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ドイツこぼれ話

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歴史から文化、ライフスタイルまで、ドイツを探る新しい視点をお届け
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#海外生活

サッカードイツ代表の新ユニフォームデザインがドイツで炎上した件

サッカードイツ代表の新ユニフォームデザインがドイツで炎上した件

批判を受けた新ユニフォームの改めて変更されたデザインが昨日お目見えした。
ここ最近、アディダスが手がけたドイツ代表の新ユニフォームがドイツで問題視されていたので注目度は高かったと思う。
事のはじまりはアディダスのオンラインストアで、ユニフォームに誰でも好きな背番号と名前を入力してオーダーできるというサービスだ。
それは44という番号を選んだ時に起きた。

このルーン文字によって表された44がSSと

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ドイツでの日本のマンガ/アニメの立ち位置

ドイツでの日本のマンガ/アニメの立ち位置

10年ほど前まで、日本のアニメやマンガは海外のオタクたちに大きな影響を与え、熱狂的なファンを生み出していた。
しかしそのブームは時間の経過ととも過ぎ去ったように感じる。
ドイツにいて感じるのは、今や日本のアニメやマンガ文化は流行りを越えて若者たち全体に定着し、日常生活の一部となっているということだ。

私の職場には20代前半までの若い子たちが多くいるけど、彼らはオタクでもないし、日本文化に興味があ

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ドイツの公共交通機関:常態化するストライキとその背景

ドイツの公共交通機関:常態化するストライキとその背景

ドイツは最近ストライキ祭りである。
国鉄と私鉄の2種類があり、交互にストライキを起こしているのでほぼ毎週どちらかが使えない。

ストライキを起こす理由はその時によって様々で、最近起きた際の理由は労働時間の短縮、12時間の休息要請や休日手当ての増額など⋯⋯。

彼らがよく起こすのがWarnstreik(警告ストライキ)という種類のもの。労働条件改善の話し合いをする前に、企業側に対し「こっちはやる気だ

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お墓参りをするためだけの場所ではないドイツ墓地

お墓参りをするためだけの場所ではないドイツ墓地

ドイツ人旦那につられて、こっちに来てからよく散歩するようになった。ドイツ人は散歩が好き。行き先は近所の川辺だったり公園だったり森の中だったり、驚いたのは墓地でも散歩をするという事。

最初知った時は〝それ大丈夫なの?〟と思ったけど、実際に訪れてみてその考えはなくなった。こっちの墓地は日本のと雰囲気が随分違う。自然と寄り添っている閑静な場所だ。

一般的に散歩okなんだけど、場所が場所なだけに、勿論

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ドイツで乗車券検査員に捕まった話

ドイツで乗車券検査員に捕まった話

ドイツの鉄道では改札がない。
簡単にキセルが出来てしまう環境のため、検査員が抜き打ちチェックで時々乗り込んで来る。

これまで3回捕まった。
定期が入っている財布を家に忘れた時に限って奴らはやって来る。

今回はチケットを持っていない状態で検査員に見つかったらどうなるか、以下に書く。

無賃乗車がバレると次の駅で降りるように指示され、身分証の提示を求められる。

これは3回目の話になるけど、全部財

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言葉の間の静寂:ドイツ人にとっての相槌の意味

言葉の間の静寂:ドイツ人にとっての相槌の意味

ドイツ人のコミュニケーションスタイルの一つに、相槌が極端に少ないことが挙げられる。
この習慣に初めは戸惑いを感じた。
彼らは基本的に相槌を打たないため、自分がドイツ語で話しているときに、相手が理解しているのかよく不安になったものだ。

対面であれば相手の表情や仕草から、「理解している/していない」を推測できるが、電話で話す時はそのような手がかりがない。
要件を伝えても、電話口の相手は何の反応も示さ

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近々ドイツで大麻が吸えるようになる

近々ドイツで大麻が吸えるようになる

再来月からドイツで大麻が合法化される予定だ。
⋯⋯まぁ合法化される前から大麻を吸っている光景を当たり前に見かけるけど⋯⋯。

日常茶飯事なのでドイツに来てから大麻の存在が身近になり、解像度も上がった。
日本にいた時は大麻=ドラッグという認識で、人生を終わらせる代物というと言うイメージだったが、大麻はドラッグとは別物らしい。
大麻は紙タバコに巻いて吸い、ハイになるのではなく、だら〜っとリラックスした

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ドイツの病欠事情:柔軟性と悪用の間で

ドイツの病欠事情:柔軟性と悪用の間で

うちの職場では、体調不良になったらほとんどの人がすぐに休む。この点は日本とは異なり、ありがたいにはありがたい。

しかし「体調不良なので休みます」と言って済む訳ではない。

職場の規定によるが、うちの場合、1日でも病欠する場合は医師の診断書が必要になる。
まぁこっちの医師は、例え軽いカゼでも最低3日の安静を必要とする診断書を出すけど。

これを受け取り、写真で撮って上司に提出する。
これでやり取り

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ドイツの女性専用駐車場:安全と配慮の象徴

ドイツの女性専用駐車場:安全と配慮の象徴

ドイツの一部の駐車場には、女性専用の駐車エリアというものがある。
特に地下駐車場や立体駐車場でよく見かける。この存在理由は、女性が暴力や性的暴行から身を守るため、不安を和らげるために設けられている。

女性専用駐車場は、出口付近や明るい場所、防犯カメラの撮影エリアなど、女性の安全と安心を最優先に考えて配置されている。
その効果は大きく、女性が駐車場を利用する際のストレスや不安を軽減し、日常生活の中

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煙突掃除夫:ドイツの幸運を象徴する職業の意味

煙突掃除夫:ドイツの幸運を象徴する職業の意味

幸せになれるというラッキーモチーフといえば代表的なのは四つ葉のクローバーや青い鳥が挙げられる。しかしここドイツでは煙突掃除夫もまたそこに名前を連ねる。

そもそも煙突掃除夫とは何なのか。
名前の通りただ煙突を掃除するだけなのか。

ラッキーモチーフとして数えられている理由を語る前に、まず彼らの基本的な情報、仕事内容を簡単に書いていこうと思う。

ドイツには7,500の事業所があり20,000人の煙

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バレンタインの国際比較・日本の輝きとドイツの静けさ

バレンタインの国際比較・日本の輝きとドイツの静けさ

ドイツのバレンタインは、男性がパートナーに花とちょっとしたプレゼントを贈る。
ドイツの製菓業界も何か仕掛けてきてくれれば良いものの、そんな動きは、ない。
そうなると日本のバレンタインがキラキラとした思い出として思い起こされる。

当日が近づくとメディアやSNSで盛り上がる。
特にデパートのチョコレートフェアは毎年楽しみだった。催事場に足を踏み入れると、さまざまなチョコレートが並び、「宝石箱やぁ〜!

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ドイツ人と日本人間のコミュニケーションは相性が悪い

ドイツ人と日本人間のコミュニケーションは相性が悪い

ドイツ近隣諸国からすると、ドイツ人の直接的でキツい言い回しは有名だ。この異なるコミュニケーションスタイルには、お互いの文化に根差した理由が存在する。

なぜドイツ人の言い回しがストレートでキツイのかと言えば、彼らには言外の意味を理解するための察する能力が低いからだ。
この図を見てほしい。

ローコンテクストの言語であるドイツ語は、要は一から十まで言わなければ伝わらない。彼らは回りくどい言葉遣いをせ

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日本との対比・ドイツの仕事文化に見る「楽しむことの重要性」

日本との対比・ドイツの仕事文化に見る「楽しむことの重要性」

仕事が嫌いだ。この感覚は日本にいても同じだった。職場に向かう電車の中で「労働はいやだ⋯」「宝くじあたらないかな⋯」と弱音を吐く毎日。あくまで生きていくお金を稼ぐ為に働いていた。

そんな精神性だったので、ドイツに来て驚いた事の一つが「楽しんだ?」だった。
ドイツにはProbetag、もしくはProbezeitと呼ばれる試用期間がある。
期間の長さは職種によって違うだろうけど、私の場合、とりあえず半

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東西ドイツの対立・長年親しまれているマスコット、サンドマンの色ある過去

東西ドイツの対立・長年親しまれているマスコット、サンドマンの色ある過去

赤い服に身を包みつぶらな瞳のサンドマン。
ドイツ人ならば誰でも知っているこのキャラクターは、夜7時前に流れる子ども番組に出演し、心地よい夢を見せる存在として慕われている。
かつてはテレビにサンドマンが登場すれば、子供たちはそろそろおやすみの時間と、ベッドに入るきっかけとなっていた。

59年から現在まで、サンドマンはドイツの子供たちに愛され続けているが、その歴史には諜報活動の一幕があった。

ドイ

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