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2020年7月の記事一覧
フリーライターはビジネス書を読まない(33)
俺がジャーナリスト!?航空チケットを予約して乗る便が決まったら、次に版元の編集者に電話をかけた。
ことの次第を説明し、1週間後に締め切りの原稿を3日後に送ること、福岡に1泊するからその間は連絡が取れないことを伝えた。今みたいに携帯電話が普及しておらず、手軽にメールを送受信できるインフラも整っていなかった。
原稿の直しも、大阪へ戻ってからということで了解してもらった。
福岡へ出発する前日、4ページ
フリーライターはビジネス書を読まない(32)
半壊したアパートから追い出された神戸と芦屋で3日間の取材を終えて、これから1週間で原稿をまとめないといけない。書いておきたいことと書くべきことが多くて、版元からオーダーされた文字数をオーバーしそうだった。どの話を削っても、現実を伝えられないような気がする。
取材をしていく過程で聞いた話には、ひどいものもあった。
住んでいたアパートが半壊したので、避難所へ身を寄せていた男性がいた。すぐに大家さんが
フリーライターはビジネス書を読まない(31)
傲慢になるボランティアと我がままになる被災者焼野原になった街を撮り続けていたら、いつしか陽が傾いていた。この日の取材予定は終えていたから、あとは帰るだけ。来るときは鷹取から歩いてきたから、帰りは兵庫駅まで歩くことにした。
さほど遠い距離ではないはずなのに、このときの新長田~兵庫は、なぜかとてつもなく長く感じた。あたりに見えるのは、焼け焦げた家やビルばかり。歩いても歩いても、いっこうにたどり着けな
フリーライターはビジネス書を読まない(23)
明日食べる米がないバブル経済が弾けても、東京の編プロからはビジネス書の原稿依頼をもらっていた。ただ、依頼される本のテーマが明らかに変わった。
証券取引や金融の解説をする本がほぼゼロになり、暮らしの中で役立つ法律知識とか新社会人のためのマナーブックのような、生活にすぐ役立つ実用的なテーマへとシフトしていた。
そこで困ったことが起こる。
私をプロのライターにしてくれた編プロは、もともと経済系のビジネ
フリーライターはビジネス書を読まない(21)
週刊誌の取材を受けるラジオの生本番5分間は、長かったような短かったような、よく分からないうちに終わった。たしかにいえるのは、もし予定通りの30分間だったら、間違いなく何かをやらかしていただろうなということ。それくらい緊張した。
出版社の社長は、スタジオの外でニヤニヤしながら見ていただけ。出演のオファーを受けたのが私だけなので仕方ない。
後日、私の口座に、出演料が振り込まれた。
「えっ、たった5