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生きていてよかったこと

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人生の価値はお金でしょうか?ステータスでしょうか?旅行に行ったり美味しいものを食べた時でしょうか? ふとした時に訪れる幸福感を深掘りする無料マガジンです。
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記事一覧

今はない下北沢の服屋のお兄さん

今はない下北沢の服屋のお兄さん

我が輩はモノを捨てられない男である。

どのくらい捨てられないかというと大学生の時に買った3000円くらいのジャケットすらまだ家にあるレベルだ。

また使う時がくるかもしれないから、もしくはもったいないから。後者の方が多いと思う。

そのため、ここ数年はメルカリなどで売るのが性に合っている。大した金額にならなくても、古着屋に大量に持っていっても100円にも満たないことが多いから、それが10倍くらい

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杉本博司「江之浦奇譚」から知の探求のヒントを得る

杉本博司「江之浦奇譚」から知の探求のヒントを得る

私が以前から押している現代アーティスト杉本博司の本「江之浦奇譚(きたん)」について。

現代アーティスト杉本博司

 写真家からアートプロデューサーまで幅広く活動する彼の頭の中は知識の塊だ。とりわけ歴史、哲学、宗教に精通し、古美術に関しての知識量が豊富である。彼は写真家としてアメリカで成功し、アメリカで古美術商としてのキャリアを築きつつ現在のポジションを確立している。
 多くの芸術作品を残す彼だが

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くるりのプレイリストがやっぱりセンスよい

くるりのプレイリストがやっぱりセンスよい

spotifyですが、くるりのプレイリストとてもよくてオススメ!

くるりの音楽的引き出しの広さやイノベーションにはこういった背景があるのか〜、そりゃーそーかと思う奥行きの広さです。

そういえば、昨日ちょうど久しぶりに下北沢のアナログレコード垂れ流しのつむじ風でさよならストレンジャーを聴いてぐっと来たんだった。そして今日。こういう新しい出会いの嬉しさはアルバム単位よりも人が選んだプレイリストの時

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音楽制作という祈り

音楽制作という祈り

最近は音楽や映画やエンタメで成功するにはやりたいこととかとは別で、並外れたテクニックがあるか、方程式に寄せる知性と戦略の巧みさがないとしんどいね。前者は普遍的に好かれるけど、後者の方はだいぶ好み分かれる。そしてどちらにも当てはまらない人は、エンタメをやることに対しての哲学とか意義とか主義主張だったりひたすら祈りみたいな感じでやり続けるのかな。生きるために苦労して飯とか食いつつ、一方で生きるとは何か

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human Co-beingの時代

新しい社会へのパラダイムシフトについて「一言で表すとそれは何か?」という質問を度々頂きます。技術的な点に注目すれば、それはITやデジタル、データ、AIを初めとした解析技術、というキーワードで表現されます。しかしながら、それは手段であって社会変革の本質を示すものでありません。

社会変革の本質についてSociety 5.0 の初期のビジョンでは”人間中心”を掲げてきました。ただ多くの方々からは「自己

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日曜美術館「雄々しき日本画〜横山操、伝統への挑戦〜」

日曜美術館「雄々しき日本画〜横山操、伝統への挑戦〜」

戦後の日本画の風雲児と言われるくらい、独特の個性を発揮した画家。なかなか日本画はとっつきにくいわけだが、横山操(みさお)は是非とも見たいと感じさせるパワーを感じた。

出征、シベリア抑留という地獄を経て描く世界は怒りに満ちている。

現代の我々はそんな経験をすることもそうない故に、そのような痛みを伴う創作ができるのだろうか。

黒と赤を基調として描く、炭鉱的などろくささの迫力は鬼気迫る躍動感。消失

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お勉強したりお説教したり

お久しぶりです。

コロナになってからルーティーンで英語の勉強を続けられている。

4月から8月までオンライン英会話一日一回を継続できたし、TOEICも受けてみた。しかし勉強法がいまいちで伸びは遅く、TOEICの点数も恥ずかしてく言えない結果だった。胸を張ってこんなに上達したんだぞとはとても言えないけどしっかり続けたことはよかった。

毎日遊んだり過ぎていく日々に比べて、何かが蓄積されていると思う

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【日曜美術館】STARS〜現代美術のスターたち〜日本から世界へ

【日曜美術館】STARS〜現代美術のスターたち〜日本から世界へ

六本木森美術館で「SATARS展〜現代美術のスターたち〜日本から世界へ」という世界に羽ばたく日本を代表するアーティストの初期作品と最新作品を展示する企画をやっている。特集を見たら行きたくなった。

日曜美術館でそのアーティストの対談をやっていたが、とてもウィット過ぎてしびれたので個々に記す。

■生と死を追求する現代美術家の杉本博司とデジタルアートの宮島達男の対談

宮島:DNAには記憶が残ってい

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山登りは物語りの扉を開く

山登りは物語りの扉を開く



<プロローグ>

なぜ山に登るのか?

と問われ、ちょっとかっこいい答えをしたかったので「登るときだけ物語の主人公になれるからじゃないかな」なんて言ってしまったのものだから、今回の登山はそれを意識しながら登らざるを得なくなった。

<登山準備>

2020年9月上旬、台風によって断念しようか悩んだが、台風がのろのろしてくれたおかげて決心がついた初登山泊。初テント泊ということで悩みに悩んだソロテ

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残されたものたち

残されたものたち

‪今までこんなことなかったけど、若く交通事故に巻き込まれて亡くなったいとこが今も生きている夢を見た。彼女はとても人を魅了する人だったから今も生きていたら、素敵な未来が待っていただろうし、今ならもっと楽しい深い話もできたろう。

東日本大震災で亡くなった人々、何もできなかった無力感、病気で苦しんで亡くなる人々、今も世界中で起こる戦争や暴力で亡くなっていく人々。

残されたものたちはその分生きる使命が

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今のオザケン、あり?なし?

今のオザケン、あり?なし?

ここ数年、そんな自問自答を続けているかもしれない。なんでだろう。

前回の「魔法的なんちゃらなんちゃら」の武道館ライブのMCを見たり、その後ライブで一聴してお気に入りだった「フクロウの声が聞こえる」が意表をついたセカオワとのコラボバージョンになって悔やまれたあたりで、今のオザケンは”なし”が私のコンセンサスであった。
(Mステでサビ前にYo!!みたいな掛け声をやってたあたり頂点)

そして、時は2

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オンライン配信&飲み会やってみて

オンライン配信&飲み会やってみて

このGW皆様はいかがおすごしでしょうか?

私はオンライン配信&オンライン飲み会初挑戦してみたことですかね。(FEAR OF WALKING DEAD見たらまた止まらなくなってしまったことを除く)

オンライン飲み会、ちょっと躊躇していました。若干ブームに乗る感が悔しいというだけでしたが、やってみたらまぁ自宅で悶々としていたものがほぐれていった感あり、よいですね。GW後半耐えきれなくなってみんなや

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【日曜美術館】疫病をこえて 人は何を描いてきたか

【日曜美術館】疫病をこえて 人は何を描いてきたか

毎週地味にひっそりと美術を語り合う場、NHKの日曜美術館。

実は40年以上やっているらしい。美術館が閉鎖するという前代未聞の危機の中、「美術史を通して人々は疫病とどう向き合ってきたか」という特集がとてもとても示唆的で、未来の知恵に溢れ、素晴らしかったので記します。まさしくコロナの時代における処世術であり、混乱した頭を一度リセットすることに寄与しそうだ。

①ペストの時代における美術

 西欧で人

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ジョンカーニー、平野啓一郎、モダンラブ1

ジョンカーニー、平野啓一郎、モダンラブ1

 「ONCE ダブリンの街角で」「はじまりのうた」などで有名な大人のほろ苦い愛を描くのが上手なアイルランド出身の映画監督、ジョンカーニー。お〜、ほろ苦いな!うぅぅ、グッとくるじゃねーか!と言いたくなるストーリーに心揺さぶられてしまうわけだけど、特に「ONCE〜」の方は低予算で作られたにもかかわらず、その手振れ感含めてとても緊迫感あるある街「ダブリン」の名もなき恋をリアルに描く。思わず引き込まれてし

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