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この本いいよ!

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これまで私がnoteに投稿した読書感想記事をまとめたマガジンです。本選びの参考になればいいなと思います。
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2023年2月の記事一覧

図書館で借りた喫茶店本:喫茶チェーン観察帖

図書館で借りた喫茶店本:喫茶チェーン観察帖

図書館で借りてきた『喫茶チェーン観察帖』という本を読みました!以前読んだ『喫茶の効用』の著者・飯塚めりさんの本です。

この本の大きな特徴は、各地にあるチェーンの喫茶店・カフェに注目した内容となっているところです。個人経営のお店を紹介した本は数多くありますが、チェーン店にこだわった本は初めて見たので読んでみました。

スタバ、タリーズ、ドトール、コメダと超有名どころから、この本で初めて知ったチェー

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ユーモラスな神様と「なりたい自分」を目指す!(青山美智子:『ただいま神様当番』)

ユーモラスな神様と「なりたい自分」を目指す!(青山美智子:『ただいま神様当番』)

先日読んだ青山美智子さんの『お探しものは図書室まで』という作品が凄く面白かったので、2冊目に『ただいま神様当番』という作品を読んでみました!

幸せな自分になりたいと願う咲良。
わんぱくな弟に手を焼いている千帆。
「リア充」に憧れる直樹。
日本語の奥深さに苦戦するリチャード。
社員が思い通りに動かないことに頭を抱える福永社長。

坂下バス停に毎朝並ぶ年齢も性別も異なる5人。今作ではその5人が「神様

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「選択」をしないと学べないこともあると思う

「選択」をしないと学べないこともあると思う

今の世の中って、想像以上に「選択」を強いられる場面ばかりだと思います。そして自分にとっての「正しい」が判断できず、世間一般や身近な他人の意見に流されてしまう場面も多いように感じます。

更にはここ数年の間でも、「価値観」というものは目まぐるしく変化し、昨日までの当たり前が今日からは当たり前ではなくなっている…なんてことも増えています。

日々変化していく価値観・考えに流されないために、「自分で選択

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「身代わり」として生まれた存在が、「本当の自分」に出会う物語(榛名丼:『レプリカだって、恋をする。』)

「身代わり」として生まれた存在が、「本当の自分」に出会う物語(榛名丼:『レプリカだって、恋をする。』)

榛名丼さんの『レプリカだって、恋をする。』(電撃文庫)というラノベを読みました!

素直は、幼少期から「レプリカ」と呼んでいるもう1人の自分を生み出すことができます。レプリカを利用し、嫌なことから逃げる日々を過ごす素直ですが、そのレプリカ「ナオ」にもひとりの人間としての感情があります。今作はレプリカのナオの視点で、学校生活や恋愛が描かれていきます。

文芸部で一緒になった真田くんへの恋を通して、素

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結界師の一輪華シリーズが面白い

結界師の一輪華シリーズが面白い

クレハさんのライト文芸シリーズ『結界師の一輪華』(角川文庫)がなかなかに面白いです。最近2巻を読了したので、この機会にアウトプットも兼ねて、シリーズへの思いを書いてみようと思います。

双子の姉と比べられ、「落ちこぼれ」扱いされている主人公・華。実は、華には周りに隠している凄い力があり、その力を強力な術師である朔に認めてもらったこと(そして彼から猛烈に愛されたこと)によって成長していく…といったシ

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好きな色を纏って、「本当の自分」を目指す(丸井とまと『さよなら、灰色の世界』)

好きな色を纏って、「本当の自分」を目指す(丸井とまと『さよなら、灰色の世界』)

丸井とまとさんの『さよなら、灰色の世界』(スターツ出版文庫)という作品を読みました!

読んだことのない青春小説を求めて本屋を見ていたところ、今作のきらめきのあるカバーイラストが目に入り、思わず手にしてしまいました。

今作は「自分らしさ」や身近な人間関係に悩む主人公が、アルバイト先での意外な出会いを通して、悩みを乗り越えていく様子が描かれました。

私は、今作の「先入観」や「思い込み」に対する描

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仕事と自分の命、どちらが大切ですか?(北川恵海:『ちょっと今から仕事やめてくる』)

仕事と自分の命、どちらが大切ですか?(北川恵海:『ちょっと今から仕事やめてくる』)

北川恵海さんの『ちょっと今から仕事やめてくる』(メディアワークス文庫)という作品を読みました。

今作では、超ブラック企業で働く主人公・隆が仕事に疲れて死のうとしていたところを「ヤマモト」という謎の男性に救われ、人生を変えていく様子が描かれました。

職場でのパワハラ、残業は当たり前、休日があっても疲れがとれない、日曜日の夜は明日からの仕事が憂鬱になるetc…

隆の過酷な日常は、私の経験や少し前

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何も起こらない日常が1番幸せ(鳩見すた:『種もしかけもない暮らし』)

何も起こらない日常が1番幸せ(鳩見すた:『種もしかけもない暮らし』)

鳩見すたさんの『種もしかけもない暮らし』(メディアワークス文庫)という作品を読みました!

今作は、マジシャン姉妹のいずみさんとちずさんの日常での些細な出来事を描いた物語となっていました。姉妹がなんでもない話をしたり、美味しい物を食べたりする(そしてカロリーを気にする)だけの話ですが、これはこれで凄く面白い!

姉妹にも仕事や恋愛で辛い時もあるそうですが、それでもちょっとした幸せを見つけては、楽し

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