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Amu
2024年8月8日 10:49
「ちぎれ雲」ふたえ重なり伸びゆく影法師途切れた音に溢れるしずく見あげる青には忘れた頃のその名残のようなちぎれた雲に吹かんすな……迷い子ごとく差しだす右の手腫らす涙は赤子のようで遠い夏、あぐんだ風を此処にあつめて
2024年8月6日 21:17
「旅のおわり」夜にとける既の強がりがふわり音に寝転んで流れはじめた見失いそうになった月あかり雲の隙間から溢れ落ちる悪戯好きな星くずの吐息に擽って降り始めた雨に満たされていた古より聴こゆ懐かしい痛み幾度となく繰り返してきたはずの旅のおわり、ため息を閉じこめた時の欠片
2024年8月3日 16:48
「夏まつり」ゆらゆらと游ぐ金魚すくいの空まるで笑顔みたいなまん丸の瞳に僕は釘付けになってしまったお姫様をさがしているんだ鼻歌まじりなあの頃のお喋りおおきな空にちいさな波がたつとおくに聴こえる祭囃子が子守唄のように気泡に溶けた僕なら此処にいるよ精一杯に伸ばした指さき真夏の夜に向かってまっすぐな……
2024年8月1日 19:37
「尽きんもの」遠まわりを選んだリアスな潮風嘘みたいな本当の話の横顔は心なしか、いつもの其れとは違ってみえた繋ぎあわせて君がみつめる空を創りあげる其処に輝く星たちを想像しながらたった一枚手もとに残された古い写真消えることのない海の記憶と尽きること、それを知らないあの頃の俤ゆれて
2024年7月11日 17:05
「微睡みに繋いで」何もない空に朝がやってくる瞳のまえに広がるきっと淡いであろう赤子のみどり産声をあげたひかりの匂いそれは素足の心にくすぐったいを教えてくれる背から絡みつくまるでカフェモカのような温もりと何もないはずの空に手を伸ばす微睡み……昨日より、きょう今日よりも明日なんだって違うよ深い眠りにつく前に僕たちは誰よりも何よりも、ふたり
2024年7月9日 09:27
「そして、君へと。」ひとつ、ふたつ……見あげる夜空に終わりゆく星と透明な瞳をもつ少年の背中ひとつ、また ひとつ……雨粒の代わりに拾いあげた小さな正義をポケットにしまって膨らんだ拳から溢れる涙はきみの宝物へと流れていくからほら、大丈夫真昼の空には消えない星がある
2024年7月2日 08:41
「ひとつぼし」君を独りにはしないから空にまだ星が遊んでいた存在意義を失くした僕と見失いそうに立ち尽くす君と決して、君を……あの日の君がそう言って空を見上げていた
2024年6月30日 21:43
「君、物語」天色に紛れこんだ優しい嘘みなみの海に眠る桜の貝殻は遠いお空をみはるかす囲った想いの水面に触れてくるりくるりと左にまわす心を軸にしたならばゆるり愛おしさが弧をえがく君の声が聴きたいんだどんな物語だって構いはしない君の声が、聴きたいんだ……
2024年6月21日 13:11
「君だけに見える景色」奪われゆく視界に想いめぐるつたい歩きが空に舞うとき零れ落ちたサヨナラはせめて君に掬い上げて欲しいととても優しいひとだったとても愉しいひとだった誰よりも弱さを教えてくれるとても強いひとだった奪われゆく視界に君がゆれるつたい歩き、その先にある景色を君だけは知っているのだろうか
2024年6月15日 12:45
「Ka'pilina」蹴破られた扉の向こう側弱さの中にある強さの意味を知る甘くて苦いひかり白く激しくメザメルト消えていく黒の記憶たち愛してると触れる指先永遠を意味するマウロアのくちづけ心地よく