2023年5月の記事一覧
『京都不案内』どころか『京都首ったけ』
森まゆみ『京都不案内』(世界思想社)。電子書籍版はこちら↓
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冒頭には、身体を壊して、気功で体質改善するために京都に行ったとある。しかし『京都不案内』というタイトルを裏切って(これは謙譲の科白だろう)、縦横無尽に京都に深入りしてゆく。それも若い頃からの京都とのおつきあいの集大成である。京都と言っても神社
今野敏「トランパー 横浜みなとみらい署暴対係」
今野敏「トランパー 横浜みなとみらい署暴対係」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
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県警本部暴対課・平賀松太郎警部補が横浜港埠頭に浮かんだ「サツカン殺し」。もとは県警本部捜査第二課の永田優子課長から振られた、高級食材の取り込み詐欺捜査だった。仲間を殺られたことで神奈川県警は怒りに震える。しかし捜査過程で、平賀が詐欺犯人
ヨシタケシンスケ「みえるとかみえないとか」
ヨシタケシンスケの読書その5「みえるとかみえないとか」(アリス館)。
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僕は宇宙飛行士。ある星に降り立ったら、宇宙人(形状は火星人っぽい)には目が3つあった。しかも1つは後ろ向き。「それじゃあ(自分の)背中が見えないじゃない」「後ろが見えないのに歩けるなんてすごい」「とっても不便じゃない?」と、僕はひた
村上春樹『街とその不確かな壁』
村上春樹『街とその不確かな壁』(新潮社)。電子書籍版はこちら↓
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主な登場人物は僅かこれだけ。この登場人物たちを読めば、物語の大筋はわかると思う。
1️⃣主人公と彼の影
・2️⃣との失恋(⁈)を引きずって、壁に囲まれた異世界を心象に想像して、そこで故人たちの残した夢を読む。異世界から現実の世界に戻って、