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【ABA】応用行動分析を日常生活で使ってみよう

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認定行動分析士(BCBA)の著者が、ABA理論を日々の生活の中で役立てる方法やABAを使って問題を解決する方法を紹介します。
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#感覚

子どものかんしゃくに隠れた原因を解明: 感覚処理の問題

子どものかんしゃくに隠れた原因を解明: 感覚処理の問題

はじめに

感覚処理の問題とは?感覚処理とは、脳が視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、運動などの感覚刺激を理解し、反応する複雑なメカニズムのことです。感覚処理の問題は、感覚処理障害(SPD)とも呼ばれ、感覚を処理するプロセスがうまく働かない時に起こります。要するに、子どもの感覚処理システムが特定の刺激に過敏になったり、他の刺激には鈍感になったりするのです。

五感+二感
通常、感覚処理には7つの主要な感

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新生児の感覚発達:応用行動分析学(ABA)からの洞察

新生児の感覚発達:応用行動分析学(ABA)からの洞察

この記事の概要応用行動分析学(ABA)のレンズを通して、新生児が生得的な感覚をどのように活用し、環境や保育者とどのように相互作用しているのか、その複雑なメカニズムを掘り下げていきます。正の強化と負の強化がどのように赤ちゃんの反応を導くかを探り、親子の愛着の基礎を形成する強化子と古典的条件付けについて論じます。さらに、感覚処理の問題を抱えた子供を育てる時に直面する課題について論じ、早期介入と支援の必

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【切り替え1】なんで次の活動に切り替えられないの? 理論編

【切り替え1】なんで次の活動に切り替えられないの? 理論編

人間は環境の変化を嫌うもの人間は習慣の生き物です。
子供であろうが、障害があろうがなかろうが、私たちは日常生活のルーティンや環境の変化に対して抵抗を感じることがあります。

例えば、新しい仕事や学校に慣れるまで時間がかかります。また、面白いゲームやビデオを見ている途中に、仕事や勉強に戻らなければならないのも辛いことです。

切り替えが難しい理由3選このように次の活動への切り替えが難しい主要な理由は

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なんでも口に入れる子ども

なんでも口に入れる子ども

なぜ赤ちゃんは、なんでも口に入れるの?

赤ちゃんが何でも口に入れるのは、世界を探索するための発達過程の一部です。赤ちゃんの口は非常に敏感で、目や手に比べてより多くの感覚情報を集めることができるのです。

生後4~6ヵ月:ものをつかんで、口に運べるようになる

生後4~6ヵ月ごろになると、手の協調運動と筋力が発達し、手で物をつかんで口に運び、探索することができるようになります。この行動によって、赤

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子供の発達と感覚処理能力の発達 part 1

子供の発達と感覚処理能力の発達 part 1

記事の概要このブログ記事の概要は、子育てに悩む保護者や保育士、幼稚園教諭に向けたもので、感覚処理能力に焦点を当てています。記事は2部に分かれ、Part 1では赤ちゃんや子供の感覚処理能力とその発達プロセスを詳しく説明し、Part 2では感覚処理の問題を持つ子供と通常の子供の行動や特徴の違いを比較し、適切なケアについて言及しています。感覚処理能力が子供の健全な発達と幸福にどれほど影響を与えるかに焦点

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子どもの言葉の遅れチェック#1:赤ちゃんは、見たり、聞いたり、感じたりすることに反応しますか?

子どもの言葉の遅れチェック#1:赤ちゃんは、見たり、聞いたり、感じたりすることに反応しますか?

子どもが言葉を発するまでに身につけなければならない11のスキルのうち、1番最初のスキルは、
「自分の周りで起こっていることに一貫して反応できること」
です。これが最初のスタート地点です。

このスキルは、身につけるというより、
「生まれながらに持っているスキル」
と言えるでしょう。
あかちゃんは、自分が見たり、聞いたり、感じたりしたことに一貫して反応します。反応することは、これから人とコミュニケー

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