像を富田が解説する。「このカウンターの男は石垣島の市会議員Sです。左翼系野党の人間。相手は台湾国籍で、正体は解放軍の工作員の陳。たわけたことを話してますね。非戦力、無抵抗の島の実現なんだそうです。日本国土を売り渡すに等しい。え~っと」とパソコンを操作して別の場面を見せる。「こっちは陳と元革マルの活動家のH。石垣島の農家を買って農業をしているとしてますが、実は大麻の栽培をしている。このHと陳が、解放軍の石垣島侵攻と呼応して、両少尉が見つけた対戦車ロケットランチャーで陸自駐屯地を攻撃する手筈を相談しています。ああいう兵器を隠した納屋があと三ヶ所発見されました。ランチャーは30基以上あります。それから、マシンガン、拳銃などの携行兵器も準備しています。ほぼこいつら一味の人員は判明しました。二十三名。さあって、どうしましょうか?」
アニータ少尉のオキナワ作戦(5)、石垣島へⅡ

「ただ単に武器を押収して、逮捕しただけじゃあ、自分の信じたいことを信じる輩、バカなマスコミは、すぐ政府による陰謀だとか、人権だとかいい出すだろう。中国だって知らぬ存ぜぬで、ローカルニュースになってしまう。かといって、この映像を政府が公開するわけにもいかない。もしも、政府が公開したって、効果は薄い。そうだねえ、ちょっとした案があるんだが・・・」と紺野が説明した。「ああ、その案、いいですね!それが放映された頃合いを見計らって、こちらも一斉検挙をかけて相乗効果を狙えます」と富田。

 アニータ、スヴェトラーナ両少尉、ソーニャ、カテリーナは、ロシア連邦のやり口に慣れているので、紺野の案をすんなり納得した。

 広瀬は「そういう情報操作はやっていいんですか?」と不満顔だ。「だって、広瀬、現に隠匿兵器の存在があり、この映像があるんだ。でっち上げでも事実の捻じ曲げでもないんだよ。ただ、公開方法をひと工夫するだけだよ」と紺野。「う~ん、小官の任務外の話なんでなんとも言えませんが・・・」

★卜井・藤田・佐々木、ペレスヴェート

 卜井と藤田、佐々木が、ペレスヴェートとオスリャービャの石垣島滞在延長のニュースを聞きつけて、取材しにペレスヴェートのアニータ少尉の元を訪問した。
 
 艦の会議室で佐々木他クルーが撮影している。「二週間、ここに滞在するってことですか?」と卜井がアニータに聞く。「ええ、せっかくだから、島民の方々に艦内を公開したり、交流会を開こうと思ってます。これ、ウラジオからの案で、日本政府も歓迎してくれてます」「それはいい!いいネタですよ。局も喜びます。日程が決まればお教え下さい」「もちろん、卜井さんたちに真っ先に!」「ありがとう。佐渡ヶ島からの縁ですからね。うれしい!」「こちらも東ロシア共和国の宣伝になりますもの。願ったり叶ったりですわ」
 
 取材クルー一同はタラップを降りて下船する。タラップの警備はカテリーナが担当していた。佐々木が彼女を見つけて「カテリーナ伍長、今日もお仕事?退屈じゃない?」と彼女に言う。「佐々木さん!任務ですので!」「大変ね、こういう警備も。直立不動で長時間いるなんて・・・今度、非番、いつ?食事に行こうよ。奢っちゃうから」「え~、いいんですか?明日午前中なら非番ですけど・・・」「いいわよ、食事してショッピングしようよ。お昼にお寿司、食べない?」「お寿司ですか!ありがとうございます」「じゃあ、明日、9時くらい?迎えにくるわね」
 
 佐々木が卜井たちを追って立ち去ろうとした。「あ、佐々木さん、これ、落ちましたよ」とカテリーナが佐々木を呼び止めて、手渡す。佐々木はUSBメモリーらしきものを見て、あれ?誰か落としたかな?と何気なくポケットに入れてしまった。「カテリーナ、ありがとう。じゃあ、明日ね」と手を振ってクルーを追った。
 
 取材クルーは二軒、家を借りていた。コロナの影響で観光客が来ないために、こういう貸家があちこちにあるのだ。卜井と藤田、佐々木と他の三人で別々に借りた。むろん、三人のクルーは卜井たちの事情は知っている。
 
 卜井たちの借家は東京の芸能人の持ち物で、3LDK、庭には小さなプール付きだ。三人とも家に帰ったので、ラフな服に着替えている。卜井と佐々木はタンクトップにホットパンツ。二人共ブラなしだ。藤田はバミューダにTシャツ。
 
 藤田がソファーに座っていて、佐々木を抱き寄せた。「まだ、ぼくはこの状態に慣れてないんだよなあ」と佐々木の胸を揉みながら藤田が言う。佐々木が喘いで彼にキスをする。「まったく、あんたたち、帰ってそうそう、もうするの?」と卜井。

「だって、藤田が抱き寄せるから・・・」と佐々木。「あんたは私たちの養子なんですからね?養子の女が養父にそういうことを妻の前でするわけ?」と卜井。

「あら、卜井さん、鼻をふくらませてどうされました?私と藤田がすると、すぐ興奮するんだから」「フフフ、こういうのが日常というのが楽しいわ。みんな、一夫一婦制でどう満足してるのかしらね?妻二人だと浮気が浮気じゃなくなって、それに私は佐々木も相手にできる。このシステム、いいわ。気に入ってる」「ぼくはまだ慣れてないよ、卜井」「藤田、バミューダの前を思いっきり大きくさせて、説得力がないわよ」

「まったく、佐々木も佐々木よ。まだ、処女卒業して、数週間でしょ?それが今じゃあ娼婦になっちゃって、清楚な背の高い眼鏡っ娘はどこに行ってしまったのよ?」と卜井がL字ソファーの彼らの横に座って、ホットパンツを脱ぎだす。「こういうの見てるとガマンできないわ」と藤田のバミューダを剥ぎ取った。「私もいただいちゃおうかな?」「あ!卜井さん、先に咥えちゃうの?」「佐々木が上半身なら、私は下半身をもらうもん」三人は相手を変えながら、一時間ほど淫らなことをした。

★動画

 ホットパンツを履き、取材の時のズボンを畳んでいて、佐々木がポケットの膨らみに気づいた。「そうだ、そうだ。カテリーナがタラップを降りる時に」と絡み合っている卜井と藤田にUSBを見せる。「これが落ちてるって渡してくれたんだ。誰のだろ?」「私のじゃないわ」「ぼくのでもない」
 
 佐々木がパソコンを立ち上げて、パソコンにメモリーをさした。ウィルスチェックをして、メモリーのアカウントを確認するが、何もデータはない。持ち主不明。ファイルマネージャーで内容をチェックすると、MP4のファイルが12個入っている。タイムスタンプがファイル名になっている。時刻は一昨日と昨日の夜。
 
 あれ?動画ファイル?と佐々木は思って、一番古いファイルをクリックした。メディアプレーヤーが立ち上がり、再生がスタートする。これ、何?動画には、バーの風景が映っていた。音声が小さい。ボリュームを上げる。あれ?この人、取材した市議会議員じゃなかったかしら?え?非戦力、無抵抗の島の実現って何?
 
 別のファイルを立ち上げる。そこには大麻栽培が疑われている活動家が映っている。議員と話し込んでいた男と話している。やはり、音声が小さい。でも、ところどころで、陸自駐屯地とかロケットランチャーとかの単語はわかる。音声をテキスト起こししないと詳細はわからないが、この動画、ヤバいんじゃないの?
 
「ちょっと、ちょっと、卜井、藤田さん、この動画、見てよ」
「何よ?ポルノでも出てきたの?まだ私の番だからね。藤田、もっと奥!こねて!」
「二人共、そんなことをしている場合じゃないわよ!動画が入ってるけど、ヤバいやつよ!陸自駐屯地にロケットランチャーで攻撃をかけるっていうテロ行為の密談なのよ、これ!」
「え?何だって?」と卜井と藤田は体を離した。「なんでそんなものが?カテリーナが落ちているのを見つけたんだろ?岸壁になんでそんなのが落ちてるのさ?本物?」

「だって、この前取材した議員とか、大麻栽培が疑われている農園の持ち主とか、本物だと思うわ」

 三人は、あわてて、動画音声の文字起こしをした。集中しないと聞き取れなかったが、内容は、無抵抗で中国軍の上陸を許すとか、数日後に駐屯地を攻撃するとかの内容だった。
 
「これ、東京の局に連絡するわよ。こんなとんでもないもの、相談しないと。佐々木、カテリーナにどこで拾ったのか聞いてみてよ」「明日、朝9時に食事しようよって誘ってあるわ!」「それで聞いてみて・・・まさか、自衛隊の人間が落としたもんじゃないわよね?私と藤田は、自衛隊の石垣出張所の広瀬二尉とかに聞いてみる!」

前回の話(6)
次回の話(8)


島崎藤村 - 椰子の実

島崎藤村作詞・大中寅二作曲

名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ

故郷(ふるさと)の岸を 離れて
汝(なれ)はそも 波に幾月(いくつき)

旧(もと)の木は 生(お)いや茂れる
枝はなお 影をやなせる

われもまた 渚(なぎさ)を枕
孤身(ひとりみ)の 浮寝(うきね)の旅ぞ

実をとりて 胸にあつれば
新(あらた)なり 流離(りゅうり)の憂(うれい)

海の日の 沈むを見れば
激(たぎ)り落つ 異郷(いきょう)の涙

思いやる 八重(やえ)の汐々(しおじお)
いずれの日にか 国に帰らん


マガジン『エレーナ少佐のサドガシマ作戦』


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