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【詩】 出逢い

口をつぐんだことで 
ずれてゆく景色がある
風はとても優しいのに
ふとしたことで崩れそうな
眠り草の憂鬱

おそらく道は
どこまでも続く
道標をクルクル回す
気まぐれに蹴った小石は
飄々と
或いはのろのろと
歩き続ける言い訳となり

何の変哲もないベンチの上
ある日見つけた一冊の書籍
小さな歴史か旅の記憶か
それとも詩歌のような
散文が足跡となって謳う

ねじ曲がらないでスッと
思ったことが書けるのは
培ってきたペンの強さと
携わってきた戦いの軌跡
そして秘密の小箱の
軟らかな中身

手にした物語が
全てフィクションだったら
楽しかったって笑って
全頁をひらひらと
空中に投げ出せるのに

夢現の道の真ん中で
最後の頁を
ひっそりと開き
戸惑いを一筆
くるりと描いた

皆さんのおかげさまです。
ありがとうございます😊

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