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すてきだなぁ!

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かいちょーさんの心の栄養になった記事をご紹介していきますね。
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#エッセイ部門

今日の言葉を考える

今日の言葉を考える

 今とても辛い状況の友人がいる。
 こんな時、自分は何が出来るのだろう。

 実際、その話を久しぶりのランチ会で聞いてから、私は何も出来ていない。
 友人は、知ったかぶりのお節介など望んでいないだろうし、「辛い」と弱音を吐く人間でもない。

 そっと見守り、請われたら手を差し伸べるスタンスが今の時代の友情なのだろうか?
 
 自分に置き換えて考えた時、物凄く辛い時は「一人になりたかった」「まわりに

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思い出の唐揚げ弁当

思い出の唐揚げ弁当

私が小学3年生の時、両親が離婚し母親と夜逃げをした。これが小3の1学期の終わりの話。母親がはまっていた宗教の人の家に数週間住まわせてもらい、その後母親の不倫相手の家の近くのワンルームマンションに引っ越した。夏休みが明け2学期から新しい学校での生活が始まる。この話はそんな時期での出来事だった。

引っ越した初日から母親はほとんど家に帰らなくなり夜遅くまで男の所に居た。私は置かれているヤマザキの肉まん

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シンデレラ・パジャマ

シンデレラ・パジャマ

「あなた、お名前は?」

3年通っているが、名前を覚えてもらったことはない。あまりに久しぶりに尋ねられて、しばし面食らった。

彼女は私をケアさんと呼んでいる。

私も別にそれで困らないし、ちなみに毎週2回来ている看護師さん達もケアさんである。

私と看護師さんの区別がついているかも微妙だが、彼女はそこをうまく取り繕うことに長けている。

彼女の一人暮らしには、ケアさんが複数必要になってきていた。

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石に浮かぶ世界

家族が寝静まった夜の作業場にひとり。

雨音を聴きながら仕事をしていると、世界が5ミリほど地滑りを起こしたような感覚に陥ることがある。

上を向く。集中しすぎた。
ついさっきまでいた世界と、顔を上げた今が僅かにダブりながら、別々の世界を進む。

絵を描いた上に、方解石を置いたときみたいだ。
下にある絵と石に浮かぶ絵、一つしかないはずのものが一部だけ離脱したような、不思議な世界。

今の私は本当に、

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キーホルダー

キーホルダー

 母は3年前に亡くなった。

 実家で遺品の整理をしていると、母の財布の中から古いキーホルダーが出てきた。
 直径1センチほどの太鼓型のキーホルダー。その片面には華厳の滝が、反対側には陽明門が描かれている。
 それは今から50年ほど前、私が小学校6年生のとき、日光へ修学旅行に行った際のお土産として母に渡したものだった。
 キーホルダーの中には小さな鈴が入っていて、叩くと音が鳴った。

 小さい頃は

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「願う」ことと、「願いごと」。

「願う」ことと、「願いごと」。

昨日の春分の日は、とても大切な一日だったようですね!
何人かのクリエイターさんたちの記事で、「宇宙のお誕生日」であることや、「願いごとが叶う日」「浄化の光がMAXになる日」であることなど……今年の3月20日が、とても大切な日であることを読みました。

せっかくですから、わたしも朝からお家の掃除をして、一日のなかでも、特に「願いの叶う瞬間」であるという12:06を楽しみに待ちながら、心穏やかに過ごし

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わたしは音のおかあさん!

わたしは音のおかあさん!

子どもの頃、ピアノを習っていました。
結構熱心に関わっていた時期も長くて、ピアノにまつわる思い出や、音楽から教えてもらったことがたくさんあります。

そういう思い出のなかで、ふと、鮮やかによみがえってきた記憶があります。
ピアノに向かって、ぽろ、ぽろ、ぽろん……と練習曲を弾きながら、
(わたしは音のおかあさん!)
そんなふうに思っていたわたしがいたこと。
わたしは音を生みだしている。
生みだすのだ

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さらさらお金の流れる世界。

さらさらお金の流れる世界。

唐突ですが、「お金のいらない世界」を真剣に夢みています。
多くの方にとっては、「なんだそれ?そんな世界になるわけないでしょ」という感覚かもしれませんが、少しの間、わたしの思いにおつきあいくだされば嬉しいと思います。

「お金のいらない世界」というのは、端的にいうと、「交換」の必要ない世界です。
お金はもともと物々交換から始まった、というのが定説ですよね。
例えば魚を獲るのが上手な人と、野菜を育てて

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