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「他者貢献」は誰を幸せにするか? 自己肯定感を高める工夫とは

「人の為は結局、自分を幸せにするということか」

「他者貢献」という言葉があります。チームビルディングの議論をしたり、チームワークをいかに上げるかという会話でよく出てくる言葉ですね。

自分ではない誰かに尽くす、または何らかのプラスの働きかけをしていくことは素晴らしい行いです。もちろん「他者」に「貢献」するのでサポートを受けた相手に利のある行いです。

しかし、この行動は別の角度から見ると、自分を幸せにする強力なアクションだったりします。自己肯定感を高める工夫について整理します。

「他者貢献」が行きつく先は?

そもその他者貢献という言葉の意味がこちら。

【他者貢献】
仲間である他者に対して、なんらかの働きかけをしていくこと。 貢献しようとすること。

助けたいと思う相手に対してプラスのサポートの手を差し伸べる行為ですね。この行為、もちろん相手の為ですが、それだけじゃない感情が芽生えることってないですかね。

例えば電車で目の前の人が電車を降りようとして座席にスマホを忘れたまま席を立ったのを見た時。「これ、忘れてますよ」ととっさに声をかけたりしますよね。これ実際、先日自分がした行為です。

相手は助かったという安堵の表情と感謝の言葉をかけてくれました。この時の自分の感情ってどんなものでしょうか。「人のために良い事ができた」とちょっとほくほくした気持ちになったり、気恥ずかしい気持ちになったりしますよね。

これは、社会通念上誰が見ても「善い行い」をやれた自分を、自分で誉めているのだと思います。さらに、相手からも感謝される。それを見た周りの人からも「良い人がいるもんだな」「世の中捨てたもんじゃないなぁ」と思ったり。ほくほくした気持ちが連鎖していきます。

こうした善行を習慣的に繰り返すと人は「私は人に優しくできる人」と自分に対してポジティブな自己イメージが膨らんでいくと思います。つまり、親切をすればするほど、自分がどんどん好きになるというサイクルが回り始めるということです。「他者貢献」は結局自分を引き上げていくということですね。

アドラー心理学の「幸せ」の構造

「嫌われる勇気」有名な心理学者アドラーの心理学ではこんな内容が語られています。

・人間は「共同体」の中で生きている。
・その上で大切なのは「他者信頼」「他者貢献」「自己受容」
・人を受け入れ、人に貢献することで、人は自分を受け入れられる。

人が幸せになるための3大要素の一つに「他者貢献」を挙げています。つまり、人間が幸せになるためにの大切な要素は「他人に貢献すること」ということです。

「自分」を受け入れるために「他者信頼」や「他者貢献」など、「他者」への働きかけがキーになるというのは面白い視点です。人は社会的な生き物なので、人間関係の中で自分をどう認識するかが非常に重要ということですね。

情けは誰のためのもの?

「情けは人の為ならず」という言葉があります。この言葉を聞くと「人に情けをかけることは甘やかす事になるので、その人の為にならない」と思われがちですが、これは全くの誤解です。

実際は真逆の意味で、「人に情けをかけると巡り巡って自分に良いことが返ってくる」という意味です。「人の為ではなく、自分の為にある」という意味。誤解している人の多くは、「ならず」を「~にならない」と誤訳しているんですね。

電車のスマホの忘れ物の話も正にコレです。自分に返ってくる多幸感こそ「自分の為」になっているポジティブフィードバック。

誰かの良い噂を本人がいないところですることってありますよね。本人の知らないところポジティブなうわさが広がる。こうした社会的な評判を通じて間接的に行われる互恵関係のことを間接互恵性と言います。自分が知らない相手でも、親切に振る舞えば、善い評判が広まり、周りからプラスの影響が巡ってくるということです。これも正に「情けは人の為ならず」ということですね。

そう考えると、「情け」つまり「他者貢献」はどんどんするべきです。困っている人を見つけて、どんどん人助けをする。そうすることで、結果的に自分の人生が潤っていくのです。

自己肯定感は「自分の中」で完結する感情

自己肯定感を理解する上でとても役立つ本があります。『人生がうまくいく人の自己肯定感』です。著者の川野泰周さんは、精神科の治療に禅やマインドフルネスをとり入れているお医者さんです。

この本の中で自己肯定感をこう定義しています。

「自己肯定感とは何か? それは、自分を支える根源的な心の力のことです。そして、この力は、誰でも、いつからでも、何歳であっても高めることができます。これは精神科医として、また禅僧として、さまざまな心の問題と向き合ってきた経験から得た確信です」

なかなか勇気づけられる語り口ですね。本書では「自己肯定感こそが人生のもっとも重要なカギを握っている」と語りかけてきます。

自己肯定感と似た言葉の「自尊感情」というものと対比して自己肯定感を説明しています。

【自尊感情】
「他人との比較」のなかで得る、自分のほうが優れている、成功している、高い地位についているといった、いわば「優越感」であり、一時的なもの。

【自己肯定感】
誰かと比べてという相対的なものではなく、「自分という存在は大切である」という絶対的な、確信的な、揺るぎない感覚。自分を支える根源的な「心のありよう」、あるいは「心の力」。

つまり、自己肯定感は比較ではなく、勝手に自分が感じる感情ということ。これまで説明してきた「他者貢献」の行先も結局は「自分」です。人間関係の中で他者貢献を通して自己を肯定していくことが、幸せになるための近道なのかもしれません。

まとめ

他者貢献、つまり人に「親切をする」という行為は、単純に相手を救うという利点だけではなく、巡り巡って自分自信の自己肯定感を高める行為と言えます。

「情けは人の為ならず」=「人への情けは結局自分の為になる」

そう考えると、積極的に人が喜ぶ善い行いをしたくなりますね。今回の記事をまとめて改めて感じたのは「自分のマインドセット次第で自分を好きになれる」ということ。

しかし、なかなか自分を好きになれないという人もいると思います。過去、自分もそんな時期がありました。自分を好きになるためにどうすればよいのかと、自分の中に答えを求めるよりも、自分の外へのアクションに活路を見つける方が近道ということです。

タイムマシンに乗って過去の自分に「自分が好きになりたいなら、どんどん他者貢献すればイイよ」と言ってあげたいですね。

大それたことをする必要はありません。改めて半径5mの世界で今自分にできる「他者貢献」をどんどんやっていきましょう。その小さな善行が、自分をどんどん好きになるきっかけとなり、豊かな未来につながるのだと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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