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自分にとっての「シゴト」とは?改めて考える仕事の5つの意味

「質問なんですけど、『仕事』ってどんな漢字で書きます?」

先週、知人との会話で出てきた会話。「仕事は仕事でしょ」と思ってしまいますが、この時の会話は少し考えさせられる内容でした。

月曜から前向きにスタートするために、改めて「仕事」の意味を考えます。

5つの「シゴト」

彼との会話の中で、シゴトは5つあるという話になりました。「仕事」、「死事」、「私事」、「志事」、そして「師事」。あくまで当て字ではありますが、文字のニュアンスからそれぞれの意味合いを考えてみます。

仕事
「人に仕える仕事」。一般的にシゴトと言えばこれです。会社に仕え、上司に仕え、お客様に仕える仕事。株主や利害関係者に仕えるという意味合いもあるでしょう。仕事は誰しも、誰かに仕えています。

死事
ちょっと怖い字ですね。自分の気持ちを押し殺して嫌々やっている仕事のこと。多大な犠牲をして、仕方なくやるイメージです。本音ではやりたくないという後ろ向きの感情があります。心身をすり減らしている状態。

私事
自分のやりたいことだけを自分の為だけにしている仕事。好きな事だけをやっている状態。誰かの役に立っているかどうかは問いません。

志事
志を持って行う仕事。自分のためではなく社会や顧客のためになるという信念に支えられている状態。誰かから言われたからやるのではなく、内発的なモチベーションで、自ら取り組む。ライフワーク、使命。

師事
自分の中にある知見を活かして、後輩や未来を担う人達をサポートする仕事。自分のため、お金のため、ではなく「人を育てることに貢献する」という、自分ではない誰かの成長のために動いている状態。


自分なりの解釈が多分に入ってますが、ひとことで「シゴト」と言っても、いろんな見方ができますね。どれが正解というものはありませんが、自分のシゴトってどんな意味合いのシゴトなのかを考えることは、自分の人生の質を上げるヒントになるかもしれません。

どんなシゴトを目指すか?

人それぞれシゴト観は違います。置かれている環境も違うので、シゴトに何を求めるかは異なります。したがって唯一の答えはありません。

ただ、もし日常が「死事」で埋め尽くされているなら、そのシゴトは見直した方がよいかもしれません。自分の人生は一度きりです。世界には無数の仕事があります。その目の前の「死事」だけがシゴトと考えるのは思い込みです。自分を大切にしたいものです。

一方で「私事」は自分の為だけのシゴトなので楽しくて仕方ないでしょう。それでお金が入って来れば万々歳です。ただ、その私事のモチベーションは長くは続かないかも知れません。人は誰しも誰かに貢献したいと思う生き物です。いつか、「誰かの為になる」という次の次元に視座が移るのではないかと思います。

自分の人生を幸福に過ごす上では、残った「志事」と「師事」にヒントがありそうです。もう少し深く考えてみましょう。

共同体感覚とシゴト

「嫌われる勇気」で有名なアドラー心理学では「すべての悩みは、対人関係の悩みである」と考えます。不幸の源泉は対人関係にある。逆にいうと、幸福の源泉もまた対人関係にある、とも言えます。

アドラー心理学では「共同体感覚を持てているかどうか」が人生の幸せの鍵となると考えます。共同体感覚とは次の三つを持てている状態のこと。

1.自分の存在には意味があり貢献できている(貢献感)
2.自分も他者も安全で信頼できる(安心・信頼感)
3.自分には居場所がある(所属感)

いずれも誰かとの関係の中で感じる感覚です。この共同体感覚のことを英語では「social interest」といいます。つまり、「社会への関心」。社会の最小単位は「わたしとあなた」です。ふたりの人間がいたら、そこに社会が生まれ、共同体を作ることができます。

自己への執着(self interest)を、他者への関心(social interest)に切り替えていくことで、共同体感覚を構成する3つの要素に目を向け、ひいては人生の幸福につながるということです。

そう考えると、共同体感覚に沿った幸福なシゴトとは誰かとの関係の中で、「所属」し、「信頼」し、「貢献」しているシゴトと言えます。「私事」ではなく、やはり「志事」や「師事」である方が自分にとっても幸福になれるという事だと思います。

「志事」は内側からの動機付けに支えられた社会への貢献を目的にした仕事。正に他者への関心(social interest)が源泉です。これが共同体感覚に最も近いシゴト観と言えるのではないでしょうか。

一方で「師事」も、人の成長に寄与するという考え方から、「志事」と同様かそれ以上の他者への強い関心がベースにあります。ただ、「師事」をするには何かの分野や業務である程度の経験が必要です。人に差し出して価値のあるコトやモノを持っていることが前提です。よって初めからいきなり師事はできません。

整理すると、幸福感を感じられるシゴトとは、「志事」をモチベーションに、「仕事」で経験を積み、その経験の先に「師事」を目指すということではないでしょうか。日々働く中で「志事」や「師事」のウェイトを高めていく事が大切だと思います。

まとめ

「シゴト」と一言で言っても、当てはめる文字によって意味合いが変わります。今の自分はどんなシゴトを目指しているのか、そして目の前のシゴトはどんなものか、改めて考えてみましょう。

自分が幸せになるためには社会への関心を持ち、所属し、信頼し、貢献できるシゴトを目指す事が大切です。それがひいては共同体感覚についながり、自分の幸福感へとつながります。

そう考えるとシゴトは「志事」を目指しながらゆくゆくは「師事」になっている状態が理想なのではないかと思います。

「働く」という言葉の語源は「傍(はた)を楽にする」から来ているとの説もあります。「はた(人)」のために「動」いて「楽」にしてあげるのが「働」くということ。その原動力は自分の中から生まれるモチベーションに支えられている事が理想です。

言われたからやるのではなく、相手のことを思って、自分がやりたいからやる。そんなシゴトをしていきたいものです。

改めて「シゴト」の意味を考えてみてはいかがでしょうか。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

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