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かわせみ💎読書論考 継続中

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もっとも苦手だった読書。ひたすら読み、修行のごとく解読した。読んだことを忘れ、いまだ振り返り読書をしています。ただ、その読書は二度と忘れない「ボクだけの図書」として、生涯のアーカ…
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#SDGsへの向き合い方

携帯電話📱考えた。

携帯電話📱考えた。

 ついに、我々のコミュケーション手段第一位はケータイ電話(アプリメール)となったようだ。時代の流れであろうし、これに変わる物はないかもしれない。
 携帯電話を知ったのはバブルの頃だ。高級自動車にアンテナ、そして非常用懐中電灯くらいの子機だった。不動産、建築などに関わる方が多く利用していた。意外に、サラリーマンの世界にはなかったようだ。当時、自営業だったボクも使ったが、あまり使い勝手が良くなかった。

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よし、これから🎓

よし、これから🎓

 まずは、修士課程の学びをできることになった。今日、仕事から帰ると進展との郵便が届いていた。それは、夢に見た修士号への第一歩となる修士課程への参加の知らせだ。
 明日は休み。やることは二つ。入学料と授業料を払いに行く。楽しいワクワクさ、比類ない。総額は数万円だ。40年以上も前に描いた夢は、案外と低額で済みそうだ。そして、もう一つは、学習計画を立てる。これも、とても楽しみだ。
 かつてであれば、通信

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"風の時代"に吹かれて

"風の時代"に吹かれて

 風の時代とは、西洋占星術に火・水・風・地の四エレメントのひとつのことらしい。そして今、風のエレメントが支配の時代となるらしい。風のエレメントは、知性やコミュニケーション、自由や革新などを表すようだ。

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かわせみ💎読書考

かわせみ💎読書考

第一章 「読書とは」について

 小学校卒業の前に、担任の先生が本についての話をしてくださった。いまだに、正しい理解かどうかわからないが覚えている。

「みなさん、これからもたくさんの本を読んでください。読むだけ、読んで考える、読んで血や肉にしてください。
 本は、いろいろなことに役立ちます。また、悪いことを覚えてしまうこともある。また、悪いことを知ることで間違えを起こさない歯止めになります。

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青春のボレロ

青春のボレロ

 早咲きの人生と挫折の境遇で、次の活路を見出すために模索を続けた主人公:並木の生き様に多くの学びがありました。また、友情・恋・家族を大切にする姿には、深く考えされられる課題が少なくは無かった。
 回天は変化球の回転とも捉え、その完成こそ次の活路であったのでしょう。
 後ずさりの出来ない「出口のない海」への決意。友人の申告書の記入をカンニング、自分も二重○の決意。しかし、自分が二重○をしたときには、

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約束の冬👍

約束の冬👍

 現代小説の頂点を極めた作品である、と思う。
著者には三つの顔がある。一つ目は「泥の川」「優駿」「錦繍」等を描く硬質の純文学作家である。二つ目は世相のストリーテラーである。三つ目はエッセイストである。私は一番目の宮本輝先生が好きでした。しかし、この著作を読むことで、著者への思いが変わりました。同時に現代小説のあり方に対し、新しい視点を示唆して戴きました。

 この著作を、私は次のように捉えておりま

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彼らの勇気が仇

彼らの勇気が仇

 第二次世界大戦の始まりから、終戦の後始末までがジロー・マット・ヘンリーの青春期である。舞台は、アメリカ合衆国。もっとも大きな要素は、戦争である。また、彼らの共通点は日系二世である。

 当時、自由の、また移民への最大のチャンス(生活の場)がアメリカであった。かつてのブラジルや満州の如く(ここでは侵略の概念を外す)。しかし”12・8”が、決定的に運命を変えた。
 アメリカにおけるマイノリティーとし

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「いのち」の姿を描く

「いのち」の姿を描く


 「死」と「生」を一直線で結び、「いのち」のあり方を示した「城崎にて」は、絶品でした。

 命拾いをした主人公が静養した城崎で。あまりに普段の生活に、そして素朴な出来事に出会う。
 蜂の死、串鼠、さらにイモリの死に様。平生であれば気にも止まらない出来事が、フェーテルの世界で彼にリアルさを眼覚させる。私は串鼠の描写に心を打たれた。小動物の動きを通じ、いきおい人間の「生の尊さ」を、問いかけられた。

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技では女心を捉えられない

技では女心を捉えられない

 「カノン三部作」を読みました。最後の「エトロフの恋」は表紙の色の如く、副旋律と感じました。

 主旋律の「彗星の住人」と「美しい魂」は、いい。何故いいか?不釣合いの恋に悩む主人公が、命がけでカウンターテノールを会得する。しかし、憧れの不二子さんはお駄賃程度。彼女の本意か家の事情なのか?いずれ、駆け落ちなどの破天荒な行動には至らない。
 周りからの操作や作為に惑わされる筈もないしかっりと彼女は、な

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「愛情」という盾

「愛情」という盾

 佐久間、吉村先生一流の詳細な下調べと明快な時代背景を描きつつ語られた、前代未聞の脱獄囚の主人公。しかも、犯罪の重さをかき消すが如くの凶悪な脱獄囚である。

 佐久間がそうなった訳を、著者は生い立ちと風貌のからなる後天的な人間形成過程と先天的な鋭い動物的な勘に求める。
佐久間の転機は、鈴江刑務所長との出会いにある。いや、鈴江が佐久間の飢えていることに気がついた。「愛情」である。鈴江は、反抗の盾に「

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人間力の総和による五重塔

人間力の総和による五重塔

 ご存知、文豪露伴の代表作。風采のあがらない主人公:のっそりの生涯の唯一の傑作:五重塔完成までのお話である。

 作中、のっそりの執念、棟梁のあり方、奥様の役割、また詳細に現れない腕自慢の職人達が生き生きと描かれ、「。」が三ページに一個くらいしかない読みにくい文体も気にならず、一気に読み終わりました。
 中でも、カリスマの如く君臨する大僧正のあり方には感動した。終盤、天災に打ち勝ったのは、まさに彼

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短すぎた愛のお話

短すぎた愛のお話

「武器よさらば」は、恋愛小説です。
 ヘンリーとキャサリンとの清く、そして短すぎた愛のお話です。さらに、身ごもった新しい命まで失う。

 後半、スイスに向かう湖上での二人の件には共鳴しました。なれないオールを必死に漕ぐ姿は、所帯を持ちたての自分の心境に、相似していた。まさに、「おれが、こいつを幸せにする。」という決意にほかならない。 
 また、健気なキャサリンの存在は、私の細君の存在にダブる。ちょ

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「アンジェラの祈り」もぜひ

「アンジェラの祈り」もぜひ

 著者マコートの回想録であり自叙伝は、この作品「アンジェラの灰」と続編の「アンジェラの祈り」で完結する。しかし、実は続編が読まなければ、前編の題名の意味が理解できない。

 誇り高き「父の教え」は、時代錯誤の滑稽劇でありながらも、少年マコートの精神主柱となる。また、生きるべく世間は常に少数負組み!正義を知りつつも、常に貧困と差別の被害者。精一杯生きた抜くことで、彼は生きる活路を見出す。
 本著

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