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夜間.
2023年7月15日 00:52
『夜に着いて』同じ空の下で埋もれる君を見つけてきっと明日も予定外で見つけた幻想を放す藍色に染まった夜のカーテンは多くの人が好きだなんて言うけれど幾つもの軽い嘘に塗れていて本当は何もないんだから私の好きな夜はここにあるたくさんの光宇宙の真下にある地球一人だけの世界君と同じ夜で全く違うもの私だけの夜で美しい孤独
2023年7月15日 01:28
君が嫌いです単純な理由で君が嫌いです君に好かれるために飾らなくてはいけないその理由がもうないことに自由を見つけましたそれはもうとても快適でとても潤滑でとても風通しがよくて寂しくもあるのでした君から好かれるために飾らなくてもいい飾り付けたいわけじゃない誰からみても きれいだ と言われる何かになりたかったもう必要とされないそれは自由
2022年8月13日 00:16
『めがねがひつようです』おしえて。どこにも、逃げられないから、目をつぶるの。目をつぶると殺されちゃうから、目をあけて、ただようように目をうようよさせていたら、ようやく眠れて、そうしたら、いつの間にか目が覚めて、また繰り返すの。繰り返すほど、このまま目をあけない日を考えるけれど、もしほんとうに目がこのままあかなくなったら、そのときに、あぁ、生きたかったなってきっとおもうの。生きていた
2022年10月20日 21:59
『積年の思いが皺』ヤバいくらい手をかけている日常が圧倒的に映えないから首を傾げて立っていてもそれが日常かさ増しの食事で立体感を味わうふりをして財布の顔色伺っているのなんで異常肉を食べたら罪悪感くらうの周りがとやかく言うから草を食べてみるの花の命は人の死に捧げるのに相応しいって彼ら平気な顔で殺戮繰り返してさっき恨んだすれ違いを見て見ぬ振りできたならわたし人でなし
2022年6月8日 23:14
『おじいちゃんおばあちゃんたち』昔はおじいちゃんおばあちゃんっていう存在は変わらないと思ってたわたしもわたし達も同じおじいちゃんおばあちゃんになるんだと思ってたのに小さい頃にいた街のおじいちゃんおばあちゃんはもうほとんどここには居なくなってしまって今いるおじいちゃんおばあちゃんはおじいちゃんおばあちゃんであっておじいちゃんおばあちゃんじゃないおじいちゃんやおばあちゃんにはこう
2022年6月3日 21:36
『風のつよい日』風の強い日わんころ君は枯葉になりたい歩道の脇の小さく真っ直ぐな乾ききった溝のトンネルコロコロ駆ける葉っぱにおいつけ追い越せ君も風のように駆け抜けたいその溝ぴったりの体沈ませて枯葉のように突き進みたいジャストフィットわんころ溝に挟まれてただコロコロと転がるように疾走したい風の強い日君の名前は風子あだ名よりも正しく呼んでもらえると目をぱちくり
2022年5月29日 03:11
『しっぽ』かつてみんなぼくを殺したがったなぜならわたしが天使だったからぼくを殺せば答えが見つかるとわたしがいるからみんな苦しいんだとふと世界は気づいてしまった明日なんかいらないから手早く答えを引き摺り出したがった大切なものなんてみんな分からなくなってしまったわたしは怯えてぼくは逃げる決意をしたわたしは何も守れなかったぼくはみんなを見捨てたんだみんなに生きてほ
2022年5月22日 10:01
冬浴びて誇る数多の桜より初夏一本の芍薬なりたし冬浴びて誇る数多の桜より初夏一本の芍薬なりたし初めて芍薬を見たとき、一輪の、淡く儚そうなのに、華奢な細長い茎で背筋を伸ばして、花の重さにものともせず、凛として咲く様子に、驚かされました。桜も大切で好きだから、また言葉にしてみたい。けれど、私は芍薬が好き。私は芍薬を去年初めて見て、それから今
2022年5月25日 19:03
『忘れた買いもの』花器を買った茶色と青で深い海を思い出せるような色のケーキ屋のアイスを買った冷凍のソフトクリーム店主が少し寂しげだった水を買った隣の隣の隣の県から運ばれて来たペットボトルマウントレーニアを買ったコンビニの店員さん少しやさしく手渡してくれた数枚のお釣りとレシート日傘は買わなかった気に入る生地のものがなかった一昨年失くしてそれがまだ残って
2022年5月26日 22:37
『花の目』花と目が合うときがある一つの花と目が合って揺れる周りは揺れていないのにそのひとつだけが揺れるすると二つ隣の草が揺れる反対に三つ隣の葉っぱが揺れる今日はたくさん目が合った「こっちを見て」と揺れておしえてくれる話しかけてくる笑いかける近づくと緊張して揺れるのをやめて止まっている息をひそめて窺っている風が吹くとさようなら揺れない草木は眠っている止まった時間の
2022年5月27日 23:07
『素直』雨の日に愛していないと云った。次の朝愛していると思った。狂おしい思いは偽りだと睨んだ。滴る中傾く人生は現実だと信じた。思い出の内に包み込んでくれる毛布を探した。引っ張ってくるまったつもりになったけど暑かった。深海みたいな光の届かない嘘を考えた。並べて小綺麗にしてもどれも暗号に過ぎなかった。笑顔が溢れるように少し大きく動いた。疲れて笑うのも躊躇う程
2022年5月29日 03:08
『星座ビーズ』夜の奥の狭間で足音も飲み込まれて遠くの灯りと音だけが頼りのしゅわしゅわ泡泡閉めたはずの栓を思い出して繋いでみたビーズは星座のきらきら長い長い夢をみてたの冷え切った指にも気付かずにそれでよかったのに覚めた夜中は寝付けない
2022年5月31日 19:42
『そうでした』そうでしたわたし生かされてるんでしたふつうの日常過ごしてしまってごめんなさいきょうは休みだから昼まで寝てやろうなんて老けこんでやろうなんて考えてました寝たふりしてたらあいつヤバイヤバイヤバイヤバイなんてカラスに叩き起こされましたがっこう!なんて言われてしまいましたごめんなさいでも、わたしこどもじゃないんですがよくばってゆっくりねたかったんです。
2022年7月9日 23:12
『うまくいかない羊』「そのままでいい」って言ってよ私ずっとこうやって生きてきたのでもずっと藻搔いて変わってきたの日に日に私が分からなくなってそれなのに変わらなきゃって明日もたぶん分からない私は私で居てもいいって思いたいそのままでいいよって言ってくれたらなでもそれは「そのまま死んでくれ」ってことになっちゃうのかな