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エッセイ・コラム

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2022年11月の記事一覧

小田和正も玉置浩二も杉山清貴もすごいのだが、「カリスマ」は尾崎豊だと思う

小田和正も玉置浩二も杉山清貴もすごいのだが、「カリスマ」は尾崎豊だと思う

「カリスマ」という言葉がある。
これは普通の人にはない才能を有したようなすごいひとを指す言葉だ。

音楽の世界を見渡した時、一個人としては小田和正とか財津和夫とか杉山清貴とか尾崎紀世彦とか玉置浩二とかいろいろすごいひとはいると思っているのだが、いずれも「カリスマ」かといわれると素直に首肯できない自分がいる。

では音楽における「カリスマ」は誰かと問われたら、私は尾崎豊の名をあげたい。

言わずと知

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子供、無情すぎ問題

子供、無情すぎ問題

先日たまたまABEMAで「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」を見ることがあった。2001年の作品なので、見たのは20年以上前だ。懐かしいなと思いながらしばらく見ていた。

子供向けの作品ではあるけれども、大人になってから見ても十二分に通用する名作だ。

「過去を生きる大人たち」と「未来を生きたい子供たち」の対比が極めて秀逸だ。「懐かしいにおい」に引き寄せられ、安心できる変わ

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みんなが求める「かわいい」じゃなく自分だけの”かわいい”を作ろう

みんなが求める「かわいい」じゃなく自分だけの”かわいい”を作ろう

この世界では「かわいい」女性は不当に利益を得ている。
「『かわいい』から」という理由で何かと得なことがこの世界は多すぎる。

例えば何かいたずらをしても、
「まあ『かわいい』から仕方ない」
とか、そのいたずらを叱ったりしてそいつが泣けば
「まあ『かわいい』から許そう」
とかいう話になる。

残念だがブスだとそうはいかない。いたずらをしようものなら、泣こうが喚こうがお叱りを受けるしか道はない。
それ

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11月20日は「ピザの日」ではなくて――

11月20日は「ピザの日」ではなくて――

日本記念日協会なるものがある。

きょう、11月20日は「ピザの日」らしい。
同協会によるとほかにも
メンズ脱毛を応援する日
信州ワインブレッドの日
シチューライスの日
タブレット通信教育の日
多肉植物の日
イイツーキンの日
毛布の日
組織風土の日
発芽大豆の日
いいかんぶつの日
発芽野菜の日

も11月20日なのだという。「毎日がスペシャル」なんて歌詞があったが本当にそのとおりである。

ただ

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力への意志を持つか、弱き奴隷として生きるか

力への意志を持つか、弱き奴隷として生きるか

村上龍のファンである会社の同僚から言われて紹介されたのが「愛と幻想のファシズム」という作品だった。ざっくりいうと「我々は弱い人間に搾取されている。力のある人間が生き残っていく世界を実現していこう」とする団体が暗躍するという作品だ。

自己を超越して成長しようとする意志である「力への意志」という言葉を残したのは二-チェだったが、まさに人間の根本にある力への意志がいかなるものかを感じるのである。その力

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ともだちの背中はもう手に届かぬほど遠く

ともだちの背中はもう手に届かぬほど遠く

人はだいたい幼稚園や小学校に入ると、そのうちともだちができる。
当時は何も気にせずワイワイと遊ぶだけの間柄だ。
時に勉強なんかで張り合う瞬間もあるけれども、それでもお互いできることや能力にそんなに大きな差はない。

いつまでもともだちは自分と同じように育ち、そして変わらぬ「横並び」の人生を歩んで楽しく笑える日がやってくるのだと、幼いころには信じてやまなかった。

曲がりなりにも大人になってみると、

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齋藤健さんが法務大臣になったので「『三十年』~大和民族の遺伝子~」を引っ張り出して読んだ

齋藤健さんが法務大臣になったので「『三十年』~大和民族の遺伝子~」を引っ張り出して読んだ

葉梨法務大臣がお手本のような失言をして更迭されたことを受けて、以前お話を伺ったことのある齋藤健衆院議員が法務大臣になられた。
実は齋藤さんは「『三十年』~大和民族の遺伝子~」という小さな冊子を書かれている。この際なので少し引っ張り出して読んでみた。

30年という長いようで短いときのなかで、日本人が変わり果ててしまったことを嘆き、危機にある中で依然として今平和ボケをしていることに警鐘を鳴らしている

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完璧な映画翻訳って何だ~"I am Sam"の"I wouldn’t want any daddy but you."について~

完璧な映画翻訳って何だ~"I am Sam"の"I wouldn’t want any daddy but you."について~

文系学部に所属する大学の四回生というと、往々にして時間ばかりあって金がない。これといった社会的責任もなく、社会において極めて無意味で自堕落な存在だと自覚することもしばしばだが、しかしそうであるからこそ自分のやろうと思ったことを勝手にやれるという強みもある。

当時あまりに暇すぎて、私は大学の図書館で映画を見ることがあった。大学の図書館であるから、レンタル料も視聴料もかからず、財布にも優しい。

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正直者が馬鹿を見る社会に

正直者が馬鹿を見る社会に

小学2年生のころ、産休に入った担任に代わって入った男の先生がよく、

と言っていた。

その当時、小学2年生の貧弱な語彙ではそもそも「馬鹿を見る」とは何なのか全く分からず、ただその一言が頭に残り続けていた。

それから十数年が経って、いつの間にか子供と大人の境界を跨いでみると、この言葉の意味が少しずつ分かってきたように思う。
要は、この世界は、必ずしも頑張った人や、正直な人が報われるわけではない、

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思考と賃金のてんびん

「教育がどうあるべきか」については世の中でこれまでいろいろ議論をされてきた話である。
どんな人間も教育を受けて成長してきているから、教育問題については誰でも口を出せる。「教育はこういうほうがいいよね」と自分の経験から語りやすい。

現代社会では学力が人間の良し悪しを判断する道具として極めて大きな力を有している。これはあくまで「誰かさんが決めた正解を間違えない」ということにすぎない。
こうした学力偏

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オンラインだから本当のコミュ力が問われるなと

オンラインだから本当のコミュ力が問われるなと

3年前と比べると、いまは生活のなかでオンラインツールを使う機会が加速度的に増えていると思う。
電話でのやり取りがteamsやZOOMになり、直接会うことを避けてチャットでやり取りをし、そして移動することをやめ、起き抜けの服のまま家のパソコンの前に座る日々が仕事のほとんどを占めるようになった。

技術の進展のおかげでブチブチと音が切れたりすることもなく、本当に目の前にいるかのように会話ができている。

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