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生物多様性地域戦略を策定するための科学情報

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全国の都道府県ごとの生き物マップをもとにして、地域の生物多様性を適切に保全利用するための科学情報を記事にして提供しています。地域の方とのコラボで、保全のアクションプランをエビデン…
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2020年3月の記事一覧

日本の47都道府県の生物多様性

日本の47都道府県の生物多様性

日本は生物多様性ホットスポットとして世界的に注目されている地域です。日本に分布する維管束植物(シダ・草本・木本)は約5600種にも及び、その約30%は日本だけに分布する固有種です。

コンサベーション・インターナショナルでは、1500種以上の固有維管束植物 (種子植物、シダ類) が分布した地域で、原生の生態系の7割以上が改変された地域を生物多様性ホットスポットと定義して、日本列島や琉球諸島や小笠原

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佐賀の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

佐賀の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

玄界灘と有明海、筑後川が流れる筑紫平野、脊振山地、杵島丘陵、多良岳や経ヶ岳など、佐賀は地形あるいは気候的に多様です。このような環境の多様性が生き物の生息場所を豊かにし、佐賀の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らして

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長崎県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

長崎県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

半島、湾、島嶼が組み合わさった独特の地形、東シナ海や玄界灘。長崎特有の地形と温暖な気候は、生き物にとって、多様な生息場所をもたらしています。さらに、数万年前の最終氷期には、対馬海峡がほぼ閉塞して、長崎は大きく陸橋化して朝鮮半島と近接しました。現在の地域特有の環境条件に加えて、歴史的な環境変動が、長崎県の生物多様性を特徴づけています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が

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宮崎県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

宮崎県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

九州山地、祖母傾山系、霧島山系、それらから発する耳川、五ヶ瀬川、一ツ瀬川、大淀川、清武川、日向灘沿岸の宮崎平野、リアス式海岸や砂浜海岸など、宮崎の環境は多様です。このような、環境の複雑さが、宮崎の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どの

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大分の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

大分の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

周防灘や伊予灘、太平洋に通じる豊後水道に面した大分県。内陸は山地が多く、くじゅう連山や祖母傾山が連なります。海や山の地形の影響で、沿岸から内陸山地にかけて雨が多くなり、明瞭な気候勾配があります。そして地質も複雑です。このような環境の複雑さが、生き物の生息場所の多様性をもたらし、大分の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているの

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福岡県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

福岡県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

九州の北端に位置する福岡県、今から7万年前〜1万年前の最終氷期は、陸橋で大陸と(ほぼ)結合し、気候が大きく変動し寒冷化しました。現在の福岡は、玄界灘や瀬戸内海に通じる周防灘、内湾の有明海に面し、内陸には英彦山などの山々も連なり、平野には多くの河川が流れています。過去の気候変動と地形の多様性が、生物にとって様々な生息環境をもたらし、福岡の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用

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徳島県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

徳島県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

瀬戸内海沿岸の低地から太平洋岸の山地にいたる複雑な地形、地形に関係した降水量の勾配、地質の複雑さが、徳島県の生物多様性を特徴付けています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親しみや、理解も深ま

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香川県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

香川県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

香川は面積的には小さな県ですが、温暖で乾燥した気候、地域特有の地史や古気候変動に関係した地形形成があり、それらが、香川の生物多様性を特徴づけています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親しみや

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愛媛の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

愛媛の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

瀬戸内海と太平洋、西日本最高峰の石鎚山などが連なる四国山地、このような海と山の配置に関係した気候条件と地質の空間的異質性が、愛媛の生物多様性を形作っています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への

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高知の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

高知の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

歴史的な地質形成の複雑さ、そして、黒潮の流れる太平洋に面した山地の多い地形、それに関係した温暖多雨の気候が、高知の生物多様性を特徴づけています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親しみや、理解

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三重の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

三重の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

三重には、地理的あるいは気候的に、そして歴史的に見て、生物にとって多様な生育環境が揃っており、それらが地域特有の生物多様性を特徴づけています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様性への親しみや、理解も

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岐阜県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

岐阜県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

河川の氾濫と流路の変更に関係した地形形成、氷河期など古気候変動、御嶽山、白山などの火山噴火、これらダイナミックな環境変動の歴史が、岐阜の生物多様性を特徴づけています。

はじめに2020年10月中国・昆明で、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が開催されます。COP15では、2010年COP10の戦略目標(愛知ターゲット)に引続く新たな目標(ポスト2020)が採択されます。

自然環境の

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山梨の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

山梨の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

富士山をはじめ、八ヶ岳、奥秩父山地、南アルプスなど、山岳地に特有な地質や地形の多様さ、山地の標高に関係した気候の地理的な勾配が、山梨の生物多様性を特徴づけています。

はじめに生物多様性の保全や利用を考える場合、どのような生き物が、どこに分布しているのかを把握することが、第一ステップになります。地域の住民の皆さんも、自分たちの周辺に、どのような生き物が暮らしているのかを知ることができれば、生物多様

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宮城県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

宮城県の生物多様性:地域戦略・保全利用を考える

宮城は、地史的な時代を通して沿岸を黒潮が流れ、現在に至るまで気候が比較的安定していました。また、火山活動による火山砕屑物が堆積した丘陵地帯、河川の大規模な氾濫原や湖沼があります。このような地域固有の環境が、宮城県の生物多様性を形作っています。

はじめに2020年10月中国・昆明で、生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)が開催されます。COP15では、2010年COP10の戦略目標(愛知タ

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